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堀田善衛『上海日記』読了

投稿者 fujimoto:2009年12月 9日 17:22

堀田善衛『上海日記』(集英社)読了。★★★★
太平洋戦争終結前後の2年間を上海で過ごした堀田善衛が、
その地で書き記した日記。
読みだしたが、
上海の街(通りや施設)はもちろん、当時の社会・政治状況、
登場する人物との関係(武田泰淳のほかに、TやらNやら)、
著者のポジション、
だいたい著者が何で食っているのか、
なんだかよくわからない。
もちろん厳しい状況の中にはあるのだろうが、
よくある、戦後の悲惨な、過酷な話とは違い、
よく飲み、やたら映画を観るし、しっかり不倫するし、
ふーんと思いながら、読みすすめた。
巻末の解説、開高健との対談を読んで、
少し様子がわかった。
それでも読了できたのは、
その時代の、混乱の上海だけがもつ不思議な
空気、匂いを放っているからだろう。
誰かのブログに
「芯に熱を帯びた彼の散文が好きだ」とあったが、
それそれ、この日記の魅力も、そうだと思った。

【本・音楽】

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