堀田善衛「方丈記私記」(ちくま文庫)読了。
人生の先達M氏の口から、
幾度か「堀田善衛」の名を聞き、
そのうちにと思っていた。
先に読んだ、「時代の風音」が鼎談ということもあり、
イマイチ食い足りず、「方丈記私記」を読んだ。
これこれ、求めていたのは。★★★★★
著者に対して、知的で静的な印象をもっていたが、違った。
「方丈記」と言えば、無常、隠遁文学と思いがちだが、
堀田氏は、それをぶち壊す。
冒頭、いきなり、方丈記の安元三年の大火と
1945年の「東京大空襲」をオーバーラップさせるなど、
意表を突き、鮮やか。
鴨長明についても、ジャーナリストであり、
ミュージシャンであり、文学者であり、
一筋縄ではいかぬ人ととらえ、
そういう長明を、著者は好もしく思っている。
面白かった。
「方丈記」を読んでみたくなった。
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