水上勉『「般若心経」を読む』(ビジネス社)読了。
9歳のときに、禅寺の小僧として、
まず覚えた(口承)のが「般若心経」だったらしい。
人間はなぜ瑣事に悩み、色に惑うのか。
一筋の光明を求め、「心経」を一休和尚に問い、正眼国師に質す。
「般若心経」では一切が空であるという。
水上氏は、自らを凡庸の人として、
菩薩に叱られるかもしれないが、
『「般若心経」の教えを、
そのまま得心できない、自分がいる』
と正直に語っている。
水上さんらしい。★★★
しかし、心筋梗塞でで倒れた後の
暮らしぶりを他のエッセイなどでで見ると、
悶えながらも(障害を持て生まれた
娘さんのことが大きいようだ)
さまざまな欲を捨て、
ある境地に達しているかにみえる。
娘さんのあとがきを読んで、
「やっぱりそうなんだ」と思った。
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