ホーム >> >> 今西憲之「福島原発の真実 最高幹部の独白」読了

今西憲之「福島原発の真実 最高幹部の独白」読了

投稿者 fujimoto:2012年7月12日 08:23

今西憲之,週刊朝日取材班「福島原発の真実 最高幹部の独白」(朝日新聞出版)読了。
今西氏は、フリージャーナリスト。
福島第一原発の東電社員「最高幹部」のメモをベースに、
「最高幹部」に取材、
さらに、東電本店の許可なしに第一原発に潜入し(「最高幹部」の協力)、
繰り返し取材した内容をまとめたもの。
「最高幹部」(吉田所長ではない)以外は、実名で記されている。
3・11以後、刻々と変化する事故の状況、
死と隣り合わせで対応する現場スタッフ、
緊迫感がビンビンと伝わる。
このあたりの情報は、十分に伝えられていない。

「最高幹部」(最前線の人たち)の怒りの矛先は、
まっすぐ東電本店に向けられている。
だからこそ、「最高幹部」は、今西氏に、
真実を取材し発表してほしい、と依頼したのだ。
(実は、それ以前に「最高幹部」は、マスメディアに勤務する
大学の友人に、依頼したところ、にべもなく断られたという。)
もちろん、官邸、官僚、保安院、原子力委員会、専門家・学者、
さらにマスメディアに、不信感を募らせている事は言うまでもない。

車中で、千里中央のミスタードーナツ店内で、
一気に読んだ。
この書を読む前に、東電、その他への批判は、
自分自身にも向けなければならないと、思い定めて
読み進めたのだが、
その思いを乗り越え、次第に怒りが、込み上るのを抑えきれない。
抗がん剤の副作用の涙目が、一気に増量する。

大津の中学生自殺の学校、教育委員会もひどい。

いったい、この国は何なんだろう。
日本人は、どうなってしまったのだろう。
生前、司馬遼太郎さんが、危惧していた
この国の、日本人のあり方が、
いま眼前にある。

この記事が気に入ったら、クリックしてください→人気blogランキングへ

※スパムコメントの増加により、一時的にコメント欄を封鎖しています。