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宮崎哲弥「仏教教理問答」読了

投稿者fujimoto : 2012年7月15日 23:06

宮崎哲弥「仏教教理問答」(サンガ)読了。
真言宗、浄土真宗、天台宗、曹洞宗、浄土宗、各派の精鋭・論客との対談。
宮崎さんが、仏教者だとは知らなかった。
各派の違い
浄土真宗、曹洞宗は、在家・出家をどうとらえるのか、
仏教とオウム真理教とを分かつ点 等、
知りたいことに結構ふれられており、
興味深く読んだ。★★★★

佐藤優 中村うさぎ「聖書を語る」読了

投稿者fujimoto : 2012年7月12日 10:34

佐藤優 中村うさぎ「聖書を語る」(文芸春秋)読了。
キリスト者2人の対談。2人とも同志社大学出身。
中村うさぎ氏については、 破天荒な生活ぶりしか知らなかった。
博覧強記の佐藤氏としっかり対談できるのかと、
いぶかっていたが、
なんのなんの、違う立ち位置から、
きちんと対談を成立させていた。
「聖書」のほかに、「春樹とサリンジャー」「地震と原発」など
興味深いテーマについて語り合っている。
この書の基本となるテーマは、
近代科学主義ではとらえられない
言語化、論理化できない、「サムシング」を
「神」としてきたのだが、今後は・・・
このあたり、少し前に読んだ、「〈問い〉の問答」とも
重なっており、期待以上に面白かった。★★★★
.

南 直哉/玄侑宗久「<問い>の問答」読了

投稿者fujimoto : 2012年7月 7日 09:10

南直哉/玄侑宗久「同時代禅僧対談 <問い>の問答」(佼成出版社)読了。
南直哉氏、曹洞宗
玄侑宗久氏、臨済宗 いずれも禅宗。
いま最も発信力のある仏教者の
かなり本気の対談。
専門的な内容についてもあまり遠慮なく語られ、
難解な部分もあったが、面白かった。
二人とも、今という時代、既存仏教のあり方、
矛盾を抱えた人間の在り方に、
鋭く問い〉を発し、切り込んでいく。
先に、私がブログ「正法眼蔵随聞記」で書いた、
道元禅師の教えへの違和感にも触れられており、
大変参考になったし、興味深く読んだ。★★★★

水野 弥穂子 訳「正法眼蔵随聞記」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月30日 10:15

水野 弥穂子 訳「正法眼蔵随聞記」(ちくま学芸文庫)読了。
曹洞宗の開祖・道元の弟子、懐奘が、
道元禅師に随時し、
折にふれ弟子たちに説いた言葉や、
道元との問答を克明に筆記したのが『正法眼蔵随聞記』。

何度か立ち止まりながら、ようやく通読できた。
なぜ立ち止まったのか
道元禅師の教えが、冷徹で、厳しすぎるように思えたからだ。
とくに「出家」には、「すべてを捨て去り、ひたすら修行に努めよ」とある。
それなら、「在家」である私たちは、どうすればいいのか。
そのあたりが、しっくりこない。
親鸞上人の「実は私もあの世には行きたいと思わないんだ。
そんな私たちだからこそ、阿弥陀如来は、
私たちに思いを寄せてくださるのではないか」
といったような、たうたうような温もりが感じられない。

まあ、一度通読しただけだし、
道元の「正法眼蔵」を読みこなす自信もないので、
もう少し、周辺をウロウロしてみよう。

村上 龍「櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月29日 18:22

村上 龍「櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている」(KKベストセラーズ」読了。
タイトルほど内容が凄いわけではない。
ネットで掲載した文章を、本にしたのだろう。★★★
ズ―ンとした、手ごたえがない。
著者の小説は、『希望の国のエクソダス』を読んでがっかりして、
以後、村上龍の小説は読まない。
ほんの少ししか読んでないので、
批評することはできないかもしれないが、
何かもの足りない。本書も同じ。
受信機能は高いが、発信機能に欠ける。
そんな感じ。

阿川 弘之「言葉と礼節」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月27日 18:23

阿川 弘之「言葉と礼節 阿川弘之座談集」(文芸春秋)読了。
歴史を吟味し、言葉を憂い、日本の指針を考える。
藤原正彦、三浦朱門、養老孟司、半藤一利の各氏ら、
各界の8人を招いた座談集。★★★
阿川さんの小説は、読んだことがないが、
エッセイは好きだ。
壊れかけのキャラクターを、
自身も意識していて、
巧まぬユーモアを感じる。

渡部昇一・谷沢永一「人生後半に読むべき本」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月17日 17:06

渡部昇一・谷沢永一「人生後半に読むべき本」(PHP研究所)読了。
「第二の人生」の知的生活ほど愉しきものはなし!
日本を代表する書籍通、人生通であり、本の世界を知り尽くした2人が、
人生後半を輝かせる智恵から、
古典を読む愉悦、名著の裏のウラまでを縦横無尽に語る。

取り上げられたなかで、読んだことのあるのは、
藤沢周平「三屋清左衛門残日録」、
池波正太郎「剣客商売」くらいだった。
読んでみたいと思った本は、吉川英治「新・平家物語」だけ。
ただ、読み物としては、面白かった。★★★

瀬戸内寂聴 稲盛和夫「利他」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月13日 13:45

瀬戸内寂聴 稲盛和夫「"利他" 人は人のために生きる」(小学館)読了。
作家の瀬戸内寂聴氏(89歳)と京セラ名誉会長の稲盛和夫氏(79歳)の対談。
2人の仏教者が震災後の日本人の新しい生き方を探る内容になっている。
「自分のため」ではなく「誰かのため」に生きよう、
そんなメッセージが込められている。
JAL再建の苦労話も興味深い。★★★

私の場合、今は自分のことで精いっぱいだが・・・


白洲正子「謡曲平家物語」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月 9日 23:00

白洲正子「謡曲平家物語」(講談社文芸文庫)読了。
カバーでの本書紹介文
『幼い頃自ら能の舞台にも立った経験を持つ著者が、
平家物語と謡曲との違い、読むもの、聞くものから見るものへの展開、
その魅力の深まりを跡づける。
幽霊能の世界を極めた『花伝書』の世阿弥に共感しつつ、
能が醸す夢うつつの至福の境へと読者を誘う。
平家物語と能への導きとなる二十七章。』
平家物語、能の謡曲、世阿弥、
いずれについても十分な知識がないので、
結構、読み進むのに苦労した。
ただ、世間では評判の悪い
NHKの大河番組「平清盛」を
面白がって見続けているので、
なんとかついていけた。★★★
「平家物語」は、面白そうだ。

里見真三「すきやばし次郎 旬を握る」読了

投稿者fujimoto : 2012年6月 3日 12:23

里見真三「すきやばし次郎 旬を握る」(文春文庫)読了。
帯のコピー、
「ミシュラン三つ星の秘密がすべてあります!
世界最年長三つ星職人となった
小野次郎の四季を通じた仕事と職人噺を
余すところなく公開した空前絶後の江戸前鮨教本!」
最初は、「こんなにノウハウを披露していいの?」
と驚いたが、
小野次郎さんは、公開したとて、
脅かされることはないという絶大な自信があるのだ。
というより、他の鮨店など眼中にない、
目の前にいるお客をどう満足させるかに、
いまも日々格闘している。凄いなあ。★★★★
まあ読んでいると、
さぞ旨いだろうなあと、鮨が食いたくなる。
お任せでお腹いっぱい食べると
一人25000円くらいと書いてある。
うーん、縁がなさそうだ。
「すきやばし次郎」でなくてもいい、
体調がもう少し回復したら、
「きた岡」に行こうっと。

副島隆彦「金・ドル体制の終わり」読了

投稿者fujimoto : 2012年5月28日 11:56

副島隆彦「金・ドル体制の終わり~もうすぐ大恐慌」(祥伝社)読了。
欧州債務危機(ソブリン・リスク)から世界大恐慌へ。
2012年が大恐慌突入の年になる――著者が一貫して説きつづけてきたことが、いよいよ現実化する。
これからヨーロッパの大銀行が潰れ(国有化と吸収合併)、
そして欧州危機はアメリカへも波及。
世界は未曽有の「激しいデフレでありながら激しいインフレを伴う」恐慌に襲われる-

副島氏の預言が的中するのか、
世界、経済、金融がどうなっていくのか、
注視していこうと思う。
★★★


宮部みゆき「蒲生邸事件」

投稿者fujimoto : 2012年5月24日 17:58

宮部みゆき「蒲生邸事件」(文春文庫)読了。
佐藤優さんが、「2・26事件当時の時代の空気を
知るためには、本書がよい」とのことで、読み出した。
宮部さんの作品は初めて読む。
私は、ほとんど小説は読まないのだが、
空気を知るということでは、少し物足りない気分。
(まあ、ある意味、読み方が不純だよね)
小説としては、★★★??
ただ、最終章のまとめ方が鮮やかで、
なるほど、人気が高いはずだと思った。


「震災後のことば 」読了

「震災後のことば―8・15からのまなざし―」(日本経済新聞出版社)読了。
8・15 敗戦を体験した文学者・思想家7人が
3・11後の日本、日本人がどうあるべきかを語る。
吉本隆明 、 山折哲雄 、 古井由吉 、 中村稔 、
竹西寛子 、 野坂昭如 、 桶谷秀昭
それぞれが、軽々に考えを述べているわけではない。
絞り出すように語る言葉は、真摯にとらえることができた。
★★★★
そうか、吉本隆明さんは、もう居ないんだなあ。

鈴木宗男・魚住昭・佐藤優「鈴木宗男が考える日本」読了

投稿者fujimoto : 2012年5月23日 10:08

鈴木宗男・魚住昭・佐藤優「鈴木宗男が考える日本」(洋泉社)読了。

収監1年、公民権停止中にして政党の党首――
再起動した鈴木宗男とともに、魚住昭・佐藤優が日本を語る!

まあ、面白かった。★★★★
鈴木宗男という政治家は不思議な存在だ。
戦後保守政治家の末裔というとらえ方がポイント。
網走のさらに僻地の寒村で育った、
そのあたりが原点らしい。

(洋泉社のPR文をコピー・ペースト)

東日本大震災、福島第一原発事故、TPP、
二〇一二年に相次ぐ可能性がある主要国首脳交代など
国内外ともに大きな変化のなかに現在の日本はある。
変わらざるをえない状況にあるなかで、
いま日本に必要なものは何なのか?
思考停止に陥った安易な反新自由主義論や
机上のエネルギー論・安全保障論とは一線を画した、
戦後保守政治家の末裔・鈴木宗男とともに
ジャーナリスト魚住昭と元外務官僚・佐藤優が
日本の政治、そして日本のこれからを語る!

三浦朱門・曽野綾子「夫婦口論 」読了

投稿者fujimoto : 2012年5月12日 08:26

三浦朱門・曽野綾子「夫婦口論 」(育鵬社)読了。
二人とも、作家で、クリスチャンで、80歳を超えている。
著書を読んだことは無いが、
宗教的なテーマも話題になっているのではないか、
気軽に読めるのではないか、と思って、読み出した。
説教臭かったら、すぐ読書中断のつもりだったが、
予想よりはるかに面白かった。
話のベースにキりスト教があって、
私には心地良かった。
(もちろん私は、キリスト教徒ではない)。
二人とも、「サムシング・グレート」(=神)の存在を感じているらしい。
海外援助活動の話、
伊勢神宮の話、砂漠への思いなど、
「ほお―!」
正直、感心した。★★★★

山本七平・小室直樹「日本教の社会学」読了

投稿者fujimoto : 2012年5月 7日 10:39

山本七平・小室直樹「日本教の社会学」(講談社)読了。
面白かったが、歯ごたえがあって、
読みすすめるのに時間がかかった。

山本氏の言葉、
「『日本人』は,特定の宗教はないって言われてるけれども,
非常に厳格な"受容と排除"の基準があると発見したんだ。
非常に強力な根本主義"ファンダメンタリズム"。
それが「日本教」という発想の原点。」

対談の形式になっているが、
山本氏が発見した「日本教」を元に、
日本国、日本社会、日本人を検証している。
同時に、「日本教」を、小室氏が、自らの学問的手法を使って、
体系化している。★★★★
この本は、1981年に出版されている。
ここで示されている日本の独自性は、
戦前から、戦後、そして現在においても変わらない。
そのことを私も含めて、ほとんどの日本人が無意識であることに驚く。
それと、改めて、民主主義って、難しいものなんだと思う。


 
 

安保徹「体温免疫力」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月23日 20:10

安保徹「体温免疫力」(ナツメ社)読了。
以前読んだ、安保さんの「免疫道場」より、
「体温と免疫」にテーマを絞っているので、
より具体的な情報があると期待して読んだ。
しかし、内容的には、
免疫とは、体温と免疫の関係、
抗癌剤や、放射線治療は、
免疫からすると、よくない治療等が
主として書かれており、
ガン患者や難病に苦しんでいる人が、
「そしたらどうしたらいいの?」に
十分応えられていないと思う。★★
免疫治療法が確立していないのだろうか?

橋爪大三郎・副島隆彦「小室直樹の学問と思想」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月21日 22:44

橋爪大三郎・副島隆彦「小室直樹の学問と思想」(ビジネス社)読了。
20年前に出版された
『現代の預言者 小室直樹の学問と思想?ソ連崩壊はかく導かれた』の復刻版。
小室直樹の著作、研究、思想を小室ゼミの門下生である橋爪大三郎氏、副島健彦氏が
時系列に沿って対談形式でわかりやすく解説。
「システム論ー構造・機能分析」、難しいけど、ふーん。
私の場合は、あとがきにあるように、
社会科学の入門書として興味深く読んだ。★★★★
小室直樹氏の著作、
もう少し追ってみることにしよう。

.

内田樹・中沢新一「日本の文脈」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月20日 11:35

内田樹・中沢新一「日本の文脈」(角川書店)読了。
二人に共通するのは、
メインストリームからついつい外れてしまう、
つまり辺境性。
面白く読めたが、
内容は、予想していたより、アカデミックで、
レベルが高い。
登場する「書物」は、ほとんど読んだことがない。
構造主義か、そこまで手が届かないなあ。
★★★

安保徹/鬼木豊 「免疫道場」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月18日 09:17

安保徹/鬼木豊「免疫道場(幻冬舎)読了。
「病気にならない体をつくる50講」が副題。
免疫については、少し知識があったが、
いろいろ参考になった。★★★
ただ、「すぐさま、抗がん剤は拒否せよ」
というところまでは踏み込めないよね。
米原万里さんもスティーブジョブズ氏も
三大治療を拒否し、結局死んじゃったしなあ。
それでも、「いい、これならできる」といったこと
はやってみることにする。
免疫についていえば、
基本は「生き方を変える」、
「自分の体が発する情報をじっと感じる、聴く」
ことだと思う。
そういうことでいえば、あらためて
五木寛之さんは、免疫力向上の達人だなあ。

「IT時代の震災と核被害」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月14日 12:19

コンピューターテクノロジー編集部/編
「IT時代の震災と核被害(インプレス選書)読了。
3・11の大震災に、IT企業、集団が
どう取り組んだのかのリポートが中心。
冒頭のGoogleの取り組みはすごい。
米本社と日本法人が協力、発災後
わずか2時間弱で、安否確認情報検索ツール
3時間弱で、「震災特設サイト」を立ち上げる等、
外部のボランティアの協力もあり、
次々に、被災者に役立つサービスを提供していく。
その取り組みの様子は、感動的だ。★★★★

それに比べ、政府、各省庁、東電、マスメディアの
いい加減さは、皆さんご承知の通り。

Google以外にもヤフー、ツイッター、アマゾン、
ユーストリームの取り組もレポートされている。

また、広島の中学生が、NHKのニュースをiPhoneで撮影し、
ユーストリームに配信、
ユーストリームも、NHK担当者の、これを許可、
最前線の人たちは、自分で判断し、決断しているのだ。
IT関連の人たちの有能さに感心するばかり。

時代は新しい局面に立っている。
今回の震災が、それを鮮明に浮き彫りにした。


佐藤優「この国を壊すものへ」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月11日 10:10

佐藤優「この国を壊すものへ」(徳間書店)読了。
週刊アサヒ芸能の「ニッポン有事!」と題した連載
(2010年3月~2011年8月)
をまとめたもの。★★★★
文中に「できるだけ面白く書くようにつとめている」とある。
週刊アサヒ芸能というメディアを意識したもので、
このあたりも佐藤優さんらしい。


鎌田實「がんに負けない、あきらめないコツ 」読了

投稿者fujimoto : 2012年4月 5日 11:00


鎌田 實 「がんに負けない、あきらめないコツ」 (朝日文庫) 読了。
この類の本は、読まなかったのだが、
(平気で生存率なんて書かれているから)
立ち読みしていたら、
鎌田さんが、患者に、まっすぐ、やさしく
接しているように感じられたので、
購入し読んだ。★★★★★
「がんばらない」でも「あきらめない」「へこたれない」がテーマ。
乳がんの患者との往復書簡がメインだが、
免疫など、専門家とのいくつかの対談や、
女優・樹木希林との対談も追加され、充実した内容。
同時に、現在の医療の在り方、
・患者に冷たい ・責任を取らない 
・金にならないと簡単に見捨てる など
の批判にもなっている。

私の主治医はそうではないと信じているが、
あまりに多くの患者を担当し、
忙しすぎるのではないかと懸念している。

それにしても、往復書簡していた女性や、
樹木希林さん、米原万里さん、鳥越俊太郎さん、
みんな病と真正面に取り組んでいる、
凄いなあ。感心するばかり。


中谷 巌「資本主義はなぜ自壊したのか 」読了。

投稿者fujimoto : 2012年3月31日 23:01

中谷 巌「資本主義はなぜ自壊したのか 」(集英社)読了。
中谷氏は、アメリカ流の
新自由主義、グローバル資本主義の急先鋒であった。
小渕内閣時、経済戦略会議のリーダーであり、
この方針をぐんぐん進めたのが、小泉・竹中コンビ。
今日、さまざまな歪みが露呈している。
本書は、新自由主義、グローバル資本主義をすすめてきたことを
懺悔する書らしい。
しかし、そしたら今後、どうしていくべきなのか、
具体性に欠け、フワフワしているし、
結果が見え始めてから、後差しジャンケンみたいに、
主義主張を変更するのは、言い訳がましく聞こえ、
個人的には、「信用ならん」気持ちがする。★★★
アメリカ文化についての内容は、
参考になった。

小澤 征爾 / 村上 春樹 「小澤征爾さんと、音楽について話をする」読了

投稿者fujimoto : 2012年3月29日 16:09

小澤 征爾 / 村上 春樹 「小澤征爾さんと、音楽について話をする」(新潮社)読了。
クラシック音楽といえば、モーツァルトだけしか聴かなかったが、
退院後、図書館でCDを借り、
ベートーベン、ブラームス、マーラーなども聴くようになった。
この本でも、ベートーベンのピアノ協奏曲3番、
ブラームスのピアノ協奏曲1番、マーラーについてなど、
「ふーん」「へえぇ」といった内容に溢れていて
とても面白かったが、
なにより感心したのは、
小澤さんと村上さんが、音楽について、
互いに認め合いながら、真摯に、深く、しかも楽しく
語り合っている。
小澤さんも凄いけれど、村上さんも凄い。★★★★


水上勉『「般若心経」を読む』読了 

投稿者fujimoto : 2012年3月20日 22:53

水上勉『「般若心経」を読む』(ビジネス社)読了。
9歳のときに、禅寺の小僧として、
まず覚えた(口承)のが「般若心経」だったらしい。
人間はなぜ瑣事に悩み、色に惑うのか。
一筋の光明を求め、「心経」を一休和尚に問い、正眼国師に質す。

「般若心経」では一切が空であるという。
水上氏は、自らを凡庸の人として、
菩薩に叱られるかもしれないが、
『「般若心経」の教えを、
そのまま得心できない、自分がいる』
と正直に語っている。
水上さんらしい。★★★
しかし、心筋梗塞でで倒れた後の
暮らしぶりを他のエッセイなどでで見ると、
悶えながらも(障害を持て生まれた
娘さんのことが大きいようだ)
さまざまな欲を捨て、
ある境地に達しているかにみえる。

娘さんのあとがきを読んで、
「やっぱりそうなんだ」と思った。

池田清彦/養老孟司「ほんとうの復興」読了。

投稿者fujimoto : 2012年3月16日 12:35

池田清彦/養老孟司「ほんとうの復興」(新潮社)読了。
東北大震災、福島原発事故を受けて、
今後、日本は、日本人は
どう考えていくべきかについての対談。
池田さんは生物学者、養老さんは解剖学者、
虫大好きな二人の視点はユニーク。
視点のスパンも、グンと長くなる場合も。
二人とも、エネルギー問題が重要と考えており、
最後のエネルギーの現状についての解説は、
大変参考になった。★★★




米原万里「打ちのめされるようなすごい本』飛ばし読み。

投稿者fujimoto : 2012年3月14日 10:43

米原万里「打ちのめされるようなすごい本」(文芸春秋)。
佐藤優さんのおススメ。
前半は読書日記、後半は書評集。
タイトルはすごいけど、
読書日記一編のタイトル。
そりゃあ、これだけの本が
みんな「打ちのめされるようなすごい本」だったら、
即死マチガイなし。
結構分量が多いので、
興味のある本の分だけ読む。飛ばし読み。
ただ、読書日記の最終の、
「癌治療本を我が身を以って検証」1・2・3は、
食いつくように読んだ。。★★★

著者は卵巣癌で、
手術後の抗癌剤の副作用があまりにきついので、
抗癌剤を拒否、セカンドオピニオンを依頼するも拒否され、
主治医と決別。
以後、三大治療以外の治療について、
数多くの書を読み、信頼できそうな治療法にチャレンジ、
あまりに鋭い突っ込みに、
「治療費返却するので、今後の治療は拒否」といったことも・・・
徹底的に核心に迫る米原さんらしい。
さまざまなチャレンジを繰り返したが、
残念ながら数年前に亡くなった。

本文で、米原さんが、
「読みたい本がいっぱいいあるので、
長生きしなければ...」とあったが、ホント同感。
この本でも、読みたい本が数冊あり、
ノートにチェックしておいた。

吉本隆明「カール・マルクス」読了

投稿者fujimoto : 2012年3月12日 10:56

吉本隆明「カール・マルクス」(光文社文庫)読了。
文章のほとんどは、1964年に書かれている。
私は、1970年前後、大学生だった。
当時、「吉本隆明を読まずして、語ることなかれ」
といった空気が濃厚で、
カントリーボーイだった私も、数冊読んだ。
吉本さんは、いわゆるマルクス主義者を
コテンパンに貶していたのを覚えているが、
何を批判しているのか、よくわからなかった。
今回、マルクス関連の本を事前に2冊読んでいたこともあり、
かなり理解できたように思う。★★★★
マルクスもすごいけれど、
半世紀近く前に、この本を書き、
いまも揺るがずにいる吉本隆明も
大したもんだと思う。

佐藤優「野蛮人の図書室」読了

投稿者fujimoto : 2012年3月10日 15:27

佐藤優「野蛮人の図書室」(講談社)読了。

第1章 人生を豊かにする書棚
第2章 日本という国がわかる書棚
第3章 世界情勢がわかる書棚
第4章 頭脳を鍛える談話室

テーマごとに、そのテーマを理解するために
2冊の書籍を取り上げ、書評を加えている。
★★★★
読んでみようと思える本が数冊あった。

池上彰『高校生からわかる「資本論」』 読了

投稿者fujimoto : 2012年3月 1日 10:43

池上彰『高校生からわかる「資本論」』 (集英社)読了。
先に「若者よ、マルクスを読網』を
読んでいたこともあると思うが、
実にわかりやすかった。★★★★
池上さん、ポイントになる原文をピックアップし、
やさしく解説する。
池上さんに言わすと、
マルクスは、やたら持って回った言い方をすること、
ベースにユダヤ教、キリスト教があることなので、
理解しにくいが、
言っていることはそんなに難しくない。
資本主義が、息詰まりつつある現在、
マルクスの予測したカタチが、
日本で、世界で起こっている。
学ぶ価値がある。

五木 寛之「下山の思想」 読了

投稿者fujimoto : 2012年2月24日 22:22

五木 寛之「下山の思想」 (幻冬舎新書) 読了。
タイトルを見ただけで、どんな内容か、
おおよそ見当がつくが、
五木さんに敬意を表して、読んでみる。
ホイホイと読んでしまったが、
まあ、面白い。
底流に仏教の思想がある。
ノスタルジーのすすめも、
「アツ、そうだよね』と共感。★★★

的場昭弘「一週間de資本論」読了

投稿者fujimoto : 2012年2月22日 10:26

的場昭弘「一週間de資本論」(NHK出版)読了。

「若者よマルクスを読もう』を読んで、
肝心な「資本論」に向かおうとしたが、
なんと岩波文庫で9冊もある。
こりゃあとても無理だということで、
アンチョコ本を探したら、この本がやさしそうだと選んだ。

NHKの「100分で名著』の番組の内容をまとめた書。
つい最近、番組で、「徒然草」4回分を見て、
とても面白かったので、
まあ、比較的軽ーく読めるかな、と思っていたら。
番組の内容をべースに、新たに書き下ろしたとのこと。
最初は結構みっちりした内容だったので、
戸惑ったが、読み進めるうちに面白くなり、読了。
4人のゲストとの対談も面白かった。★★★★

「資本論』をなぜ今読むべきか、
少し理解できたと思う。
もう少し、踏み込もうと思う。

五木寛之「親鸞 激動編」(上・下)読了

投稿者fujimoto : 2012年2月15日 22:38

五木寛之「親鸞 激動編」上・下(講談社)読了。

いやあ、面白く、一気に読んだ。
私がイメージする親鸞とは少し違うのだが、
まあ、小説だから、面白くしなくてはね。★★★★
本書は親鸞が35歳から61歳までの物語。
上巻は、流罪で京から越後に移った時期、
下巻は、常陸の国に舞台を移し、再び京に戻る直前までを描く。

下巻の最後に、やっと唯円が登場。
次回が楽しみだ。

五木さんは、
法然が、「易しく」
親鸞が、「深く」
蓮如が、「広く」
念仏を伝えたと書いているが、
五木さんは、「面白く」
伝えている、と思う。

石川康宏・内田樹『若者よマルクスを読もう』読了

投稿者fujimoto : 2012年2月12日 22:50

石川康宏・内田樹『若者よマルクスを読もう――20歳代の模索と情熱』
(かもがわ出版)読了。

高校生をターゲットに、
マルクスの若いころの著作
(「共産党宣言」、「ユダヤ人問題によせて」、
「ヘーゲル法哲学批判序説」、「経済学・哲学草稿」、
「ドイツ・イデオロギー」)についての思いを
石川・内田両氏の往復書簡というスタイルで、
まとめたもの。
そういえば、佐藤優氏、吉本隆明氏も、
「いまの政治経済を読み解くには、
やはりマルクスを読まなくては」とあり、
気になっていたが、面白かった。
マルクスについては、ほとんど読んだことがないので、
どう読んでいけばよいのか、
そのきっかけくらいは、理解できたと思う。★★★★
「資本論」はどうなの?と思っていたら、
近々、第2巻以降も出版される予定とのこと。
京都の小さな出版社(多分)なので、
大丈夫かな。
頑張れ、かもがわ出版。

松原泰道 五木寛之『いまをどう生きるのか』読了

投稿者fujimoto : 2012年2月 8日 22:11

松原泰道 五木寛之
『いまをどう生きるのか―現代に生かすブッダの智慧』(致知出版社) 読了。
松原師は、臨済宗妙心寺派の僧侶。
この対談時は100歳。(ちなみに五木さんは75歳)
翌年亡くなったみたいだが、
五木さんと自由闊達にお話しされていることに
唸ってしまった。
知識の深さと広さ、見事というしかない。
100年生きることが、修行であったのだろう。
内容も、五木さんのインドへの旅を軸に展開され、
大変興味深く読んだ。★★★★★
私も病を克服し、80歳を超えて生き、
それなりの境地に達したい、
強くそう思った。

佐藤 優「世界認識のための情報術」読了

投稿者fujimoto : 2012年2月 6日 13:28

佐藤 優「世界認識のための情報術」(金曜日)読了。
「週刊金曜日」に、2006年3月~2008年5月まで
連載した原稿と新たな書き下ろしをまとめている。
世界情勢と外交問題が主な内容。★★★
この本で、佐藤さんの立ち位置が
よくわかったように思う。

玄侑宗久 ・ 釈徹宗「自然を生きる 」読了

投稿者fujimoto : 2012年2月 2日 17:22

玄侑宗久 ・ 釈徹宗「自然を生きる 」(東京書籍)読了。
いま仏教界で注目の二人が、
東北大震災の3週間前に、福島で対談。
玄侑さんは、臨済宗妙心寺派(禅宗)、
釈さんは 浄土真宗本願寺派。
混迷する日本を「縦」と「横」と
仏教の視点から語る。★★★★
特に印象的だったのが、
釈さんの「浄土真宗の僧侶の多くが、
南無阿弥陀仏と唱えることがすべて。
何もしないことが、困難で、つらい」と
言っていること。
実は私も同じことを感じていて、
最近、道元さんに横目を使っている。
まだ表層的にしか理解していないのだが、
道元さんは、冷徹で、厳しそう。
病を得ても、身を案じることなく
修行せよ、と言われると、
うーんと唸ってしまう。
まあ、少しずつ近づいていこう。

そう意味でも、この本は、参考になった。

副島隆彦「新たなる金融危機に 向かう世界」読了。

投稿者fujimoto : 2012年2月 1日 09:57

副島隆彦「新たなる金融危機に 向かう世界」(徳間書店)読了。
2010年7月出版だから、
東北大震災の以前に書かれている。
筆者の予測
・ユーロ危機で、ユーロ=1ドル=100円
・2009年からの戻り相場は終了
・ニューヨークドルは6500ドルの安値に向かって下落
・日経平均も1万円を割れを繰り返し、7000円台に向かう
・ドルん信用低下は止まらず、円高は避けられない
などは概ねあたっている。★★★
問題は、
・アメリカのインチキ経済が破たんし、
 世界は恐慌に突入するする
こんなことになったら大変だ。

奥村康「不良長寿のすすめ」読了

投稿者fujimoto : 2012年1月28日 20:58

奥村康「奥村康は寿命を縮める 不良長寿のすすめ 」(宝島社新書)読了。
TVに出演していた奥村康 (順天堂大学医学部教授)先生。
免疫学の権威のようなので、ネットで検索し、
一番読みやすそうな本書を選んだ。
「まじめ」はだめ、「テキトー」が肝心。
「声を出して笑うこと」が免疫力UPにつながる、
とのこと。なるほどなあ。★★★
読んでいると、五木さんの「五木メソッド」と
共通する部分が多い。
五木さんは、免疫学の多田富雄さんとの対談など
勉強はしているとは思うが、
メソッドは自分でやり始めて続けてきたらしい。
五木寛之、恐るべし。

文芸春秋 編「わたしの詩歌」読了

投稿者fujimoto : 2012年1月23日 13:24

文芸春秋 編「わたしの詩歌」(文春新書)読了。
青春の日に、一読心を奪われた詩や、折りふしに唇にのぼる和歌、
忘れられない漢詩など、
46人の作家、評論家、学者他が、
さまざまな詩歌を取り上げ、その思いを短いエッセで紹介している。
たとえば、
正野潤三   ⇒伊藤静雄「帰路」
久世光彦   ⇒久保田万太郎 俳句
岸田今日子  ⇒北原白秋
児玉清    ⇒芭蕉
内田樹    ⇒ワルシャワ労働歌
吉本隆明   ⇒石原吉郎「北條」
など。多くのエッセイが、思いに溢れ
読み応えがあった。★★★★
久保田万太郎、石原吉郎については、
近く、読んでみようという気になった。」

立原潮  編「料理と器 立原正秋の世界」読了

投稿者fujimoto : 2012年1月22日 22:28

立原潮  編「料理と器 立原正秋の世界」(平凡社)読了。
立原正秋氏の息子さん(料理家)が、編集した大型本。
正秋氏のエッセイと、
エッセイにある料理、正秋氏が愛した器の写真で
構成されている。
立原正秋氏のエッセイは、
好きで、よく読んでいる。
今回読んでも、やはり凛として清しい。
写真を観ると、
野草の和え物や小魚の干物など、
酒の肴が多い。
高級な料理、凝った料理ではないが、
どれも美味しそう。★★★★
ただ、残念ながら、いまの私は、味覚障害があり、
微妙な味はわからない。残念。
早く回復して、この本にあるような料理で
酒を楽しみたいものだ。


ジェフリー・アーチャー『遥かなる未踏峰』上・下 読了

投稿者fujimoto : 2012年1月19日 12:16

ジェフリー・アーチャー『遥かなる未踏峰』上・下(新潮文庫)読了。
M氏おススメの雑誌「考える人」の今年最初のメルマガで、
この本が紹介されていた。
メルマガのライター「考える人」の編集長は、
正月に放映されたNHKスペシャル「エベレスト」(私も観た)を、
この小説と重ねながら観たとのこと。

「英国の国民的登山家ジョージ・リー・マロリー,は、
1924年エベレスト山頂付近で遭難。
問題は、遭難が、登頂前か、後かだ。
登頂後だったら、初登頂は、マロリーということになる。
そして75年後、彼の遺体が発見される・・・」

ねっ、これだけで絶対面白そうでしょう。
おまけに作者が、
ジェフリー・アーチャー(懐かしいいなあ)だからね。

私の場合、基本的に、特定の作家以外は、
小説は読まないことになっているが、
読み始めてすぐに引き込まれ、
上下巻、一気に読んだ。★★★★
小説もたまにはいいかも。

多田富雄「生命をめぐる対話 」読了

投稿者fujimoto : 2012年1月17日 15:31

多田富雄「生命をめぐる対話 」(大和書房)読了。
免疫学の権威、多田富雄さんの対談集。
対談相手は、
五木寛之・井上ひさし・日野啓三・橋岡久馬
白州正子・田原総一朗・養老孟司・中村桂子
畑中正一・青木保+高安秀樹という科学、哲学、芸術各分野の論客。
対談相手によっては、かなり専門的で、
難しい内容もあったが、
そんなところは、飛ばし読み。
知的好奇心を刺激する対談が多かった。★★★
多田富雄さんは多彩で、優れていると思う。
亡くなられたのは、本当に、もったいないなあ。

副島隆彦「中国バブル経済はアメリカに勝つーアジア人どうし戦わず」(ビジネス社)読了

投稿者fujimoto : 2012年1月14日 19:16

副島隆彦「中国バブル経済はアメリカに勝つ」読了
内容はタイトル通り。
ぶっ飛ばして読んだ。
内陸部の"西部大開発など
面白く読んだのだが、
尖閣事件や、韓国哨戒艦事件などが、
アメリカの陰謀というのは、うーん。
★★★

多田富雄『落葉隻語 ことばのかたみ』(青土社)読了

投稿者fujimoto : 2012年1月11日 10:06

多田富雄『落葉隻語 ことばのかたみ』読了。
最晩年のエッセイ。
著者は、免疫学の権威であり、
エッセイストであり、新作能の作者である。
医療、自らの病、死、政治、友人との交流、
そして能について等・・・
2001年、脳梗塞に倒れ、
半身不随、嚥下・発声障害を抱えながら
執筆活動を続ける。
この本も、指1本でパソコンを打ち執筆。
病、死についての文章は、
重くて、辛かったが、
全編を通じて、教えられることが多く
一気に読んだ。★★★★
2010年に死去。残念。

鎌田茂雄「正法眼蔵隋聞記講和」読了

投稿者fujimoto : 2012年1月10日 11:25

鎌田茂雄「正法眼蔵隋聞記講和」(講談社学術文庫)読了。

万座温泉旅行の車中で半分読んでいたが、
他の本を読む合間に、残りを少しずつ読み、やっと読了。

「正法眼蔵隋聞記」は道元の弟子である懐奘が
師の道元から親しく教えを聞いて、折に触れ師の言葉を記したものである。
いきなり、「正法眼蔵隋聞記」を読むのはちょっと、思ったので、
先に、この本を選んだ。誰かが(忘れた)、「良い本だ」とすすめていた。
本書は、その「正法眼蔵隋聞記」を一つ一つ訳している訳ではなく、
隋聞記の内容を都度引用しながら、
道元の考え方、真理に生きる生き方を講話形式で表している。
思ったより、周辺の話が、多かった。
いずれにしろ、親鸞さんに比べて、
道元さんは、厳しそうだなあ。
まあ、次は「正法眼蔵隋聞記」を読むことにしよう。

佐藤優 魚住昭「テロルとクーデターの予感」読了

投稿者fujimoto : 2012年1月 4日 16:54

佐藤優 魚住昭「テロルとクーデターの予感」(朝日新聞出版社 )読了。
「ラスプーチンかく語りき」シリーズNo.2
マルクス、宇野弘蔵などは、少し勉強してみようかな、と思うが、
中江兆民、幸徳秋水、大杉栄・・になるとちょっとなあ。
でもまあ、このシリーズは追いかけていこう。★★★★
秋葉原殺傷事件、田母神論文問題などは、
そんな風に考えるのか、ふーん、という感じ。
時代は、2008年、リーマンショックの頃。
佐藤さんは、いやな時代が来たと予感している。


佐藤優 魚住昭「ナショナリズムという迷宮」読了

投稿者fujimoto : 2011年12月31日 13:02

佐藤優 魚住昭「ナショナリズムという迷宮」(朝日新聞出版)読了。
少し前に読んだ「政権交代という幻想」が、
ラスプーチンかく語りきシリーズのNo.3。
この「ナショナリズムという迷宮」はシリーズNo.1。
この対談が行われたのは、
小泉政権から安倍政権に移行するころ。
テーマは、国家、思想、宗教、ナショナリズム、ファシズム・・・
勉強になるなあ。★★★★
引き続き、シリーズNo.2を読むことにしよう。

橋本治「 絵本 徒然草」読了

投稿者fujimoto : 2011年12月27日 18:13

橋本治「 絵本 徒然草」(河出書房新社.)読了。
絵本とあるが、田中靖男氏のイラスト付き、
といったところ。
橋本治の現代語訳+各段に「注」として解説が
あるのだが、これがボリュームたっぷり。
「注」は、気になるところだけ読み、
現代語訳だけを、読んだ。
面白かった。★★★
M女から
「橋本治、面白いよ、一度読んでみたら」
と、アドバイスがあり、
気にはなっていたんだが...
橋本治、うーん。

橋爪大三郎・副島隆彦「小室直樹の学問と思想」読了。

投稿者fujimoto : 2011年12月22日 23:04

小室直樹の追悼として20年ぶりに新装された書。
小室直樹の弟子にあたるの橋爪大三郎、副島隆彦が対談形式で
小室直樹の学問・思想について、時系列で系統立てて解説している。
法学・人類学・経済学・心理学・社会学・宗教学・・・
幅広く、内容もかなりアカデミックなので、
理解できない個所も多かったが、
興味深く最後まで読めた。

坪内稔典「俳句的人間 短歌的人間」読了

投稿者fujimoto : 2011年12月13日 09:30

坪内稔典「俳句的人間 短歌的人間」(岩波書店)、
読了といってもかなり飛ばし読み。
タイトルに魅かれて、読みだした。
「日本人には俳句的人間と短歌的人間の二つのタイプがある。
前者は客観的で冷静、 自己をも茶化す道化的精神の持主。
たとえば野村克也や夏目漱石。
後者は主観的、 自己陶酔的、真面目。
たとえば長島茂雄や森鴎外。」
とのことだが、うーん。

内容は、俳句とは、和歌とは、歴史的考察から、
子規の写生について、
さらに近代詩についてなど、
多くの作品を交えて、多彩。
鴎外や、漱石が、短歌、俳句をつくっていたことは、
実は知らなかった。
紹介されている書も気になる。
★★★

的場昭弘・佐藤優『国家の危機』読了

投稿者fujimoto : 2011年12月 7日 22:04

的場昭弘・佐藤優『国家の危機』(KKベストセラーズ)読了。
序章では大震災を契機とした国家的危機をテーマにしているが、
本論はすべてマルクスをテーマにした
的場昭弘(マルクスの研究者)と佐藤優 の対論。
二人の共通点は、ソ連・東欧、マルクス、宗教。
国家と人間の危機に際して、
資本主義の内在的論理を知るために、
マルクスの思想を見つめ直そうというのが本書の狙い。
マルクスを読んだことがないし、
その周辺の知識もないので、
正直、ついて行くのが大変だったが、
最後まで読めたし、それなりに面白かった。
★★★
やっぱり、「もっと勉強しておくべきだった」
つくづく、そう思った。

高橋たか子「水そして炎」読了

投稿者fujimoto : 2011年12月 1日 11:32

野畑図書館で年に数回、
地下の書庫に入ることができる日があり、
行ってみた。
あまり借り手のない本が並んでいるが、
私にはありがたい。
すでに読む予定の本があったが、
つい2冊借りてしまった。
その1冊が、この書。
予定を変更して一気に読んでしまった。
★★★★

高橋たか子さんの本は、
彼女が修道女になって以来の本は、
かなり読んでいるのだが、
(それ以前の本は、なぜか読もうという気が起らない)
この本は知らなかった。
1989年出版だから、
私が読んだ中では、古いほう。
分類で言うと、霊的エッセイ。
かなり霊的な部分が強い。
たとえば「まるであの世とこの世の境目にいて、・・・
そしてどんどん馬鹿になっていくのを、
無意識の中枢へ下降していく・・」
そして、「もう、このようなエッセイを書く必要がない」
とも言っている。
そういう時期だったのだろうか。

なぜ高橋たか子さんに魅かれるのだろうか、
キリスト教のことは全く知らないのに。 

CD「ゲッツ&ジルベルト」は、いいね

投稿者fujimoto : 2011年11月29日 23:12

図書館で借りたCD「ゲッツ&ジルベルト」を
聴いている(2週間借りることができる)。
スタン・ゲッツ(ジャズ)と
ジョアン・ジルベルト(ボサノバ)が
組んだ名盤らしい。
実はジルベルトって、
アストラッド(ジョアンの女房)のことだと、
40年以上そう思っていた。
ジョアンのギター、ボーカル
アストラッドのボーカルも素敵だが、
ゲッツのテナーサックスは、しびれるなあ。
★★★★★

「現代人の祈り」読了

投稿者fujimoto : 2011年11月27日 10:53

釈 徹宗,内田 樹,名越 康文「現代人の祈り」(サンガ)読了。
副題は「呪いと祝い」。
宗教を通して人間理解を深めようとする釈徹宗氏の問題意識をテーマに、
現代思想の内田樹氏、精神科医の名越康文氏の観点をからめ
様々な接点を探る。
対談あるいは鼎談。
大変興味深く読んだ。★★★★
とくに、第2章の「お坊さんと精神科による人間分析.」
(釈徹宗氏×名越康文氏)が、
個人的に「あっ」と声をあげるような内容など
最もおもしろかった。

小室直樹「日本いまだ近代国家に非ず」読了

投稿者fujimoto : 2011年11月22日 12:15

小室直樹「日本いまだ近代国家に非ず」(ビジネス社)読了。
この本は故小室直樹氏が平成6年に
「田中角栄の遺言、官僚栄えて国滅ぶ」(クレスト社)
というタイトルで販売されたもので
今年ビジネス社から復刊した著書。
この本の書き出しは、
「田中角栄こそが、日本で唯一人のデモクラシー政治家であった。」
田中角栄やロッキード裁判などを取り上げ、
デモクラシーとはなにか、
日本には真のデモクラシーは育っていない
と告げている。
勉強になった。★★★★

森繁久弥・久世光彦「今さらながら大遺言書」読了

投稿者fujimoto : 2011年11月 9日 23:04

語り/森繁久弥 文/久世光彦「今さらながら大遺言書」(新潮社)読了。
大遺言書はシリーズで数冊出ており、
めちゃ面白かったので、全部読んでるはず。
なのに、「今さらながら」??
あれ、こんなタイトルやったっけ?
パラパラ読むと、読んだような、読んでないような...
そうこうするうちに、向田邦子のことや勝新の葬式のことなど、
これは読まずにおれない気分。
一度読んだかなんて関係なく、そのまま借りて(千里図書館)、
一気に読んでしまった。結局、再読なのか、わからなかったが、
とにかく面白かった。★★★★★
うーん、森繁もすごいけど、久世光彦もさすがだなあ。
このシリーズ、どちらかが死ぬまで、続くことになっていたそうだが、
20歳くらい若い久世さんが、先に死んでしまって終了した。
逆だったら、どんな文章になったんだろう。

野々村馨。「食う寝る座る 永平寺修行記」読了

投稿者fujimoto : 2011年11月 6日 22:34

野々村馨「食う寝る座る 永平寺修行記」(新潮社)読了。
著者はデザイン事務所勤務のデザイナーであったが
30歳の時、突然出家して
雲水として一年の修行生活を送る。
その修行を実に克明に記したもの。
永平寺の修行といえば、
ドキュメンタリーで見たことがあり、
厳しいが、凛として清々しいイメージがあったが、
本書では、過酷、理不尽という言葉がふさわしく、
「ホンマかいな」と思うほど厳しい。
ただ、一年の修行を終え、
ようやく、何かが見えだしたと思われるのに、
結局、下山してしまうのは、得心できない。★★★
また、道元の外周をクルクル。

立松和平「道元という生き方」読了

投稿者fujimoto : 2011年11月 2日 10:34

立松和平「道元という生き方」(春秋社)読了。
★★★
今はこうした本を読むのが
一番面白い。
Ⅰ 道元の歩いた道
Ⅱ 道元という生き方 
Ⅲ 道元に触れる
Ⅳ 道元断章

親鸞上人の場合は、吉本隆明、五木寛之といった人を道案内に、
近づいて行った。
道元上人の場合は、立松さんかなと思っていたら、
亡くなってしまった。
今は、道元/正法眼蔵の外周をウロウロしている感じ。
さて、どうしますか。

副島隆彦 佐藤優「暴走する国家 恐慌化する世界」読了

投稿者fujimoto : 2011年10月27日 15:45

副島隆彦 佐藤優「暴走する国家 恐慌化する世界」(日本文芸社)読了。
知的好奇心を刺激してくれる鬼才二人の対談。
テーマは、国際情勢、金融、経済、宗教、民族、
そして日本の行方など、多彩。
3年前の出版なので、賞味期限が危うい感じなのだが、
副島氏は、預言者でもあるので、
その検証もできる楽しみもあった。
内容的には、短期(2~3年)ではなく、
中期(5~10年)の預言が多く、
もう少し時期を待たなければならない。
いずれにしろ、二人は、意見の違うところもあるが、
ベースのところでは意気投合。
情報、知識についていけない部分もあったが、
非常に、面白く読めた。
★★★★


辛坊治郎 高橋千太郎「放射能の真実! 」(アスコム)読了

投稿者fujimoto : 2011年10月25日 17:07

辛坊治郎 高橋千太郎「2時間でいまがわかる! 放射能の真実! 」(アスコム)読了。
放射能のこと、原発のこと、さまざまな情報があり、
いったい誰のいうことが正しいのかわからない。
国、東電、マスメディアがいい加減なのは、
今回ではっきりしたが、最低限の知識は得ておきたい。
本書は、辛坊氏が、京都大学原子炉実験所 高橋教授に質問する
対談形式だから、分かりやすそうなので、読んだ。★★★★
「2時間でいまがわかる! 」とあり、
もっとホイホイと読めるかと思ったら、
意外と手ごわかった。放射線ってホント難しい。
ただ、とりあえず、どこまで危険なのか、
これからどうしていけばいいのか、
(高橋教授の意見が正しいかどうか知らないが)
何をどう考えればよいのか、
おおよそのところは理解が進んだ。

五木寛之「きょう一日」読了

投稿者fujimoto : 2011年10月21日 22:03

五木寛之「きょう一日」(徳間書店)読了。
副題が「非常時を生き抜く究極の五木メソッド55」。
健康のために五木さんが実践されている
具体的な方法が紹介されている。★★★
頭を洗わない、病院にもいかない、
そんな人がこんな本を出すなんて・・・
以前だったらそう思っただろうが、
五木さんの最近のテーマは「生と死」、
様々な専門家と交流があるだろうし、
自分でも勉強されているみたいだ。
大切なのは、自分の体は、自分が一番よくわかる。
自分なりの養生を心がけること。
まあ、簡単にできることはやってみよう。
・朝、目を覚ましたら、手をもむ
・半身浴(風呂の中で本を読む)
・呼吸法(1,2,3で吸って、15まで数えて吐く)
この辺はできそう。

小沢昭一「句あれば楽あり 」読了

投稿者fujimoto : 2011年10月17日 18:56

小沢昭一「句あれば楽あり 」(朝日新聞社)読了。
図書館で、尾崎放哉の本を探していたら、
タイトルと著者/小沢昭一から、
きっと「東京やなぎ句会」に関する内容だろうと、
この本を借りた。
メンバーは、
入船亭扇橋[落語家]:光石(宗匠)
 永六輔[エッセイスト]:六丁目
 江國滋[エッセイスト]:滋酔郎
 大西信行[劇作家]:獏十
 小沢昭一[俳優]:変哲
 桂米朝[落語家]:八十八
 加藤武[俳優]:阿吽
 神吉拓郎[作家]:尊鬼
 永井啓夫[大学教授]:余沙
 三田純市[劇作家]:道頓
 柳家小三治[落語家]:土茶
 矢野誠一[評論家]:徳三郎
と実に多彩。
以前は、江國滋さんが、この句会の様子を
面白おかしく描き、シリーズで出版していて、
愛読していた。
この本は、「東京やなぎ句会」以外の句会の紹介や、
小沢氏の俳句への取り組み、入門者へのアドバイス、
久保田万太郎、中村草田男等、好きな俳人についてなど、
江国さんの本とは、かなりスタンスが違っていたが、
面白く、読了した。★★★★


 

上田都史「放哉漂泊の彼方」読了

投稿者fujimoto : 2011年10月15日 19:10

上田都史「放哉漂泊の彼方」(講談社)読了。
理由あって、尾崎放哉についての本を読む。
漂泊、自由律の俳人として、
山頭火と並び評価されている。
この書は、放哉の人生を追っているので、
読了といっても、かなりの飛ばし読み。
はっきり言って、こんな男とかかわりたくない。
ただし、俳人としては評価されている。
最晩年、独自の世界から、
句を生み出している。
★★★
(辞世の句)
春の山のうしろから烟が出だした

コスモスフェスタを目指すも

投稿者fujimoto : 2011年10月11日 09:59

10月9日(日)
「天気がいい、家の中でくすぶってるのはいかん。
万博でコスモスフェスタやってる」と家人の提案。
服用週間の最終盤、
ここ2~3日は調子悪いので少し不安だが、
出かけることに。
モノレールで万博公園へ。
入口から、花の丘を目指す。
超スローペース歩行。
しばらく歩いて表示板をみると、
花の丘までまだ半分。
「無理したらアカン」とコスモスはあきらめ、
ロハス展を目指す。
お祭り広場でやっていると思ったら、
違う場所らしい。
これもあきらめて、売店でソフトクリーム1個を2人で食べ、
出口に向かう。
ほんとは、「アストリア」(千里中央)で
カツサンド食べたいと思っていたが、
これもパス。まっすぐわが家へ。
こんな調子だから、社会復帰は、まだまだだなあ。

吉本隆明「現代日本の詩歌」読了

投稿者fujimoto : 2011年10月 5日 17:19

吉本隆明「現代日本の詩歌」(毎日新聞社)読了。
現代の詩人、俳人、家人、シンガーソングライターを取り上げ、
作品を紹介し、短い批評を加えている。
基本的に、この書で取り上げた詩人を、
吉本氏は評価している。
面白かった。誰かの詩集を手に取ってみたくなった。
★★★★

知っている詩人もいるが、知らない詩人もいる。
列挙してみる。

谷川俊太郎
田村隆一
塚本邦雄
岡井隆
夏石番矢
吉増剛造
中島みゆき
松任谷由j実
宇多田ヒカル
俵万智
佐佐木幸綱
寺山修司
角川春樹
野村喜和夫
城戸朱理
鮎川信夫
近藤芳美
西東三鬼
吉岡実
谷川雁
入沢康夫
天沢退二郎
茨木のり子
永瀬清子
清岡卓行
大岡信

カレル・ヴァン・ウォルフレン『誰が小沢一郎を殺すのか?』読了

投稿者fujimoto : 2011年10月 4日 09:38

カレル・ヴァン・ウォルフレン『誰が小沢一郎を殺すのか?』(角川書店)読了。
著者は、日本取材30年のオランダ人ジャーナリスト、
小沢一郎を最も優れた辣腕政治家と評価している。
そして、長年、官僚・マスコミ・検察に代表される「非公式権力」によって、
民主党の小沢一郎元代表が人物破壊キャンペーンによって、
"抹殺"されようとしていると警鐘を鳴らしている。
「誰が」については、官僚・マスコミ・検察が主体なのだが、
日本独自のあたかも免疫システムのようなシステムが、
既存の体制に危険な異分子を排除しようとと働くと分析している。
★★★
私も、長年の人物破壊キャンペーンによって
洗脳されているのか?
近く小沢氏本人の公判がスタートする。
注視したい。

副島 隆彦, 佐藤 優 「小沢革命政権で日本を救え」読了

投稿者fujimoto : 2011年9月28日 18:46

副島 隆彦, 佐藤 優 「小沢革命政権で日本を救え」読了。
少し前の出版。鳩山政権が崩壊したころ。★★★

なぜこの二人が、小沢一郎という政治家を評価するのか、
知りたくて読んだ。
結局、二人とも、官僚が牛耳る国家にしてはならないと考え、
その官僚と真っ向から対峙できるのは小沢一郎しかいないと
思っている。
面白く読んだのだが、
ただ本書では、小沢氏について、そんなに踏み込んでいないし、
実は、小沢氏に関する記述もごく一部で、
タイトルの 「小沢革命政権で日本を救え」は、
ちょっと、やりすぎ。
どうも副島氏の著書のタイトルは、「アサヒ芸能」っぽいなあ。


堀田善衛「天上大風」読了。

投稿者fujimoto : 2011年9月25日 10:02

堀田善衛「天上大風」(ちくま文庫)読了。★★★★
1986年から1998年まで筑摩書房のPR誌『ちくま』の
巻頭エッセイとして連載された同時代評からセレクトしている。
ベルリンの壁の崩壊など20世紀末の出来事、
ナチス、古代ローマ、スペイン戦争、キリスト教などなど、
そのほとんどが、ヨーロッパにかかわるテーマ。
こちらに基礎知識がないので、
時々、立ち止まってしまう時もあったが、
端正で知的、それでいてやわらかな文章にひかれ読了した。
ところで、いま「ちくま」の巻頭エッセイは
だれが書いてるのだろう、ネットで調べたら、
なだいなだ、佐野眞一とある。2本立てだ。
なるほど、堀田善衛みたいな人いないもんね。

五木寛之「死を語り 生を思う」読了

投稿者fujimoto : 2011年9月17日 17:08

五木寛之「死を語り 生を思う」(角川書店)読了。
1994年にNHKで放送された「五木寛之 生と死の対論」を、
いま2011年に出版している。
対談相手は、小川洋子、瀬戸内寂聴、横尾忠則、 多田富雄(免疫学者)の4人。 
面白かった。★★★★
小川洋子さんの自らの出産時のコメント
「赤ちゃんは、死をはらんで誕生する」に驚き、
多田さんの免疫についての話、
例えば、「ひとつの個体の中では、死が常に繰り返され、
またそれに対応して生が新しく生まれてくる」に
なるほどと感心。

伊藤礼「大東京ぐるぐる自転車」読了

投稿者fujimoto : 2011年9月15日 13:28

伊藤礼「大東京ぐるぐる自転車」(東海研究教育所)読了。
★★★
出た、伊藤礼センセーの自転車エッセイ第3弾。
あら、出版社が違う。
全2冊が、自転車に乗るのが楽しくて楽しくて
といった内容だったのに、
今回は、自転車の走り以外の、施設、歴史などに
ついての記述が多い。
もちろん私が望むのは前者だが、
出版社が変わり、編集の狙いが少し違うのだろう。
まあ、仕方ない。
しかし、走る距離が少し短いなあ、と思っていたら、
心臓にペースメーカーをうめたとのこと。
まあ、78歳だからなあ。無理できんよなあ。
と思っていたら、後半、新しい自転車の友を得て、
快走しだした。
読む側のテンションも一気に上がる。
文章の巧みさ、独特のユーモアなど、
伊藤礼ワールドは変わらない。
センセ―、いつまでも元気に走って、
次の本、期待してますよ。

ああ、私もはやく自転車に乗りたいよお。

「復興の精神」読了

投稿者fujimoto : 2011年9月10日 23:33

「復興の精神」(新潮新書)読了。★★★
養老 孟司, 茂木健一郎, 山内昌之, 南直哉, 大井玄,
橋本治, 瀬戸内寂聴, 曽野綾子, 阿川弘之
3・11以降、どのように考え、どのように行動し、
どのように生きていくべきなのかを、
9賢人が答える。
それぞれ意見が違うのだが、
共通する低奏音として、
・じたばたするな
・いままでのありようを見つめ直す時
という風に聞こえ、
それは同時に、いまの私に向けての提言に聞こえた。

副島隆彦・武田邦彦氏「原発事故、放射能、ケンカ対談」読了

投稿者fujimoto : 2011年9月 6日 20:05

副島隆彦・武田邦彦「原発事故、放射能、ケンカ対談」(幻冬舎)読了。
[安全論者]副島隆彦氏と[危険論者]武田邦彦氏による対談。
いろんなことがわかった。大変興味深く読んだ。★★★★
まったく意見が異なる二人だが、
ともに、権力、大企業、マスメディアにおもねないように思える。
どちらの意見に同調するかと言われたら、唸ってしまうが、
若干、副島氏より。
ただ、この二人は信用できる気がする。
この本を出版した幻冬舎も面白い。

副島隆彦「大災害から復活する日本」読了

投稿者fujimoto : 2011年9月 4日 09:34

副島隆彦「大災害から復活する日本」(徳間書店)読了。★★★
荒っぽい文章、ハラハラするコメントは、相変わらず。
読み進めていくが、ほとんどが、資産をどう増やすか、
どう守るかといった、内容ばかり。
文中に、「私の本のターゲットは、金持ち/資産家」とある。
なんだ、それならこんなタイトルつけるなよ、
と思っていたら、最終の福島原発の章で、
突然、怒れる愛国者の部分が前面に。
おお、これぞ副島隆彦。
しかし、福島原発についての内容はほんとなんだろうか。
誰を信じていいのか、どれが正しい情報なのか、
さっぱりわからん。気持ち悪いなあ。

橋本治・内田樹「橋本治と内田樹」読了

投稿者fujimoto : 2011年8月30日 11:47

橋本治・内田樹「橋本治と内田樹」(ちくま文庫)読了。
対談集。
橋本治という作家は、「わかりにくい、とらえにくい」ということで、
ほとんど書評に取り上げられず、
橋本治についての評論もないらしい。
私も読んだことない。
橋本治ファンである内田樹が、
橋本治の魅力を浮き彫りにしていこうというのが、
本書の狙いらしい。
前半、なんとなくグズグズ読んでいたのだが、
病院への電車内で、読み出したら、
急にギアが入り、
(二人の呼吸が合いだしたのか、読書環境が変わったからなのか)
帰りのモノレールを逆方向に乗ったりして、、
(千里中央→南摂津→少路)
一気に読み終えた。★★★
橋本治という人が、才能に富んだ、
かなりユニークな作家だということはわかったが、
その作品を読むかと言われれば、うーん。

伊集院静「いねむり先生」読了

投稿者fujimoto : 2011年8月20日 18:54

伊集院静「いねむり先生」(集英社)読了。
いま書店にいくと伊集院静の本が各種並んでいる。
ちょっとしたブームなんだろうか。
ブームに乗る気はないが、
いねむり先生が、色川武大/阿佐田哲也らしいので、
読む気になった。
途中まで、「これ小説なのかな」と思っていたが、
ある競輪場に行ったあたりから、
一気にテーマがはっきりしてくる。
「なるほどなあ」と感心。
小説の終わり方も、さりげなくて好きだ。★★★

山折哲雄「にっぽん巡礼」読了

投稿者fujimoto : 2011年8月14日 22:51

山折哲雄「にっぽん巡礼」(創元社)読了。

タイトルからすると、聖地巡礼を連想するが、そうではない。
もちろん、山折哲雄さんだから、
宗教、日本人の心といったテーマが並ぶことになるのだが、
肩ひじ張らない、比較的軽い語り口のエッセイになっており、
読みやすかった。★★★
出版が「創元社」、
あっ、まだあるんや!(失礼)
大阪の出版社なのだが、頑張っているなあ。
エライ!

立松和平「ぼくの仏教入門」読了

投稿者fujimoto : 2011年8月 9日 21:27

立松和平「ぼくの仏教入門」(ネスコ/文芸春秋)読了。
インドでの放浪、仏教との出会い、修行体験など、
前半は面白かったのだが・・・
後半、飛ばし読みになってしまった。★★★
もっと、道元についての記述が多いと思っていた。
(立松さんに頼るな、自分で読めよ!)

立松和平「仏教対談集」読了

投稿者fujimoto : 2011年7月27日 11:32

立松和平「仏教対談集」(アーツアンドクラフツ)読了。
五木さんとの「親鸞と道元」を読んだときから、
この本も読もうと思っていた。
以前も書いたけど、立松さん、惜しいなあ。
★★★★
道元、興味をひかれる。
「正方眼蔵」は難しいみたいだが、
「正方眼蔵随聞記」なら読めそうだ、
チャレンジしてみよう。

山折哲雄「法然と親鸞」読了

投稿者fujimoto : 2011年7月26日 14:23

山折哲雄「法然と親鸞」(中央公論社)読了。
40日とちょっと入院していて、
時間は腐るほどあったのに、
本を読もうという気がさっぱりわかなかった。
退院一週間前、やっと読む気になり、
読んだのが、この本。★★★★
・師弟としての関係について
・二人はどう違うのか
・あんなに法然を信頼しているのに、
なぜ別の宗門になっているのか
などが分かり、おもしろかった。

山口瞳「山本さんのいいつけ」読了

投稿者fujimoto : 2011年5月26日 13:33

山口瞳「山本さんのいいつけ」(河出書房新社)読了。
エッセイ集。誰がどういうテーマで選んでいるのか分からない。
装丁は、「男性シリーズ」と同じ。
瞳さんの本は、こんな感じがなじむ。
年代順に並んでおり、
比較的初期(つまり若いころ)の作品が多い。
勢いがある。つっかかっている。
ちょっと眼が血走っている。
私は、自分が社会人になってからの山口瞳ファンなので、
ちょっとびっくりしながら、読んだが、
こういう山口瞳は好きだ。
編集した人が、山口瞳さんを愛していることは伝わってきた。
★★★★
*タイトルの山本さんは、山本周五郎。

内田樹「街場の中国論」読了

投稿者fujimoto : 2011年5月13日 15:44

内田樹「街場の中国論(増補版)」(ミシマ社)読了。
邱永漢さんが、他の中国論と一線を画し、
普通の学者先生では思いも及ばないような
切れ味のよい分析をしていると、
おすすめしていたのが、この本。
一番のポイントは、中国歴代王朝の近隣諸国に対する鷹揚な態度。
「中華思想」と簡単に片づけないで、
しっかり、歴史を見れば、現在の中国のことが、
少しわかって来るというのが、内田先生の考え方。
ふーん、なるほど。
まあ、少数民族の人口が、日本の人口より多いという国だからなあ。
★★★

梅原猛「京都 鬼だより」読了

投稿者fujimoto : 2011年5月11日 18:01

梅原猛「京都 鬼だより」(淡交社)読了。
京都新聞に連載していたエッセイをまとめた書。
一編が短く、読みやすい。★★★
梅原さんは86歳だが、
次々にテーマがあり、
「まだまだ死ぬわけにいかん」とのこと。
まあ、凄いもんです。

阿川弘之「天皇さんの涙」読了

投稿者fujimoto : 2011年4月27日 17:09

阿川弘之「天皇さんの涙」(文芸春秋)読了。
「文藝春秋」の巻頭随筆をまとめたシリーズの最新・最終巻。
司馬遼太郎氏の死後、後を受けて13年間続いた連載。
阿川さんのことはほとんど知らなかったが、
面白く読めた。★★★
まもなく90歳。
静かな、たくまざるユーモアが心地よい。

カズオ・イシグロ『夜想曲集』読了

投稿者fujimoto : 2011年4月22日 12:34

カズオ・イシグロ『夜想曲集』(ハヤカワ文庫)読了。
副題が、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」。
後半2編は、まあ面白かったけど、
やっぱり短編小説は苦手かも。
★★★
他の長編小説、どうしようかな。

カズオ イシグロ「日の名残り」読了

投稿者fujimoto : 2011年4月14日 13:44

カズオ イシグロ「日の名残り」(ハヤカワ文庫)読了。
★★★★
村上春樹「雑文集」で、春樹さんが絶賛していた
長崎県生まれの英国人作家カズオ イシグロ。
全然、知らなかった。
本屋で探すと、文庫で4~5冊並んでいた。
初期の代表作らしい「日の名残り」を購入し、読了。
老執事が、休暇旅行中に、過去を回想していく。
かっての女中頭を訪ねる部分がハイライト。
哀しくせつない。そして作者の目線は、限りなく優しい。
この部分は、地下鉄御堂筋線で読んでいたのだが、
涙が止まらず、
かなり具合の悪いことになってしまった。
さらに、丸谷才一の解説を読んで、
「そこまで読まないとだめなのか」と感心、
うーんと唸ってしまった。
そして、地下鉄を降り、千里中央の田村書店に直行。
短編集『夜想曲集』を購入してしまった。

村上春樹「雑文集」読了

投稿者fujimoto : 2011年4月 6日 18:24

村上春樹「雑文集」(新潮社)読了。

タイトルはいい加減な感じだが、
(よくこんなタイトル許したなあ、と思っていたら、
本人が「これでいいんじゃない」と決めたとのこと)
内容は、みっちり、濃厚。
どの一編をとっても隙がない。
さすが村上春樹。★★★★★
いやあ、マイリマシタ。

「山口瞳 対談集 3」読了

投稿者fujimoto : 2011年3月31日 16:37

「山口瞳 対談集 3」(論創社)読了。★★★
対談相手が、
遠藤周作、丸谷才一、高橋義孝、
俵万智、山本夏彦、池田弥三郎、中原誠、
常盤新平、河野多恵子、野坂昭如、藤本真澄、
オオトリが吉行淳之介。
なるほどというメンバーだが、
存命の方が4名か・・・ムムム。

藤沢周平「帰省」読了

投稿者fujimoto : 2011年3月29日 11:45

藤沢周平「帰省 未刊行エッセイ」(文春文庫)読了。
今まで単行本・文庫本に収められてこなかったエッセイを
1冊にまとめたもの。★★★
2~3冊、エッセイ集読んでると思うけど、
うーん、藤沢さんの場合、
エッセイより小説の方が、圧倒的に面白いなあ。

五木寛之「日本人のこころ 6」読了

投稿者fujimoto : 2011年3月23日 17:17

五木寛之「日本人のこころ 6」(講談社)読了。
「日本人のこころ」シリーズ全6巻の最終巻で、いわば総集編。
これまで取材した関係者との対談が収録されている。
テーマは、歴史の表舞台に浮上してこなかった
宗教、差別等の内容。
いずれも他の著書で読んだことあるが、
まあ、興味深く読めた。★★★★


水上勉「土を喰ふ日々」読了

投稿者fujimoto : 2011年3月17日 13:20

水上勉「土を喰ふ日々~わが精進12ヶ月」(新潮文庫)読了。
少年時代に禅寺で、小僧として修業し、
その折、学んだ精進料理をつくってみたというレシピブック。
以前読んだことがあったが、
田村書店の古本コーナーで、立ち読みしたら止まらなくなり、
130円で購入(安い!)。そのまま読了した。
いまの私には、最高に楽しめる本だ。
★★★★★

司馬遼太郎「街道をゆく 台湾紀行」読了

投稿者fujimoto : 2011年3月10日 11:27

司馬遼太郎「街道をゆく 台湾紀行」(朝日文庫)読了。
司馬さんがこの本のために台湾を訪れたのは、1993,94年。
蒋家の支配が終了し、急速に民主化がすすんだ時代。
台湾=中華民国という国の立ち位置の微妙さ、危うさは、
現在も変わらない。
歴史的な記述が多く、読みすすめにくいところもあったが、
司馬さんの台湾への強い思いは伝わる。★★★★
ハイライトは、当時の李登輝総統との交流。
ジャーナリスト司馬遼太郎の面目躍如。

五木寛之/立松和平「親鸞と道元」読了

投稿者fujimoto : 2011年2月25日 13:29

五木寛之/立松和平「親鸞と道元」(祥伝社)読了。★★★★
「親鸞」五木寛之と、「道元禅師」立松和平。
2人の作家が、それぞれに深く探求してきた宗教者を背負い、
現代をどう生きるかについて語り合う。
自力の道元 他力の親鸞、
両者の違い、共通点についても語り合うが、
本書では、共通する部分にウエイトを
おいているように感じた。
全体に、わかりやすく、とても面白かったが、
エンドレスで続ける予定だったこの企画が、
立松さんの急逝によって終了してしまった。
残念。
62歳、早過ぎるよなあ。


村井重俊「街道をついてゆく」読了

投稿者fujimoto : 2011年2月22日 14:02


村井重俊「街道をついてゆく」(朝日文庫)読了。

週刊朝日に25年間も連載した人気シリーズ

司馬遼太郎の「街道をゆく」。

その最後の6年間を担当した編集者の回顧録。

司馬さんの素顔、みどり夫人のこと、取材旅行の実際、

作家と編集者の関係、挿絵画家についてのエピソードなど、

とても興味深く読めた。★★★★

村井氏が担当した晩年の巻は読んだことなかったけれど、

「台湾紀行」などは、ぜひ読んでみたいと思った。

江藤淳「渚ホテルの朝食」読了

投稿者fujimoto : 2011年2月15日 16:58

江藤淳「渚ホテルの朝食」(文芸春秋)読了。
江藤淳のエッセイが、いまフィットする気分。
この本、以前読んだことあるけど、再読。★★★
前半は、しっとり読めたが、
後半スポーツ新聞に連載のコラムは、
さすがに、「スポーツ新聞で、江藤淳 読みたいとは思わない」
そんな感じ。

玉村豊男「田舎暮らしができる人できない人」読了

投稿者fujimoto : 2011年2月10日 11:41

玉村豊男「田舎暮らしができる人できない人」(集英社新書)読了。
★★★
玉村さんの本を読むのはずいぶん久しぶり。
ふーん、ワイナリーまでつくってるんだ。すごい。
リタイアしたら田舎暮らし、
そんな人、結構多いような気がするけど、
私の場合、どうやら、田舎暮らしできない人みたい。

玉村豊男「田舎暮らしができる人できない人」読了

玉村豊男「田舎暮らしができる人できない人」(集英社新書)読了。
★★★
玉村さんの本を読むのはずいぶん久しぶり。
ふーん、ワイナリーまでつくってるんだ。すごい。
リタイアしたら田舎暮らし、
そんな人、結構多いような気がするけど、
私の場合、どうやら、田舎暮らしできない人みたい。

江藤淳「アメリカと私」読了

投稿者fujimoto : 2011年2月 7日 16:28

江藤淳「アメリカと私」(講談社文芸文庫)読了。
カバーに「著者20代最後の年、1962年より2年間のプリンストン滞在記。
この間、公民権運動の高揚、キューバ危機、ケネディ暗殺等、激動期を
迎えていたアメリカ社会の深部を見つめ、そこに横たわる自他の文化の
異質性を身をもって体験する。アメリカという他者と向き合うことで、自ら
のアイデンティティの危機を乗り越え、その後の「国家」への関心、敗戦・
占領期研究への契機ともなった歴史的名著。」とある。
なるほど。
予想通り、とてもとても面白かった。★★★★★
ここには、江藤夫妻の青春が息づいており、感慨深い。

車谷長吉「物狂ほしけれ」読了

投稿者fujimoto : 2011年2月 1日 14:14

車谷長吉「物狂ほしけれ」(平凡社)読了。
「徒然草」の各段を取り上げた前半が面白かった。。★★★
世捨て人願望の強い著者が、
「徒然草」、吉田兼好に惹かれるのは、
なるほど、なるほどだが、
車谷長吉、けったいな人やなあ。

池波正太郎「ル・パスタン」読了

投稿者fujimoto : 2011年1月28日 17:10

池波正太郎「ル・パスタン」(文春文庫)読了。★★★
読みかけていた江藤淳は途中放棄。
ギブス生活の身としては、
これくらい軽く読める読書しかできない。
タイトルの「ル・パスタン」は、フランス語で「楽しみ」の意味。
食、映画、旅といったテーマについて軽妙な文章で綴られている。
エッセイ全てに著者自身によるカラーの挿絵が付けられている。

五木寛之「親鸞」上・下 読了

投稿者fujimoto : 2011年1月12日 18:09

五木寛之「親鸞」上・下(講談社) 読了。
親鸞、法然の軸は崩さずに、
登場人物、ストーリーは変幻自在。
エンタテイメントとして成立している。
面白かった。★★★★
すでに今年の元旦から、
地方新聞40紙で
続編が連載されているらしい。
このあたりも、いかにも五木寛之といったところ。
まとまって出版されたら、読んでみよう。

江藤淳「妻と私 幼年時代」再読

投稿者fujimoto : 2010年12月28日 16:37

江藤淳「妻と私 幼年時代」(文春文庫)
以前読んだが、今回再読。
治療不能の癌におかされた夫人の
臨終を看取るまでの看病記「妻と私」は、
読むうちに、胸がつまる。心が痛い。
福田和也、吉本隆明、石原慎太郎の
追悼も、それぞれによい。
江藤淳がさらに好きになりつつある。
★★★★★

福田和也「江藤淳という人」読了

投稿者fujimoto : 2010年12月24日 18:10

福田和也「江藤淳という人」(新潮社)読了。★★★★
福田和也という人はよく知らない。
江藤氏の大学の後輩で、江藤氏を師と仰ぐ、
そのような批評家らしい。
江藤氏を取り上げた評論、
江藤氏との対談、
そして、江藤氏の死についての
いくつかの文章。
敬愛の気持ちが伝わり、
江藤氏の人となりも分り
面白く読んだ。

チャールズ・R・ジェンキンス「告白」読了

投稿者fujimoto : 2010年12月16日 13:27

M氏からいただいた
チャールズ・R・ジェンキンス「告白」(角川文庫)読了。
ジェンキンスとは、北朝鮮に拉致されていた
曽我ひとみさんの夫。
ごくごく普通のアメリカの若者だったジェンキンスは、
ベトナム戦争に行きたくないという理由で、
国境を越えてしまった。
以来40年、彼を待ちうけていた運命は・・。
報道では知りえなかった事実も述べられており、
興味深く読んだ。
その平明な姿勢に好感。★★★★★

岩崎夏海「もしドラ」読了

投稿者fujimoto : 2010年12月 3日 17:40

岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
(ダイヤモンド社)読了。★★★
160万部を超える大ベストセラー。
小説としては、「なんだかなあ」だし、
野球の面でも、「ありえない」部分もあって、
つい、いちゃもんつけたくなるけど、
著者の略歴を見て「なるほど」。
AKB48のプロデュースメンバーのひとり。
評価のポイントが違う。
いかに多くの人から支持を受けるかが重要。
そういう意味では、
女子高生とドラッカーとのマッチングが、
この本のすべてなんだろう。

佐藤優「私のマルクス」読了

投稿者fujimoto : 2010年12月 1日 13:28

佐藤優「私のマルクス」(文春文庫)読了。
「浦和高校、同志社大学神学部時代を回想しつつ、
カールマルクスとの出会いを綴る
著者初の思想的自叙伝前篇」とある。
「私のマルクス」というより、
「私のマルクス&イエス」というのが正しい。
高校時代の東欧旅行、
新学部入学時の経緯などは、
感動し、感嘆してしまう。★★★★★
大学での学生運動の時代になると、
かなりアカデミックな内容になる。
マルクス(主義哲学)やキリスト教(神学)についての知識は
まったくないが、違和感なく読めた。
これまでの著作より、佐藤優という人間が前面に出ており、
非常に面白く読めた。
現在も雑誌に連載中らしい後篇が待ち望まれる。

佐藤優「インテリジェンス人間論」読了

投稿者fujimoto : 2010年11月24日 11:49

佐藤優「インテリジェンス人間論」(新潮文庫)読了。
インテリジェンスの視点から切り込んだ異色の人物論集。
鈴木宗男、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、
エリツィン、プーチン、そして、イエス・キリストなど。
面白かった。
文庫のために書き足した(?、多分)「鈴木宗男の哀しみ」が
とくに面白かった。★★★★

小林秀雄「考えるヒント」読了

投稿者fujimoto : 2010年11月17日 17:07

小林秀雄「考えるヒント」(文春文庫)読了。★★★★
50年ほど前に新聞・雑誌に発表された
批評(というよりエッセイに近い)を集めたもの。
短く、分かりやすいテーマが多く、
読みすすむうちに、どんどん面白くなっていった。
最後の「ネヴァ河」「ソヴェットの旅」は
ことに面白かった。
解説、江藤淳というのも、安定感あるなあ。
このシリーズ何冊か出ているので
(本屋にないんだよね)、
また読んでみよう。

内田樹「街場のアメリカ論」読了

投稿者fujimoto : 2010年11月12日 12:43

内田樹「街場のアメリカ論」(文春文庫)読了。★★★
日米関係、ファーストフード、戦争、
児童虐待、キリスト教など、
ユニークな切り口からのアメリカ論。
著者は、思い切り分かりやすくまとめたといっているが、
内容は思っていたより重くて、少し苦労した章も。
ところで、「街場の」ってなに?

甲野善紀・内田樹「身体を通して時代を読む」読了

投稿者fujimoto : 2010年11月 4日 18:00

甲野善紀・内田樹「身体を通して時代を読む」(文春文庫)読了。
★★★
カバーに、
「介護・教育の世界からも注目を浴びる
武術研究者・甲野善紀と、
フランス現代思想の研究者にして
合気道六段の内田樹が、
武術的視座から解き明かした画期的憂国対談」とある。
かなり重いテーマで、読むのに少し苦労した。
あるレベル以上の武術家にしか体感できないことが、
重要なポイントになっているからなのだろう。
ただ、2人とも興味深い人だ。

村上龍「案外、買い物好き」読了

投稿者fujimoto : 2010年10月20日 12:42

村上龍「案外、買い物好き」(幻冬舎文庫)読了。
サッカーの中田英寿選手が、
イタリアのペルージャに行き、
その応援で筆者もペールージャへ。
その際、訪れたファッションショップが気に入り、
以来、ヨーロッパ(主にイタリア)で
買い物するのが楽しみになった、
といったエッセイ。
通勤読書に最適。
執筆の裏事情なども垣間見えて、
面白かった。★★★★

司馬遼太郎「街道をゆく 夜話」読了

投稿者fujimoto : 2010年10月 4日 18:16

司馬遼太郎「街道をゆく 夜話」(朝日文庫)読了。★★★★
司馬遼太郎のエッセイの中から、
「街道をゆく」に繋がるものを集め、
日本全国、北から南まで、
あらためて編集し直したアンソロジー。
司馬さんの小説のよい読者ではないが、
「街道をゆく」や、こうしたエッセイは、
しみじみ読めて、
年齢を重ねるほどに、好きになってきた。

聞き手/小山修三「梅棹忠夫 語る」読了

投稿者fujimoto : 2010年9月27日 16:30

聞き手/小山修三「梅棹忠夫 語る」(日経プレミアシリーズ)読了。
★★★
国立民族学博物館の初代館長で、
最近亡くなった梅棹忠夫さんに、
その弟子にあたる井上さんが取材しまとめた本。
カバーに、「死の直前まで語り通した、自らの生きざまと哲学」とある。
第一章の見出し,「君、それ自分で確かめたか?」が、
梅棹さんのスタンスを見事に言い表している(ように思う)。

辛坊治郎「日本の恐ろしい真実」読了

辛坊治郎「日本の恐ろしい真実」(角川SSコミュニケーションズ)読了。
先に出版された「日本経済の真実」が好評だったので、
急いで第2弾を書いたのだと思ったら、出版社が違ってる。
いずれにしても、前作が、お兄さんとの共著で、
データも駆使し、渾身の力作だったのに比べ、
ページ数も、中身も若干薄口。★★★

副島隆彦 「新たなる金融危機に向かう世界」読了

投稿者fujimoto : 2010年9月22日 14:39

副島隆彦氏 「新たなる金融危機に向かう世界」(徳間書店)読了。
文章は粗いし、語り口はセンセーショナル。
B級の匂いがプンプン。
それでも、これだけたくさんの本を出しているところをみると、
支持する読者が結構いるということだろう。
正直、面白かった。★★★★
ちょっと驚いたのは、ゴールドマンサックスの超高速取引プログラム、
同業他社の取引内容を0.03秒の瞬時に盗み読みし、
一人勝ちし続けていたこと。そしてそのプログラムを破壊し、
この5月に、ゴールドマンサックスに大損させ、
自分たちは大儲けしたのがシティグループということ。
他にもいろいろ予言している。
どうなるかチェックしてみよう。

内田百閒「第一阿房列車」読了

投稿者fujimoto : 2010年9月 2日 19:04

内田百閒「第一阿房列車」(新潮文庫)読了。★★★
本棚から取出し、読む。(家人が読んだ?)
山口瞳さんのエッセイに度々登場していたが、
読むのは初めて。
ほとんど無目的な鉄道の旅。
大切なのは、何等の列車に乗るかくらい。
同行の「ヒマラヤ山系」という人物が、
百閒先生の独特のキャラとあいまって、
不思議な味わい。
読みやすいと思ったら、
新字新かな遣いで復刊、とある。


小林秀雄 岡潔「人間の建設」読了

投稿者fujimoto : 2010年8月25日 13:37

小林秀雄 岡潔「人間の建設」(新潮文庫)読了。★★★★
著者名を観ると受験勉強を思い出す。
昭和40年「新潮」掲載とある。
帯のコピーは、
「世界的天才数学者とあの小林秀雄による史上最強の雑談。
酒の味から、アインシュタインまで。」
お互いを認め合っており、遠慮なく、まっすぐ語り合っている。
それが心地よい。
面白かった。

村上春樹 安西水丸「村上朝日堂の逆襲」読了

投稿者fujimoto : 2010年8月20日 16:06

村上春樹 安西水村上朝日堂の逆襲」(新潮文庫)読了。
体調いまいちなので、引き続き、村上朝日堂シリーズ。
(春樹さん、ゴメン)★★★
スイスイ読めて、面白いけど、
しかし、さすがに、ちょっと飽きてきたので、
これくらいにしておこう。

村上朝日堂シリーズ 2冊読了

投稿者fujimoto : 2010年8月17日 15:54

村上春樹
「うずまき猫のみつけかた」
「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」 読了。★★★
肩の力を抜いたエッセイ。
夏季休暇の移動中に読んだ。
風邪でグズグズといった体調の
私にはピッタリ。
でも時々本気の文章も交じってる。
春樹さんは油断ならない。

茨木のり子「ハングルへの旅」ほぼ読了

投稿者fujimoto : 2010年8月11日 12:57

茨木のり子「ハングルへの旅」(朝日文庫)ほぼ読了。★★★
著者は、50歳からハングル語を勉強しだす。
よい先生に出会い、
韓国を旅し、韓国の人や土地や文化と触れ、
ますますハングルの魅力にはまっていく。
詩のイメージもあると思うが、
茨木さんのハングル、韓国にまっすぐ向かう姿勢が
きりっとしていて、カッコイイ。
実は、あと少しで読了というところで、
文庫本を紛失してしまった。
地下鉄「千里中央」で降りたときに、
鞄の外ポケットに入れたはずなのに、
モノレールでは見つからない。
あと少しだったのに、悔しい。
タイトルで「ほぼ読了」となっているのは
そういう理由。
ボケ、進行している。

江藤淳「大空白の時代」読了

投稿者fujimoto : 2010年8月 2日 15:15

江藤淳「大空白の時代」(PHP研究所)読了。
田村書店の古本コーナーで購入。
1991年~1993年 雑誌等に発表された
時の政治に関する文章をまとめたもの。
時は、冷戦構造が崩壊し、国内的にはバブルがはじけた直後。
テーマは、宮澤喜一論、細川新党、天皇陛下ご訪中、
憲法/日米安保条約について、など。
江藤淳氏の核になる仕事ではないが、
いま読むと大変興味深い。
実はこの時のキーになる政治家として、
江藤淳氏がとりあげているのが、小沢一郎氏なのだ。
うーん。

茨木のり子「一本の茎の上に」読了

投稿者fujimoto : 2010年7月27日 18:26

茨木のり子「一本の茎の上に」(ちくま文庫)読了。★★★
エッセイ集。モノレール文庫で見つけた。
この人の詩は、高校の教科書に載っており、
「きっとすごい美人なんだろうなあ」と想像して
読んだ記憶がある。
「自分の感受性くらい」 「倚りかからず」など、
詩は読んだことはあるが、散文は初めて。
読みやすく、堂々とした文章。
(若いころ、鴎外の散文に感動し、強く意識してきたとのこと)
50歳から、韓国語を勉強し始めたからだろう、
韓国の詩人の紹介など、韓国関連の内容も多い。
谷川俊太郎、岸田衿子といった詩人とも同人だったんだ。

堀田善衛「時空の端ッコ」読了

投稿者fujimoto : 2010年7月23日 15:46

堀田善衛「時空の端ッコ」(筑摩書房)読了。★★★★
千里中央の田村書店古本コーナーで購入。
筑摩書房のPR誌「ちくま」に
1989年1月号~1991年12月に掲載された文章
をまとめたもの。
20年前。湾岸戦争、ソ連崩壊など・・世界が大きく揺れた頃。
著者の文章は、インターナショナルなテーマが多いが、
ハイライトは、ソ連崩壊をまのあたりにしながら、
それより20年まえの「プラハの春」直後、
ソ連で開催された作家同盟の会議に
出席した際のいきさつを回想した章。
堀田善衛、もう少し追ってみよう。

「吉本隆明全著作集 12 思想家論」半分読む

投稿者fujimoto : 2010年7月21日 12:45

「吉本隆明全著作集 12 思想家論」 (勁草書房) 
千里中央 田村書店 古本コーナーで購入。
この手触り、懐かしい。
前半は、「丸山真男論」、後半は「カール・マルクス」。
「丸山真男論」はパスして、「カール・マルクス」を読む。★★★
40年たって、理解力が高まっているのか、
テストのつもりで読んでみた。
マルクスが難解なのか、吉本隆明が難解なのか、
相変わらず、なんだかなあといった感じ。
ただ、「さっぱりわからん」というほどでもなく、
一応、読了。
少しは進歩しているかも…

副島隆彦/佐藤優「小沢革命政権で日本を救え」読了

投稿者fujimoto : 2010年7月 8日 16:09

副島隆彦/佐藤優「小沢革命政権で日本を救え」(日本文芸社)読了。★★★★
鳩山政権崩壊は、官僚勢力とアメリカが仕組んだ政権打倒の“クーデター”だった。
タイトルもそうだが、帯のコピーもセンセーショナルだなあ。
2人共通しているのは、『官僚と真っ向から対峙できるのは、小沢一郎氏しかいない。
「霞が関」勢力に小沢氏が破れると、日本はファシズム国家になる』
その論理でいくと、小沢氏を排除しようとしている管直人新内閣は、
官僚に利する政権になるのだが(そういう記述もある)・・・
めっちゃ面白くて、一気に読んだけど、さて、どうなんだろう。


勝間和代「勝間の視点」読了

投稿者fujimoto : 2010年7月 6日 17:00

勝間和代「勝間の視点」(PHP)読了。★★★
デフレが、諸悪の根源。
まず、デフレを克服してからでないと、
消費税増税など、とんでもない。
彼女の基本スタンス。
その他さまざまな提言があるが、
上滑りの感あり。
これだけの本に、いろんなテーマ
ちょっと詰め込みすぎでは・・・

榊原英資 竹中平蔵「絶対こうなる!日本経済」読了

投稿者fujimoto : 2010年7月 2日 14:49

榊原英資 竹中平蔵「絶対こうなる!日本経済」(アスコム)読了。
副題が、田原総一朗責任編集/2時間で今がわかる!
アメリカ型競争社会(竹中氏)
ヨーロッパ型福祉社会(榊原氏)
スタンスの違う二人が真っ向から激突!
激突というほどではないが、
対立点は、よくわかり参考になった。★★★★

辛坊治郎 辛坊正記「日本経済の真実」読了

投稿者fujimoto : 2010年6月29日 13:01

辛坊治郎 辛坊正記「日本経済の真実」(幻冬舎)読了。
★★★★
辛坊アナって、読売テレビの解説委員長なんだ。
その辛坊さんと、彼のお兄さん(金融の専門家)の共著。
予想と違って、基本的な経済についての解説書で、
わかりやすく、勉強になった。
ポイントは、現代日本の三悪人「小泉、竹中、ホリエモン」の
小泉・竹中改革を評価していることに見られるように、
きっちり検証せずに、空気や流れで暴論をまき散らす
マスコミ、政治家、評論家にだまされるなということ。
なるほどとは思うけど、
一体だれの意見を信頼していいのか、
ほんとわかりにくいよなあ。

村松友視「アブサン物語」読了

投稿者fujimoto : 2010年6月24日 17:13

村松友視「アブサン物語」(河出文庫)読了。★★★★
21歳という長寿を全うし、
(人間でいうと100歳を超えている)
大往生を遂げた愛猫アブサンとの
ペットを超えた交わりを描いたエッセイ。
ずいぶん前に話題になった本。
エピローグで、涙。
わが家にも、老猫がおり、あと数年で別れが来る。
家族全員が、その日のために、少しずつ覚悟を定めつつある、
といったところなので、他人事とは思えない。

藤沢周平「白き瓶」読了

投稿者fujimoto : 2010年6月21日 18:40

藤沢周平「白き瓶」(文春文庫)、やっと読了。★★★
藤沢さんの小説を読むのは4年ぶりくらいか。
藤沢作品、未読の最後の一冊。
歌人、長塚節を描いた小説だが、
正直、読みすすむのに時間がかかった。
藤沢さんの小説では、実在の人物を取り上げた作品は、
実証の部分が強く、小説としての自由さに欠け、
ちょっと苦手なのだが、
この作品がもっともその傾向が強いように思われる。
とりあえず、藤沢作品は、
これで全部読み終わったのだが、
今後、再読することがあるのだろうか。

塩野七生「人びとのかたち」読了

投稿者fujimoto : 2010年5月28日 15:26

塩野七生「人びとのかたち」(新潮社)読了。
映画を題材にしたエッセイ。★★★
年齢的に、ひとまわり上なので、
若干ピントがずれる。
なにしろ好きな女優がマレーネ・デートリッヒ、
男優がゲーリー・クーパーだからなあ。
塩野さんの良き読者ではないが、
映画についてのエッセイ、
塩野さんの得意分野ではないように思った。
それでもいくつかの映画は、
「観てみたい」と思った。

佐藤優「初めての宗教論 右巻」読了

投稿者fujimoto : 2010年5月25日 18:49

佐藤優「初めての宗教論 右巻」(NHK出版)読了。
キリスト教の側から、
特にプロテスタンティズムの側からみた宗教論。
いってみれば佐藤氏の専門分野。
精一杯わかりやすく噛み砕いて
説明してくれてはいるが、
なにしろ基本知識が欠如しているので、
??の部分が続出。
それでも、いきなり、北朝鮮のことからはじまったり、
宗教と共産主義のフレームが酷似しているなど、
佐藤氏らしいところも随所にあり、
なんとか最後まで読めた。★★★
左巻は、「宗教とナショナリズムの結びつきについて
焦点を当て、追っていきます」とある。
む、むずかしそう。

大江健三郎『「伝える言葉」プラス』)読了

投稿者fujimoto : 2010年5月18日 14:50

大江健三郎『「伝える言葉」プラス』(朝日文庫)読了。★★★★
18~19歳くらい、大江さんの初期の小説のファンだった。
文庫になっているのは全部読んでいた。
ところが、ピタリと読まなくなった。
なんでなんだろう。
テレビのドキュメンタリーを見たり、
(息子の光くんが「クイナ、です」と、
最初に言葉を発するNHKの番組)
小澤征爾さんとの対談は読んだりしたが、
小説じゃないけど、大江さんの文章読むの約40年ぶり。
最初、ちょっと違和感あったけど、
光さんのこと(作曲しなくなったころからの話が中心)
あたりから、がぜん面白くなった。
近々、小説も読んでみようかな。

佐藤優「国家の自縛 」の解説

投稿者fujimoto : 2010年5月13日 18:47

前回ブログの追記。
佐藤優「国家の自縛 」の解説を
中村うさぎ氏が書いているのだが、
胸が少しキュッとなった。
この人、こんな文章も書くんだ。
キーになっているのが、
同志社大学の「カレッジソング」。
私も卒業生なのだが、
恥ずかしながら、
One purpose,Doshisha,thy name
ここまでしか歌えない。
もちろん、
To live for God and NativeLand
「神と祖国のために生きる」の一節は、知らなかった。
とほほ。


佐藤優「国家の自縛 」読了

投稿者fujimoto : 2010年5月12日 18:37

佐藤優「国家の自縛 」(扶桑社文庫)読了。★★★★
産経新聞の記者によるインタビューをまとめた本。
初めての著作「国家の罠」に続いて出版された。
佐藤優氏の本はあれこれ読んでいるので、
内容は、かなりかぶっている。
面白かったのは、長い長いあとがき。
とくに、小沢幹事長と検察の闘い。
逮捕された秘書の石川議員とも親しいらしく、
そのやりとりは、うーんドキュメント。

村上春樹「1Q84」読了

投稿者fujimoto : 2010年5月 7日 11:36

村上春樹「1Q84(BOOK3)」(新潮社)読了。
発売日に、東京の有楽町駅前の書店が、
呼び込みをして売ってたので、買った。
読みかけの本があったので、読まずに持ち帰ったら、
先に、家人に取り上げられてしまった。
すでに100万部売れてるって、すごいよなあ。
ついお金の計算をしてしまう。
1・2を思い出しながら、読み始めたが、
すぐにストーリーに引き込まれ、一気に読んだ。
★★★★
終盤、少しもの足りない。
1・2の不思議さが、3ではトーンダウンしている。
それと、微妙な終わり方。これで完結なのか。
ちょっとイラツクなあ。

伊藤礼「自転車ぎこぎこ」読了

投稿者fujimoto : 2010年4月23日 17:50

伊藤礼「自転車ぎこぎこ」(平凡社)読了。★★★★★
千里中央「田村書店」で「おっ、ついに出た!待ってました!」、
といっても「1Q87」ではない。
名著「こぐこぐ自転車」に次ぐ、自転車エッセイ第2弾。
おん年75歳の伊藤礼センセイが、痛快に走りまくる。
唸ったのは、ダホン社の折りたたみ自転車「ヘリオスSL」を駆使して、
見事に輪行していること。電車と組み合わせたり、クロネコ便を使ったり、
遠方への走行も自由自在だ。
いいなあ、「ヘリオスSL」欲しくなった。
(なに、この自転車、体重70kgオーバーの人は不可!ありゃりゃ)
それから、同年の自転車友だちヨコチ君もいて、楽しそう。うらやましい。
伊藤礼センセイの本を読んでいると、
75歳になっても、こんなに楽しく自転車に乗れるんだと、
勇気と希望がわいてくる。ありがたい。
いつまでも元気で、自転車エッセイを書いてほしい。
祈るばかりだ。

江副浩正 「リクルート事件・江副浩正の真実」読了

投稿者fujimoto : 2010年4月21日 17:05

江副浩正 「リクルート事件・江副浩正の真実」(中央公論新社)読了。
20年ほど前に、世間を騒がせたリクルート事件。
その真相(マスコミ、検察、司法との苦闘)を、
当事者である江副氏がつづった書。★★★
ハイライトは、拘置所での検察による取り調べの部分。
脅され、すかされ、泣き落され、著者は、不本意な調書に
サインをしてしまう。
「佐藤優氏だったら、絶対にサインしなかっただろうな。
自分だったら、きっとサインしてしまうだろう」
そう思いながら読んでいた。
読み終わって、「この事件は一体何だったのか」
結局、よくわからなかった。

佐藤優「この国を動かす者へ」読了

投稿者fujimoto : 2010年4月14日 12:57

佐藤優「この国を動かす者へ」(徳間書店)読了。★★★★
「アサヒ芸能」の連載コラムをまとめた本。
小沢VS検察、普天間移設といった直近の話題から、
北方領土、チェチェン、外務官僚批判まで。
まるでスパイ小説のような記事もあり、面白い。
「アサヒ芸能」というメディアの選択も佐藤氏らしいが、
「アサヒ芸能」の誌面では、対抗面に、
できるかぎり「大人のおもちゃ」の広告を掲載するよう
依頼しているとのこと。
ハハハ。このあたり、佐藤優氏の真骨頂。

村松友視「百合子さんは何色」読了

投稿者fujimoto : 2010年4月 8日 17:33

村松友視「百合子さんは何色」(筑摩書房)読了。★★★★
「富士日記」の編集担当者だった著者は、
武田泰淳の死後、文学的才能を開花させ、そして逝った
武田百合子の、泰淳夫人ではないもう一つの側面を追い求める。
実をいうと、私は、「富士日記」は、
天衣無縫な作家夫人が、家事の合間に、書き飛ばした文章だと思っていた。
この本を読んで、百合子さんは、推敲に推敲を重ねる人だったこと、
女学生のころから、文学少女だったこと、
詩人の魂を、ずっと、内に秘め続けていたこと、などを知った。
ユニークなキャラクターだが、文学とは縁遠い人、
きっと、飲み屋のママだったに違いないと思っていた。
タハハ。

武田百合子「犬が星見た」読了

武田百合子「犬が星見た」(中央公論社)読了。
★★★★
文庫本がわが家の本棚にあったが、
活字が小さすぎるので、図書館で借りて読んだ。
武田泰淳、百合子夫妻と友人、竹内好の3人が
ロシアを旅する紀行文。
タイトルの「犬」は、百合子さんのこと。
3人のかけ合いも面白いが、
ツアーに同行する
銭高組の会長、銭高老人の存在も
絶妙な調味料となっている。
百合子さんは、
「富士日記」に登場する石材屋社長の外川さんや
この銭高老人のように、
脇役のキャスティングが巧みだ。
奔放に見えて、意外に戦略家なのだ。
モスクワ、レニングラードなどの都会より、
シベリア鉄道でいく、
辺境の部分が特に面白かった。

武田泰淳「目まいのする散歩」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月31日 17:07

武田泰淳「目まいのする散歩」(中央公論社)読了。★★★
「富士日記」を読んでる時から、
次は、「犬が星見た」と「目まいのする散歩」を読もうと思っていた。
旭屋で、中公文庫のコーナーを見ると、2冊ともあったが、
両方とも活字が小さい。
とりあえず、「目まいのする散歩」だけを買って読みだしたが、
やっぱり疲れる。
野畑図書館で、文庫じゃないのを借りて読む。
中公文庫に腹が立つ。
読者層を考えたら、これではイカンだろ。

この本が、百合子さんの口述筆記であること、
「目まい」というのは、糖尿による脳血栓で、
ほんとにフラフラしていること、
後半のソ連の旅が、、「犬が星見た」と重なっていること、
そんなことを既に知りながらスイスイ読んだ。
百合子節に染まっているので、
旦那のより、嫁さんのほうが、面白く読める気がする。
つぎは、、「犬が星見た」だ。

「柳井正 わがドラッカー流経営論」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月30日 17:47

「柳井正 わがドラッカー流経営論」(NHK出版)読了。
NHKの番組「仕事学のすすめ」の放送内容を
再構成したもの。★★★
柳井さんは、ドラッカーの著作を繰り返し読んで、
経営の参考にしているとのこと。
内容は、わかりやすくサラサラ読める。
至極当たり前のことが書かれている。
問題は、それを実践できるかどうかなんだよな。

武田百合子「富士日記(下)」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月26日 18:07

武田百合子「富士日記(下)」(中公文庫)読了。
★★★★★
(下)のなかで、武田泰淳さんが死んでしまう、
と思いながら読んでいると、
「疲れて、眠ってしまった」などと記述があるだけで、
ドキドキしてしまう。
猫を飼うようになるのだが、
この猫が、小動物や小鳥を殺してしまう。
食事のメニューも、以前に比べてシンプルになっていく。
(上)(中)では、朝からこんなに食うの!と、
呆れていたのに。
この(下)巻では、衰え、死の匂いが、色濃くたちこめている。
そして、泰淳さんの死。
いま調べると64歳、うーん。
残りのページが少なくなるにつれて、
「ああ、もうすぐ終わってしまうのか」
こんな風に読む本って、ほとんどないよな。

武田百合子「富士日記(中)」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月24日 18:17

武田百合子「富士日記(中)」(中公文庫)読了。
★★★
●飼い犬が死んでしまう。
著者は、それを結構長く引きずる。
わが家にも老猫がおり、他人事とは思えない。
●同じ別荘地に、大岡昇平夫妻が住んでおり、
頻繁に行き来している。
すごく仲が良い。
お互いに、深く敬愛しており、
それが心地よい。
●食事のメニューはよいが、
買い物リストは、いちいちメモしているのだろうか、
百合子さんは、すごく記憶力がよいのだろうか。
●この日記には、社会的な事象の記述がほとんどない。
興味がないのか、わざと書かないのか。
●一方、木、花、草などの植物、
リス、イタチ、ネズミなどの小動物や小鳥といった
生き物への視線は、鋭く、深い。

なんだか、このところ、
ずーっと「富士日記」読んでる気分。


司馬遼太郎「街道をゆく (16) 叡山の諸道」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月15日 18:50

司馬遼太郎「街道をゆく (16) 叡山の諸道」(朝日文庫)読了。
最澄はもちろん、円仁、元三大師など、
叡山ゆかりのある僧について、
さらに、南都仏教、高野山、鎌倉仏教との
違いなど、
興味深く、面白かった。★★★★
滋賀県坂本から叡山への道は、
一度歩いてみようと思っている。
蕎麦の「鶴喜」にも、ぜひ寄りたい。

クリス・アンダーソン「FREE フリー」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月 9日 15:56

クリス・アンダーソン「FREE フリー」(NHK出版)読了。
得意先の社長が「面白い」とすすめてくれた本。
しばらく机の上に置いたままにしていたが、
「そろそろ」ってので、読んでみた。★★★
副題が、『<無料>からお金を生み出す新戦略』。
確かに、ネットの世界では、<フリー=無料>が、
あたり前のようにあふれている。
著者によれば、この流れは必然で、
もう止めることはできないとのこと。
●<フリー=無料>をどうとらえたらいいのか、
●ネットでは、非貨幣経済として、
<評判>経済と<注目>経済がますます大きくなり、
<フリー=無料>の周辺に、どう新しいビジネスモデルを
創り出せるかが勝負
といったことなどが、整理して理解できた。
読んでいる途中、3~4年ほど前に、
Webのメンバーに、
「なぜ、このソフトが無料なん、何で!」と叫んで、
「そりゃあ、つくるのが楽しいからなんじゃないですか」
と答えられ、目を白黒させたことを思い出した。

武田百合子「富士日記(上)」読了

投稿者fujimoto : 2010年3月 8日 10:34

武田百合子「富士日記(上)」(中公文庫)読了。
小川洋子、川上弘美のエッセイで
この本が取り上げられ、評価されていた。
わが家の本棚にもあったので、
読んでみることに。★★★
著者は、作家・武田泰淳の奥さん。
富士山麓の武田家の別荘での
日々の暮らしがつづられている。
食事のメニュー、買い物リスト、
近隣の人々とのやりとりなど、
どおってことないことが書かれているのに、
読みすすめているうちに、
百合子ワールドにはまっていく。
やはり、武田百合子という人の魅力が大きい。
百合子さんは、よく働く。
朝昼晩、しっかり食事をつくる。
よく食べる。朝からカレーも食べる。
運転もする、雪道も走る。
たまに飲酒運転もする。
湖で泳ぐのが好き。素っ裸で泳ぐ時もある。
可哀想だからと、瀕死の鳥のひなに砂をかぶせ、
足で踏んづけてしまう。
ひとことでいえば、添加物の入ってない人。
(中)(下)とさらに読みすすめるにつれて、
もっと面白くなるのだろうが、
結構ボリュームもあるので、
ここ(上)でいったん休憩することに。
また、ぼちぼち読んでいくことにしよう。

川上弘美「あるようなないような」読了

投稿者fujimoto : 2010年2月26日 16:06

川上弘美「あるようなないような」(中公文庫)読了。
実は、堀田善衛「天上大風」を買おうとして、
「文庫なのに1500円」に、ウっとなり、
そんな自分に狼狽し、あわててこの本を買った。
川上さんゴメン。

カバーに、「うつつと幻のあわいの世界を
ゆるやかに紡ぎだす、
不思議の作家の不思議の日常。
じんわりとおかしみ漂う第一エッセイ集」とある。
ゆるーい感じのエッセイ集。
川上弘美ファンには、
このゆるさがたまらんのだろう。
私的には、★★★かな。
ただ、本の紹介のエッセイは、
面白かった。

村上春樹「中国行きのスロウ・ボート」読了

投稿者fujimoto : 2010年2月18日 18:21

村上春樹「中国行きのスロウ・ボート」(中公文庫)読了。★★★
小川洋子「博士の本棚」で、この本が取り上げられていた。
小川さんは、村上さんの小説に影響を受けており、
とくに、この「中国行きのスロウ・ボート」は、
繰返し繰返し読んだとあり、読んでみたくなった。
村上春樹最初の短編集で、全部で7編、
発表年代順におさめられている。
読みだして、どうもピントが合わない。
なぜだろうと思っているうちに、
最後の3編は、まあ面白く読めた。
冒頭に、最初からの4編は、
「羊をめぐる冒険」以前に書かれたもので、
後の3編は、「羊」以降に書かれたとある。
「羊をめぐる冒険」が、
村上春樹の小説の、
「何か」が確立した時期になるのだろうか。
個人的には、村上さんの場合も、
短編より、長編のほうが好きだ。


嵐山光三郎『「下り坂」繁盛記』」読了

投稿者fujimoto : 2010年2月12日 12:38

嵐山光三郎『「下り坂」繁盛記』」(新講社)読了。★★★
アラシヤマ先生の本は、いつも通り、ホイホイと読む。
ただ、飼い猫が失踪し、慌てふためく章は、
(結局、行方不明のまま)ちょっと身が入った。
わが家にも老猫がおり、
マンション監禁状態なので、失踪の恐れはないが、
失踪=不在=死ととらえると、
リアリティがあった。

小川洋子「博士の本棚」読了

投稿者fujimoto : 2010年2月 4日 16:55

小川洋子「博士の本棚」(新潮文庫)読了。★★★★
本についてのエッセイ。
取り上げられているのは、
小説がしかも、翻訳小説が多い。
したがって、未読の書がほとんど。
それなのに、読んでいて面白い。
この作家は、ほんとに一編一編、
丹念に丹念に書いているよな。
もう、お気に入りリストに入れることにしよう。

藤原正彦「日本人の矜持」読了

藤原正彦「日本人の矜持」(新潮文庫)読了。★★★
品格の数学者の対談集。
五木寛之、佐藤優との話は面白かったが、
それ以外は、テーマ、内容が似ていて、
ちょっと退屈。

佐藤優「功利主義者の読書術 」読了

投稿者fujimoto : 2010年1月26日 15:36

佐藤優「功利主義者の読書術 」(新潮社)読了。
石原真理子から、マルクス、新約聖書まで、
どう読めばいいのかの提案がある。
面白かった。★★★★
ドストエフスキー、ソルジェニツイーン
高橋和巳、吉本隆明、小室直樹と並ぶと、
まあ、シンパシィ感じる。

内田樹「日本辺境論」読了

投稿者fujimoto : 2010年1月20日 18:28

内田樹「日本辺境論」(新潮新書)読了。
著者自身は、オリジナルな論ではないというが、
視点がユニーク。★★★★
前半は、とてもとても面白かったが、
後半、ぐにゃぐにゃになったのが、
(著者ではなく、読み手、つまり私が)
惜しまれる。!?

池上彰「知らないと恥をかく世界の大問題」 読了

投稿者fujimoto : 2010年1月19日 17:51

池上彰「知らないと恥をかく世界の大問題」 (角川SSC新書) 読了。
★★★
著者は、NHK「週刊こどもニュース」のお父さん役を
務めていたので知られる。
いろんな問題の要約、ポイントが、わかりやすく列記されている。
わかりやすく名人?
でも、このタイトルはいやだな。

五木寛之「「歎異抄の謎」読了

投稿者fujimoto : 2010年1月13日 18:57

五木寛之「「歎異抄の謎」(祥伝社新書)読了。★★★
東京から帰りの新幹線で、読み終える。
それくらいのボリューム。
タイトルに謎とあるが、何が謎なのかわからなかった。
特に新しい発見もない。
私訳、原文付き。
冒頭に、かなり悲観的な未来予測があり、
五木さんの予測は当たるので、
正直、ちょっと暗い気分になった。

小川洋子「密やかな結晶」読了

投稿者fujimoto : 2010年1月12日 19:15

小川洋子「密やかな結晶」(講談社文庫)読了。★★★★
島で暮らす小説家「わたし」。
この島では、人々の記憶が、ひとつずつ消されていく。
記憶を消滅させない人は、
秘密警察の記憶狩りによって、連行されてしまう。
「わたし」もまた、少しずつ消滅していく・・
ナチスのユダヤ人虐殺を連想させる物語。
静かな語り口が、
かえって恐ろしく、哀しい。

嵐山光三郎「とっておきの銀座」読了

投稿者fujimoto : 2009年12月24日 17:59

嵐山光三郎「とっておきの銀座」(文春文庫)読了。★★★
レストランの他にファッション、文具、和装小物、
傘、帽子、金銀製品、ステッキ、手ぬぐい、下駄、靴・・・
著者と、その友人、編集者が、
実に気前よく食事し、ショッピングを楽しむ。
こちとら、東京事務所が銀座にあるのに、
文具の伊東屋しか知らない。
こうしてみると、食い物以外に、
まったく心が動かないというのも、ちょっと情けない。
それと、気になるのが、どれが自腹で、
どれが出版社もちなのか・・・
どうも貧乏たらしくて、いけません。

堀田善衛『上海にて」読了

投稿者fujimoto : 2009年12月18日 13:10

堀田善衛『上海にて」(集英社文庫)読了。
★★★★★
終戦前後の約2年間を著者は、上海で過ごす。
この本は、その10年後、上海を再訪した際の
紀行エッセイ。
カバーには、紀行エッセイとあるが、
むしろ、あとがきで大江健三郎氏の言う
「重い決定的な十年を挟んで対峙するかのごとき
二つの上海の間を飛び交う想像力の展開」
といった表現がふさわしい。
先に読んだ『上海日記」は、
この本を読むことで報われた。
おそらく、この本は、
著者にとって、最も重要な著作だと思われる。
読み終えて、「深い深呼吸を一つ」。

堀田善衛『上海日記』読了

投稿者fujimoto : 2009年12月 9日 17:22

堀田善衛『上海日記』(集英社)読了。★★★★
太平洋戦争終結前後の2年間を上海で過ごした堀田善衛が、
その地で書き記した日記。
読みだしたが、
上海の街(通りや施設)はもちろん、当時の社会・政治状況、
登場する人物との関係(武田泰淳のほかに、TやらNやら)、
著者のポジション、
だいたい著者が何で食っているのか、
なんだかよくわからない。
もちろん厳しい状況の中にはあるのだろうが、
よくある、戦後の悲惨な、過酷な話とは違い、
よく飲み、やたら映画を観るし、しっかり不倫するし、
ふーんと思いながら、読みすすめた。
巻末の解説、開高健との対談を読んで、
少し様子がわかった。
それでも読了できたのは、
その時代の、混乱の上海だけがもつ不思議な
空気、匂いを放っているからだろう。
誰かのブログに
「芯に熱を帯びた彼の散文が好きだ」とあったが、
それそれ、この日記の魅力も、そうだと思った。


「山口瞳 対談集1」読了

投稿者fujimoto : 2009年12月 8日 13:04

「山口瞳 対談集1」(論創社)読了。★★★
土岐雄三、大山康晴といった人との
対談が面白かったが・・・
かっては、舌なめずりするように読んでいたのに、
やはり盛り上がりに欠ける。
「山口瞳」熱の終焉か。
と、いいながら、
えっ、このシリーズ5巻も出るの?
図書館で借りよう!(なんだ、それ)

小川洋子「ブラフマンの埋葬」読了

投稿者fujimoto : 2009年11月27日 16:25

小川洋子「ブラフマンの埋葬」(講談社文)読了。★★★★
いよいよ、小川洋子さんの登場。
芸術家たちの集まる施設の管理人を勤める主人公「僕」と
「ブラフマン」と名付けられた不思議な小動物の
静かで、優しい暮らしが綴られる。
タイトルからして、ブラフマンは死んでしまうのだろう、と
思いながら読みすすめていく。
本の帯に、「静謐な文章から愛が溢れだす」とある。
「静謐」まさにこの言葉がぴったりの世界。
小川洋子さんの小説を楽しめることがわかった。
うれしい。(わが家の本棚にいっぱいある)

「山口瞳 対談集2」読了

投稿者fujimoto : 2009年11月24日 16:54

「山口瞳 対談集2」(論創社)読了。★★★
山口瞳さんが亡くなってどれくらいになるんだろう。
いま調べてみると、平成7年。
えっ、もう14年。
父の17回忌には、早いもんだなあ、と思っただけだが、
この14年には、思わず、絶句してしまった。
実は、山口瞳さんが亡くなってから、
一度も彼の本を手に取っていない。
「生きていりゃこその山口瞳」
といった気持が、なぜかあるのだ。
ほとんど(ほぼ100%)の本を読んでいるので、
再読というカタチになるのだが、
それにしても不思議。
今回読んでみて、おなじみの相手との対談。
もちろん、それなりに面白いのだが、
どこか「少し気の抜けたサイダー」
という気分は否めない。


堀田善衛「方丈記私記」読了

投稿者fujimoto : 2009年11月17日 17:28

堀田善衛「方丈記私記」(ちくま文庫)読了。
人生の先達M氏の口から、
幾度か「堀田善衛」の名を聞き、
そのうちにと思っていた。
先に読んだ、「時代の風音」が鼎談ということもあり、
イマイチ食い足りず、「方丈記私記」を読んだ。
これこれ、求めていたのは。★★★★★
著者に対して、知的で静的な印象をもっていたが、違った。
「方丈記」と言えば、無常、隠遁文学と思いがちだが、
堀田氏は、それをぶち壊す。
冒頭、いきなり、方丈記の安元三年の大火と
1945年の「東京大空襲」をオーバーラップさせるなど、
意表を突き、鮮やか。
鴨長明についても、ジャーナリストであり、
ミュージシャンであり、文学者であり、
一筋縄ではいかぬ人ととらえ、
そういう長明を、著者は好もしく思っている。
面白かった。
「方丈記」を読んでみたくなった。


堀田善衛 司馬遼太郎 宮崎駿「時代の風音」読了

投稿者fujimoto : 2009年11月11日 18:20

堀田善衛 司馬遼太郎 宮崎駿「時代の風音」(朝日文庫)読了。
えっ、宮崎駿?と、不思議に思った。
実は、宮崎さんが、敬愛する堀田、司馬の2賢人に、
話を聞きたいということで、この本ができたらしい。
宮崎アニメのいくつかの作品には、
堀田氏の思想が色濃く反映されているとのこと。ふーん。
本の内容についていえば、
もちろん知的ではあるが、
正直、ちょっと物足りない感じ。★★★
やっぱり、鼎談だから、なんだろうな。

藤原正彦「国家の品格」読了

投稿者fujimoto : 2009年11月 6日 14:53

藤原正彦「国家の品格」(新潮新書)読了。★★★★
少し前に、ベストセラーになっていた。
書評などで、なぜか胡散臭く思われ、読まずにいた。
ところが、「僕らの頭脳の鍛え方」で、
佐藤優さんが、この本をチョイスし、
「誤読されている」とのコメント。
それでは、と読み始めた。
合理精神、民主主義、新自由主義など、
欧米社会がはぐくんできた前提をバッサリ。
武士道精神?うーん。
でも予想よりはるかに面白かった。

太田和彦「ニッポン居酒屋放浪記 立志編」読了

投稿者fujimoto : 2009年11月 5日 10:01

太田和彦「ニッポン居酒屋放浪記 立志編」(新潮文庫)読了。
三部作のうち、大阪、神戸、京都も訪ねているので、
立志編を選んだ。
この人の本を読むと、フラフラ居酒屋に行きたくなるので困る。
京都では、「めなみ」「赤垣屋」「静」の名があり、ちょっと嬉しい。
さすがに、この本では情報が古いので、
参考にしたい人は、
テレビ番組(大阪だとサンテレビ土曜夕方6時30分)を見るか
(先週の「スタンドアサヒ」(南田辺)は魅力的だったなあ)
NET(http://www.tabi-ch.net/tabichnet_izakaya_tenpo)を使うとよい。

立花隆 佐藤優「僕らの頭脳の鍛え方」読了

投稿者fujimoto : 2009年10月27日 13:08

立花隆 佐藤優「僕らの頭脳の鍛え方
~必読の教養書400冊」(文春新書)読了。★★★★
帯に、『「知の巨人」と「知の怪物」が
空前絶後のガイドブックを作り上げた』とある。
「知の怪物」ねえ、ハハハ、うまい。
さすがの佐藤氏も、立花氏の蘊蓄に
耳を傾ける個所が・・・
しかし、とんでもない二人だなあ。
いま、数えてみると、400冊のうち、
読んでいるのは6冊だった。とほほ。

高橋たか子「過ぎ行く人たち」読了

投稿者fujimoto : 2009年10月23日 12:40

高橋たか子「過ぎ行く人たち」(女子パウロ会)読了。★★★★
最新刊。この人の本は、書店に並ばない。
(出版社によるのだろう)
図書館で、「そろそろかな」と検索したら、「出てるじゃん」。
予約1になっていた。
コアなファンはいるんだ。(あたりまえ!)
物語は、ノルウエーでブアナという少年と
出会うところから始まる。
10年後、パリで、その少年らしき青年とすれ違う。
「私」は、ブアナを追い求めている(?)。
「私」は、何者かに導かれるように、
フランスの各所(おもに修道院)を旅する。
キーワードは、「思い出す、思い出す、未来を」
読者も、「私」とともに、夢遊病者のように、旅をする。
いつもながらの不思議な小説。


玉村 豊男 『邱永漢の「予見力」』読了

投稿者fujimoto : 2009年10月21日 15:58

玉村 豊男 『邱永漢の「予見力」』(集英社新書 )読了。★★★★
不思議な組合わせだなと思って読み始めた。
「株の神様」邱永漢。
氏は、10年前すでに自著『マネーゲーム敗れたり』で、
今日の世界市場経済崩壊を予見していた。
著者(玉村氏)は、「それなら10年後はどうなる」と、
邱氏を追跡取材する。
いま、邱氏の頭の中は、
「中国人のこれからの食糧」のことでいっぱい。
「経済が成長し、工業化がすすめば、
食糧が不足し、世界が大変なことになる。
もちろん、そこに大きなビジネスが生まれる」という予見。
著者は、邱氏の率いる投資考察団に加わり、
85歳の今も、中国を舞台に農業ビジネス・プロジェクトに奔走する
邱氏の姿を目の当たりにする。
先見力はもちろんだが、
その行動力、エネルギー、パワーに
著者も読者も、圧倒される。

松山猛「もう話してもいいかな」読了 /加藤和彦の死

投稿者fujimoto : 2009年10月19日 10:14

松山猛「もう話してもいいかな」(小学館)読了。
エッセイスト。「イムジン河」などフォーク・クルセダーズの歌の作詞者。
映画「パッチギ」の原作者。
著者も私も、1970年前後、京都で青春時代を過ごしている。
フォークルの結成、「イムジン河」の発売禁止~その後など、
興味深く読んだ。
著者には申し訳ないが、
文章よりも、そこにちりばめられた固有名詞に
強く反応する本だった。
「イムジン河」も、フォークルも、好きだった。
1970年。もう戻れない。
と、こんな風に書こうと思っていたら、
加藤和彦(親愛の情により敬称略)の死のニュース。
あんな風に、肩の力を抜いて、
歌ったり、生きたりできる人(そう見えた)、
日本人にはいない、と、
ずっと、感心していたのに。
「死ななくても・・・」。

青木 雄二「ゼニのカラクリがわかるマルクス経済学 」読了

投稿者fujimoto : 2009年10月14日 16:07

青木 雄二「ナニワ金融道 ゼニのカラクリがわかるマルクス経済学 」
(講談社プラスアルファ文庫)読了。★★★
最近、マルクスや資本論に関連した本をよく見かける。
佐藤優さんあたりが、きっかけになっているのだろうか。
この本は、それ以前に書かれた本だ。
著者は、筋金入りのマルクス主義者。
マンガの「ナニワ金融道 」も、マルクスの思想をベースに、
描いていたらしい。
この本は、各テーマの冒頭にマルクスの文章が引用され、
青木氏がそのテーマに沿って、
自分の考えを披露するスタイル。
青木氏の分は、まだしも、
マルクスの文章は、読みにくく、わかりにくい。
それにしても、ここまでストレートに
マルクス思想を支持する人を
最近見ないのだが…

小澤征爾/大江健三郎「同じ年に生れて」読了。

投稿者fujimoto : 2009年10月 5日 11:26

小澤征爾/大江健三郎「同じ年に生れて」(中公文庫)読了。★★★
1935年に生まれた世界的指揮者とノーベル賞作家が、
音楽について、文学について、語り合う。
面白かったが、とくに音楽についての
レベルの高い話の場合、
二人のキャッチボールを遠くで眺めている感じだった。

吉本隆明「老いの超え方」読了

投稿者fujimoto : 2009年9月18日 16:16

吉本隆明「老いの超え方」(朝日文庫)読了。★★★
カバーに、
「誰もに訪れる、年齢による病と身体の衰えをどう超えるのか?
戦後最大の思想家が、自らの身心の老いを徹底分析。」とある。
なんだかなあ、と読み始めたが、途中から、背筋が伸びてきた。
「老い」から、「人間の本質」に迫ろうとしているから。
こんな本、いったい誰が読むんだろう。
きっと団塊世代の吉本隆明ファンに違いない。
(あれ、オレもそうじゃん)

小川洋子「アンネ・フランクの記憶」読了

投稿者fujimoto : 2009年9月14日 13:07

小川洋子「アンネ・フランクの記憶」(角川文庫)読了。★★★★
書店で読みたい本が見つからない、
最近そんな事が時々ある。
仕方ないので、わが家の本棚をあさる。
小川洋子さんは、私の周辺の女性たちが
高く評価している作家だ。
家人もその一人。棚に、7~8冊並んでいる。
小説は避け(ズルイけど)、この本をピックアップ。
「アンネの日記」を読み、作家になろうとした小川さん。
フランクフルト、アムステルダム、アウシュビッツと、
アンネの足跡を訪ねる旅の記録。
たんたんとした文章に、
どこか高橋たか子さんと共通の透明感を感じた。
(いま調べたら、「両親ともに金光教の信者の家庭に育つ」
とあり、ちょっと納得。)
うーん、小川さんの、小説読むのかなあ。

山崎豊子「沈まぬ太陽」(三)(四)(五)読了

投稿者fujimoto : 2009年9月10日 20:27

山崎豊子「沈まぬ太陽」(三)(四)(五)[新潮文庫]読了。
(一)(二)に比べて、(三)(四)(五)は、ぐっと濃密。
小説として面白く読んだ。★★★★
各巻のトップに、
「この作品は、多数の関係者を取材したもので、
登場人物、各機関・組織なども事実に基づき、
小説的に再構築したものである。・・・」とある。
作者の覚悟が感じられるが、
ただ、あまりに登場人物の善悪が明確な点は、
どうしても気にかかる。

山崎豊子「沈まぬ太陽」(一)(二)読了

投稿者fujimoto : 2009年8月27日 10:50

山崎豊子「沈まぬ太陽」(一)(二)[新潮文庫]読了。★★★
山崎さんの作品は、はじめて読む。
なにしろ長いので、中間報告。
組合の委員長として会社と対峙したことで、
報復人事により、カラチ、テヘラン、ナイロビと
10年近く「流刑」にあう主人公。
まるでTVドラマを見るよう。
ステロタイプな部分(人物設定、表現)が気になる。
いま、(三)を読み始めた。
いよいよ、ストーリーは核心に。
ギヤが入った。緊迫感、リアリティが一気にUP。

保阪正康対論集「昭和の戦争」読了

投稿者fujimoto : 2009年8月18日 18:05

保阪正康対論集「昭和の戦争」(朝日文庫)読了。★★★★
対談相手は、
半藤 一利、伊藤 桂一、渡辺 恒雄、戸部 良一、角田 房子、
秦 郁彦、 森 史朗、辺見 じゅん、 福田 和也、牛村 圭、松本 健一、原 武史、
いずれも興味深かった。
ナベツネ氏は、ちょっと意外。
保阪さんは、頑張ってるなあ。

太田和彦「超・居酒屋入門」読了

投稿者fujimoto : 2009年8月 3日 12:44

太田和彦「超・居酒屋入門」(新潮文庫)読了。
テレビの静かな、少しつっかえながらの語り口より、
文章では、ほんの少しだけはずんでみえる。★★★★
まあ、これも含めて、太田さんのキャラクターなのだろう。
全面的に共感。
居酒屋への愛着は、深くなるばかり。

村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」読了

投稿者fujimoto : 2009年7月27日 16:23

村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」(新潮社)読了。
わが家の本棚にあったのを拝借して読んだ。
阪神淡路大震災をモチーフにした6編の短編小説集。
震災がモチーフ?大丈夫かいな?と心配したが、
もちろんそんな心配は無用であった。★★★★

伊丹十三「ヨーロッパ退屈日記」読了

投稿者fujimoto : 2009年7月22日 18:19

伊丹十三「ヨーロッパ退屈日記」(新潮文庫)読了。★★★★
ほぼ日刊イトイ新聞で伊丹十三特集があり、
この本のことが取り上げられていた。
懐かしくて読んでみた。
この本を最初に読んだのは、高校生の時だった。
まだ、伊丹一三という名前だった。
「かっこいいなあ」と感心したが、
自分とはかけ離れた遠い世界の話であった。
その後、1~2度読んでいるはずなのだが、
今回読み始めて、内容に全く記憶がないことに驚いた。
ところが、半分近く読んで、あるページにさしかかって、
アッと、声を出してしまった。
アーティショー(アーティチョーク)、エスカルゴ、
スパゲッティについて書かれたページ。
文章もイラストも鮮明に蘇った。
まさしく高校生の時の記憶。
よっぽど、腹すかしていたのかなあ。
この本を書かせたのが、
山口瞳さんであったことも、興味深かった。

村上春樹「アフターダーク」読了

投稿者fujimoto : 2009年7月13日 18:58

村上春樹「アフターダーク」(講談社文庫)読了。★★★★
勝手に、オウム真理教に関連したドキュメントだと思ってたら、
オウムとは関係ない、小説だった。
カバーには、長編とあるが、
感覚的には、まあ中編かな。
得意の2つの世界を行きつ戻りつのスタイル。
物語のひろがり、スケール感はなく、
程よくまとまっている、といった小説。
「私たちの視線」という視点が、ちょっと珍しい。
私の場合は、春樹さんの小説は、長編が好きだ。

岡本行夫・佐藤優「知の超人対談」読了

投稿者fujimoto : 2009年7月 9日 17:07

正式に言うと
高畑昭男編著『知の超人対談 岡本行夫・佐藤優の「世界を斬る」』
(産経新聞社)読了。★★★★
元外交官の2人が、世界情勢、日本の未来について語り合う。
インテリジェンスの現場にいた2人だから、
話は、シビアで生々しい。
それにしても、「知の超人」は言いすぎではないの。
佐藤優さん、確かに、その知識は深いのだろうけれど、
論者としては比較的新米なこの人に、
「キミキミ、それちょっと間違がっとるんでないの」って、
異論唱える人はいないのかなあ。

宮台真司「日本の難点」読了

投稿者fujimoto : 2009年7月 3日 14:05

宮台真司「日本の難点」(幻冬舎新書)読了。★★★
最初、学術用語?が難しく、とまどった。
文章も読みにくかった。
(帯には、「これ以上はありえないというほど、
噛み砕いて書かれています」とあるが・・・)
途中から、慣れてきた。
それと、「そうかも」といった内容もいろいろあって、
結局、最後まで読んだ。
でも、この本、結構ベストセラーになっている。
うーん。
こちとらのレベル低いのかなあ。

村上春樹「1Q84 」1・2 読了

投稿者fujimoto : 2009年6月22日 16:24

村上春樹「1Q84 」1・2(新潮社)読了。
家人が、驚くべきスピードで読み終わり、
私にまわってきた。
読みだしてすぐに村上ワールドに入りこみ、
一気に読んだ。★★★★★
次は、娘にバトンタッチ。
この小説に関しては、作者も出版社も、
可能な限り、情報をクローズにしているので、
内容については、ふれない。
ただ、最後の最後で、
「あれ、これで終わってしまうの」と、
突き放された感じ。
家人に聞くと、「そうなのよ。最後がねえ・・」
おそらく、物語は、3、4と、まだ続くのだろう。
そうだよね、春樹さん。

永六輔/矢崎泰久「バカまるだし」読了。

投稿者fujimoto : 2009年6月16日 18:42

永六輔/矢崎泰久「バカまるだし」(講談社)読了。
「話の特集」コンビの対談。懐かしい。★★★★
漫才みたい。ダイマル・ラケット?
矢崎さんが、ボケ。
この人、かなり無頼の人。
永さんが、いさめる人。
話、結構、面白かった。
さて、次は、いよいよ「1Q84]。
家人から、まわってきた。


吉本隆明「詩の力」読了

投稿者fujimoto : 2009年6月15日 17:55

吉本隆明「詩の力」(新潮文庫)読了。
わが家の本棚から拝借して読む。★★★★
現代詩人を取り上げ、短評を加えている。
谷川俊太郎、田村隆一、塚本邦雄、吉増剛造・・・
なるほどなるほど、と読みすすめていたら、
中島みゆき、松任谷由実、宇多田ヒカルときた。
おやおや、と思ったら、この本、編集者の聞き書きらしい。
宇多田ヒカルまで、チェックしてるとは思えないもんなあ。
でも、面白かった。
茨木のり子の名があったのも、うれしい。
現代詩入門としては、よいと思う。


五木寛之/鎌田東二「霊の発見」読了

投稿者fujimoto : 2009年6月10日 17:41

五木寛之/鎌田東二「霊の発見」(平凡社)読了。
宗教哲学者/鎌田さんと、五木さんの対談。★★★
タイトルからいうと、もっとおどろおどろしい内容を想起するが、
「霊」そのものより、「霊的なるもの」「スピリチュアルなもの」
といった話が、ほとんど。
周辺をクルクル回っている感じ。
知的ではあるが、物足りなさは残る。

NHK「司馬遼太郎の風景8」読了

投稿者fujimoto : 2009年6月 8日 10:24

アイルランドブームが続いている。
『司馬遼太郎の風景8 NHKスペシャル「愛蘭土紀行」』
(日本放送出版協会)読了。★★★
司馬遼太郎氏の「愛蘭土(アイルランド)紀行」をもとに、
NHKスペシャル「街道を行く」の最終回放映分の取材記。
この番組、見たかなあ。
さがしてみよう。

村上春樹『もし僕らの言葉がウイスキーであったなら』読了

投稿者fujimoto : 2009年6月 3日 11:00

村上春樹『もし僕らの言葉がウイスキーであったなら』(平凡社)読了。★★★
家人に、「村上春樹さんのアイルランドへ行ってウイスキー飲む本あったよね」
と聞くと、さしだされた本がコレ。
「司馬さんも同じ島に行ってるのに、ウイスキーの話、ほとんどない。
興味のあり方が違うんだね」というと、
「多分、間違ってる。ボウモアの島は、スコットランドよ」。
確認すると、司馬さんが訪ねたのは、アラン諸島(アイルランド)。
村上さんが訪ねたのは、アイラ島(スコットランド)。
ずっと、ボウモアって、アイルランドの酒だと思っていた。
『もし僕らの言葉が・・・』は短いので、すぐ読めた。
アイルランドも訪ねているが、アラン諸島には寄っていない。
途中で、以前に、一度読んでたことに気がついた。
司馬さんも、村上さんも、
アイルランドの風景が、心に強く残る美しさだと書いている。
行ってみたいが、遠いから、無理だな。

司馬遼太郎「愛蘭土紀行ⅠⅡ」読了

投稿者fujimoto : 2009年6月 1日 14:25

司馬遼太郎「愛蘭土紀行ⅠⅡ」(朝日文庫)読了。★★★★
アイルランド。
カトリックの国。
イギリスに虐げられてきた歴史。
美しいが、ひたすら厳しい自然。
ジョイス、ベケットを生んだ文学の風土。
司馬さんは、ロンドンから、リバプールへ。
海を渡り、ダブリンへ。
さらに西に行き、アラン諸島を訪ねる。
紀行文というより、考察・論考が多く、
(「街道を行く」って、こんなんだったかなあ)
スイスイ読みすすむわけにはいかない。
それでも、アイルランドという国、
独自の個性をもつ人々の魅力、
司馬さんのアイルランドへの思いは十分に伝わり、
面白かった。


加藤登紀子編「農的幸福論」読了

投稿者fujimoto : 2009年5月22日 13:05

加藤登紀子編「農的幸福論」(角川文庫)読了。★★★
副題が、「藤本敏夫からの遺言」。
加藤登紀子さんが、亡くなった主人の「農的幸福論」に、
自分の文章、対談をプラスして文庫化した本。
藤本敏夫さん。40年前、彼は、学生運動のスターだった。
人間としての魅力はあるんだろうけど、
藤本さんの論は、正論すぎて、正直ちょっと退屈だった。
後半の、お登紀さんの文章や対談が、面白かった。
やっぱ、「現在」を生きているからだろう。

松本健一「司馬遼太郎が発見した日本」読了

投稿者fujimoto : 2009年5月19日 16:33

松本健一「司馬遼太郎が発見した日本」(朝日文庫)読了。
「街道をゆく」の全巻解説。★★★
いくつかは読んでいるが、
こうして全巻を見渡すと、読んでみたくなる巻がある。
案内書として便利。
ごめん、松本健一さん。
「あとがきにかえて」の
三島由紀夫事件と「街道をゆく」との関係については、
ふーん。

高橋たか子「怪しみ」読了

投稿者fujimoto : 2009年5月13日 16:06

高橋たか子「怪しみ」(新潮社)読了。
千里中央の田村書店に古本コーナーができて、
のぞくと、結構面白い。
高橋和巳の本をさがしたが、なかった。
そこで、高橋たか子の「怪しみ」800円、「荒地」200円を購入。
高橋和巳に続いて、高橋たか子を読む、
うん、なんだろう。
「怪しみ」、ずいぶん前の短編小説集。
独自のちょっと不思議な世界。
嫌いではない。★★★★


高橋和巳「邪宗門 上・下」読了

投稿者fujimoto : 2009年5月12日 10:26

高橋和巳「邪宗門 上・下」読了。
図書館で借りた全集があまりに重かったので、
ネットで古本を購入。
上下各274円、送料各340円。
薄汚れているが、読む分には問題なし。
ただし、文字が非常に小さくて、びっくり。
当時、こんな小さな文字で読んでいたんだ。
40年前に読んだ小説。いやあ、面白かった。
ただし、世直しという武力闘争に突入し、破滅へと至る
エンディングは、ちょっとリアリティに欠ける。ので、★★★★
それでも、なお、高橋和巳という作家は、大好きだし、
この作品も大好きだ。
読者(私)が、進歩がないのか、
40年前の感性を失っていないのか。


高橋和巳「悲の器」読了

投稿者fujimoto : 2009年4月14日 18:54

高橋和巳「悲の器」(河出文庫)読了。
40年前に読んだ小説。
当時、私は、高橋和巳のファンで、
全集で、ほとんどの作品を読んだ。
「邪宗門」が最も印象に残っているが、
旭屋曽根崎店には、なかった。
読みだして、すぐに、
高橋和巳独特の文体に、「おお、懐かしい」。
ストーリーは、全く記憶していなかったが、
面白くて、ぐんぐん読んだ。★★★★★
「邪宗門」も読んでみようと、
ネットで調べたら、朝日文庫にある。
(以前、新潮文庫にあったのに・・・)
早速ジュンク堂に行ったら、品切れ、
取り寄せもできないとのこと。
どうやら、忘れられた作家になっている。
仕方ないので、休日に図書館で借りたが、
全集しかなく、かさばるし、重いのなんのって。

半藤一利「昭和史が面白い」読了

投稿者fujimoto : 2009年4月 8日 11:40

半藤一利 編著「昭和史が面白い」(文春文庫)読了。
半藤さんが進行役、ゲスト2人と、3人での座談。
統帥権、2・26事件、東京裁判から、
東京五輪、三島由紀夫、大阪万博まで、
テーマはいろいろ。
当事者たちが、意外な真相を明かす。
いずれも興味深く読めた。★★★★

半藤一利「日本国憲法の200日」読了

投稿者fujimoto : 2009年3月27日 12:40

半藤一利「日本国憲法の200日」(文春文庫)読了。★★★★
敗戦の日から、「憲法改正草案要綱」を決定し、
国民に発表した翌21年3月6日までの203日。
歴史的事実を縦糸に、15歳の半藤少年の心の動きを横糸に、
本書は構成されている。
随所に登場する作家の日記などの引用が効果的。
「この憲法(戦争放棄)により、50年後に、日本が道徳的に、
勇敢かつ賢明であったことが立証されるでしょう」という
マッカーサーの予言は、はずれた。
「100年後、日本は世界の道徳的指導者となったことが
悟られるでありましょう」という予言は、どうか。

佐藤優「テロリズムの罠 左巻」読了

投稿者fujimoto : 2009年3月18日 16:44

佐藤優「テロリズムの罠 右巻」(角川oneテーマ21)読了。
副題が「~新自由主義社会の行方」。★★★★
秋葉原無差別殺傷事件、「蟹工船」、鈴木宗男疑惑など、
先に読んだ、右巻に比べて、身近なテーマが多く、
わかりやすかった。
寄せ集めて一冊といった感じもするけれど…

佐藤優「テロリズムの罠 右巻」読了

投稿者fujimoto : 2009年3月12日 15:20

佐藤優「テロリズムの罠 右巻」(角川oneテーマ21)読了。
副題が、「~忍び寄るファシズムの魅力」。★★★★
結構、内容が難しかった。
とくに第2部 恐慌と不安とファシズム(上)(中)(下)。
引用が多いのだが、その引用部分が難しい。
でも本書のもっとも重要な部分。
勉強不足、こたえる。
著者いわく、
「不安の時代に人間は、ファシズム、テロリズム、
人種主義などの罠に落ちやすくなる。
その危険からのがれるためにも、
知的基礎体力を強化することが重要だ」

浜矩子「グローバル恐慌」読了

投稿者fujimoto : 2009年3月 4日 13:02

浜矩子「グローバル恐慌」(岩波新書)読了。★★★★
副題が、~金融暴走時代の果てに~
アメリカ発の金融危機が、世界に波及し、
グローバル恐慌は、現在進行形である。
なぜこうなったのか?は、なんとか理解できた。
金融暴走という言葉が象徴している。
これからどうなるのか?答えはまだない。
他人事ではない、
私たちは、いまその嵐の中にいる。
それをヒシヒシと感じる。
エライコッチャ。

中谷巌「資本主義はなぜ自壊したのか」読了

投稿者fujimoto : 2009年2月23日 19:13

中谷巌「資本主義はなぜ自壊したのか」
(集英社インターナショナル)読了。★★★
帯に、「構造改革の急先鋒であった
著者が記す懺悔の書」とある。
何が問題なのか、なぜグローバル資本主義、新自由主義に
向かったのかなど、わかりやすかった。
とくに、第四章「宗教国家、理念国家としてのアメリカ」などは、
なるほどなあと納得した。
解説書としてはいいのだが、
しかし、しかしだ、
この書にある理由で、
著者が転向したのだとしたら、違和感あるなあ。
素朴に、いわゆる「はげたかファンド」や石油資本といった連中が、
汗をかくことなく、莫大な利益を上げていた事実を、
その時点で、「変とちゃう?」と思わなかったのだろうか?
そこは、納得できん。

手嶋龍一「外交敗戦」読了

投稿者fujimoto : 2009年2月18日 18:16

手嶋龍一「外交敗戦」(新潮文庫)読了。★★★★
副題は、~130億ドルは砂に消えた~
湾岸戦争で、日本は、130億ドルもの
巨費を投じ、多国籍軍を支援した。
にもかかわらず、クウェート政府が発表した
感謝国リストに<JAPAN>はなかった。
日本を迎えたのは、世界の冷笑であった。
その経緯を描いたノンフィクション。
情報みっちりなので、
読むのに少し時間がかかったが、
興味深く読んだ。
佐藤優氏の影響か、
最近、こうした内容への
関心が高くなっている自分がいる。

田原 総一朗/佐藤 優「第三次世界大戦  新・帝国主義でこうなる!」読了。

投稿者fujimoto : 2009年2月 6日 10:21

田原 総一朗/佐藤 優「第三次世界大戦  新・帝国主義でこうなる!」(アスコム)読了。
この前読んだ本の姉妹版。
テーマは、テロ、日米関係、ロシア・中国、天皇と憲法など。★★★★
沖縄のとらえ方、ユニーク。
さすがに、佐藤優氏、しばらくパスにしよう。

田原 総一朗/佐藤 優「第三次世界大戦 世界恐慌でこうなる!」読了。

投稿者fujimoto : 2009年2月 2日 16:55

田原 総一朗/佐藤 優「第三次世界大戦 世界恐慌でこうなる!」(アスコム)読了。
テーマは、経済、金融、貧困など。
東京出張のホテル、新幹線の往復で読んだ。★★★★
姉妹本が同時刊行されており、
そちらのテーマは、政治、宗教。
アハハ、そちらも買ってしまった。



手嶋 龍一 /佐藤 優「 インテリジェンス 武器なき戦争」読了

投稿者fujimoto : 2009年1月29日 11:39

手嶋 龍一 /佐藤 優「 インテリジェンス 武器なき戦争」(幻冬舎新書)読了。
インテリジェンス。本書では「情報」とされているが、
別の本では、「諜報」となっていた。たんなるインフォメーションではなく、
国家間の機密に関する情報といったところなのだろう。
2人のインテリジェンスのプロフェッショナルの対談。
違うポジションで、お互いを意識しながら、情報戦を戦っていたわけで、
ふーんと、知らない話がいっぱいで、一気に読んだ。★★★★★
手嶋さんは、9.11のとき、NHKワシントン支局長として、
テレビによく出ていたが、いまや作家なんだ。

松岡正剛「連塾 方法日本Ⅰ」読了

投稿者fujimoto : 2009年1月28日 16:14

松岡正剛「連塾 方法日本Ⅰ神仏たちの秘密」(春秋社)読了。
識者を集めて、松岡氏が「方法日本」をテーマに講演する
連塾の内容をドキュメントとして編集した本。
「神仏たちの秘密」というタイトルに惹かれて購入。
「第三講 仏教にひそむ謎」が面白かった。★★★★
この内容、いきなり聴講して、理解できるかというと、
自信ないなあ。
参加者のレベルが高いのだろう。

「古事記」読了。

投稿者fujimoto : 2009年1月21日 19:18

武田友宏「古事記」(角川文庫・ビギナーズクラシックス)読了。
訳あって、「古事記」を読むことになった。
現代語の通釈を読み通した。★★★
「古事記」は、上中下に分かれており、
天地創造から、神武東征の前までの上巻、
つまりもっとも神話的な世界が、面白かった。
ただし、読みにくい、長ったらしい名前の神が、
次々にいっぱい登場するので、
この点は、ちょっと閉口。

吉田健一「吉田健一対談集成」読了

投稿者fujimoto : 2009年1月 8日 17:58

吉田健一「吉田健一対談集成」(講談社文芸文庫)読了。
川上徹太郎氏との対談は面白かったけれど、
さすがに、かなり前の対談ばかり。★★★
生きておられるのは、丸谷才一さんだけだもんね。
講談社文芸文庫シリーズは、高い。
この本も、文庫なのに、1400円する。
(私は、図書館で借りた)
売れてるのかなあ。

五木寛之「人間の覚悟」読了

投稿者fujimoto : 2008年12月24日 16:32

五木寛之「人間の覚悟」(新潮新書)読了。★★★★
またまた、五木さんの本を読んでしまった。
いつもながらの五木節だが、この本は少し、沁みた。
いよいよラストメッセージに近くなっている感。
しぶとく長生きしてほしい、そう思う。
(五木さん、100歳くらいまで生きそうな気もする)

三谷幸喜/清水ミチコ「むかつく二人」読了

投稿者fujimoto : 2008年12月12日 12:50

三谷幸喜/清水ミチコ「むかつく二人」(幻冬舎)読了。
この前読んだ「いらつく二人」と同じシリーズ。★★★
読んでいると、時々どっちがしゃべってるのか、
わからなくなることがある。
まあ、さすがに2冊目となると、
「もういいか」て、感じ。
やっぱりラジオで聴くもんだね。

佐藤優「国家と神とマルクス」読了

投稿者fujimoto : 2008年12月10日 16:37

佐藤優「国家と神とマルクス」(角川文庫)読了。★★★★
佐藤氏は、変わらず大活躍だ。
著書も次々に文庫化されている。この本もその一冊。
佐藤氏の本は、
ちょうど雪山の遭難者に、
「起きろ、眠ると死ぬぞ」と呼びかけるように、
衰えゆく我が知性に、刺激を与えてくれる。

三谷幸喜/清水ミチコ「いらつく二人」読了

投稿者fujimoto : 2008年12月 4日 19:58

三谷幸喜/清水ミチコ「いらつく二人」(幻冬舎)読了。
ラジオ番組での二人のトークをまとめた本。
三谷がボケ、清水がツッコミ。ん?
二人の関係が面白い。★★★★
ラジオで聴いたら、もっと面白いんだろうな。
このシリーズ、もう1冊出てるので、
そちらも読んでみよう。

ねじめ正一「荒地の恋」読了

投稿者fujimoto : 2008年11月28日 12:59

ねじめ正一「荒地の恋」(文芸春秋)読了。★★★★★
U氏のおすすめ。
荒地=「あれち」と読む。戦後詩の同人誌、グループ。
北村太郎、田村隆一、鮎川信夫など、
知った詩人が実名で登場する。
「こんなん許されるの?」
「みんな亡くなっているから、いいのかなあ」
そんな気持ちで読みすすめたが、面白かった。
もし実名でなかったら、どうなんだろう。

五木寛之「遊行の門」読了

投稿者fujimoto : 2008年11月25日 14:13

五木寛之「遊行の門」(徳間書店)読了。★★★
最近の五木さんの本は、
同じようなことばっかり書いてあるような気がするが、
この本の場合、遊行期だから、林住期より、
年齢が上がっている。
そこが違う。後半は、確かに。
書店に行くと、五木さんの本が、次々に出て、
各種並んでいる。
いま、数えてみたら、76歳。
この人、凄いね。

夏目漱石「吾輩は猫である」読了

投稿者fujimoto : 2008年11月18日 15:29

夏目漱石「吾輩は猫である」(新潮文庫)読了。★★★
読もうと思ったきっかけは、久世光彦「書林逍遥」。
久世さんの書棚には、つねに7~8冊「吾輩は猫である」の文庫本があったらしい。
旅先で、買い求め、繰り返し読んでいたとのこと。
向田邦子さんも、愛読書として「吾輩は猫である」をあげていたらしい。
正直ちょっとてこずった。なかなか読みすすめない。
これといったストーリーがなく、
猫の主人とその友人たちの雑談と、
猫の独白が続く。これがまた結構、長い。
久世さんによると、繰り返し読んでいると、
上手な落語を聞くように、味わい深くなるらしいが、
どうだろう。
ただ最後の、猫が死んでいくところは、
せつなさが、軽くて、深い。好きだ。


久世光彦「書林逍遥」読了

投稿者fujimoto : 2008年10月29日 16:34

久世光彦「書林逍遥」(講談社)読了。★★★★★
江戸川乱歩、岡本綺堂、太宰治、川端康成、幸田文、向田邦子…
久世さんがお気に入りの作家/作品24編を取りあげた書評。
この本、以前読んだことがあるが、再読し、またまた感心。
装丁もコンパクトで、文字組みも素敵。


車谷長吉「世界一周恐怖航海記」読了

投稿者fujimoto : 2008年10月28日 12:49

変な人、困った人、車谷長吉の
「世界一周恐怖航海記」(文芸春秋)読了。★★★★
この前読んだ「四国八十八ヶ所感情巡礼」が面白かったので、
図書館でさがして読んだ。
「四国」が63歳、「世界」は60歳の時の本。
本人は、世界一周の船旅などしたくなかったのだが、
嫁はんに家に置いてきぼりにされるのが怖くて
ついていったらしい。
「四国」より、通常の旅行記に近い。
といっても訪問地の紹介などは、ほとんどない。
さすがに、船中で野グソはできないと見えて、
チリかどこかで、一度だけ、ウンコする。
作者の名誉のためにいっておくと、ウンコは、
強迫神経症の薬のためらしい。
「赤目四十八瀧心中未遂」は、この人の小説。
映画は、評判は高かったがイマイチだった。
小説も、多分読まないだろう。

車谷 長吉 「四国八十八ヶ所感情巡礼」読了。

投稿者fujimoto : 2008年10月23日 15:15

車谷 長吉 「四国八十八ヶ所感情巡礼」(文芸春秋)読了。
この作者の本は読んだことがないが、タイトルだけで読むことに。
内容は、夫婦二人の巡礼旅日記。★★★★
ただし、奥さんが階段から落ちたり、捻挫したりして、
半分近くは一人旅。
徳島はゴミが多いとか、車で巡る人は極楽に行けないとか、
いちゃもんが多く、巡礼の旅にふさわしい格調はゼロ。
びっくりしたのは、この人、山道、田んぼなどで、
やたら野グソをすること。
変な人だし、困った人だね。
現役引退したら、
四国八十八ヶ所巡礼もいいかなと思っていたのだが、
なんとなくウンコくさいイメージがついてしまったじゃないか。
どうしてくれる。

佐高信/田中優子「拝啓 藤沢周平様」読了

投稿者fujimoto : 2008年10月16日 17:42

佐高信/田中優子「拝啓 藤沢周平様」(イーストプレス)読了。
藤沢作品をテーマにした対談。それぞれの講演もプラスされている。
作品の魅力について語られるが、故郷(ふるさと)論にもなっている。
二人の息はあっていて、読んでいて面白かった。。★★★★
ただし、「なるほど」と膝を打つような新しい発見はなかった。
藤沢周平さんについていえば、
こっちも、かなり”すれっからし”だもんね。

加藤 廣「信長の棺 」上下 読了

投稿者fujimoto : 2008年10月14日 17:39

加藤 廣「信長の棺 」上下 (文春文庫 )読了。★★★
ちょっと荒っぽいけど、物語としては、
上巻と下巻の2/3までは、とても面白かった。
残り少なくなったけど、うまく決着つけられるのか、
ちょっと不安。
と思っていたら、案の定、謎解き、エンディングで腰砕け。
小泉元首相が激賞していたらしいけど、
その存在と、共通するもの感じるよね。

「吉本隆明対談選」読了

投稿者fujimoto : 2008年10月 6日 17:38

「吉本隆明対談選」(講談社文芸文庫)読了。★★★
対談相手は、
江藤淳、鶴見俊輔、ミシェル・フーコー、佐藤泰正、
大西巨人、高橋源一郎、谷川俊太郎。
やっぱり難しい。なんのこっちゃわからんところだらけ。
40年前と同じ。
大西さん、谷川さんとの話は、
わかりやすく面白かった。

伊集院静「ねむりねこ」読了

投稿者fujimoto : 2008年10月 2日 10:03

伊集院静「ねむりねこ」(講談社文庫)読了。★★★
この人の本は初めて読む。
お気に入りの作家が、亡くなっていくので、
ちょっと期待していたのだが、
残念ながら、今回の作品では、
お気に入りリストに入れるほどではない。

山折哲雄対話集「いのちの旅」読了。

投稿者fujimoto : 2008年9月25日 14:07

山折哲雄対話集「いのちの旅」(現代書館)読了。★★★★
先に読んだ「いのりの旅」と同じシリーズ。
対話の相手は、
立花隆、吉本隆明、谷川健一、永六輔、山本七平、岩田慶ほか。
いやいや、なかなかに面白かった。
このシリーズには、もう一冊、「こころの旅」があるのだが、
残念ながら、豊中の図書館にはなかった。

鈴木おさむ「ブスの瞳に恋してる」読了

投稿者fujimoto : 2008年9月22日 17:28

鈴木おさむ「ブスの瞳に恋してる」(マガジンハウス文庫)読了。
人気放送作家とお笑いタレント大島美幸(森三中)の新婚生活記。★★★
下ネタ、うんこ話、満載。
ここまで書いていいのってエピソードが次々に。
どうも、この二人の間には、
共通のテーマ「お笑い」が、横たわっており、
日々の暮らし(日常)と「お笑い」が、ないまぜになっており、
読んでいて、違和感を覚えたり、ハラハラしたり、
少しウンザリしたりする。
彼らにとっての「お笑い」が、
仕事やビジネスを超えて、生き方になっているからだろうな。
まあ、私が心配することじゃないけど。

山折哲雄対話集「いのりの旅」読了

投稿者fujimoto : 2008年9月10日 14:14

山折哲雄対話集「いのりの旅」(現代書館)読了。★★★★
宗教学者 山折哲雄の対話集。
対話の相手は、
森敦、梅原猛、上山春平、加藤周一、大野晋、土居健郎、ほか。
ツッコミ鋭い土居健郎さんとの話が、印象に残る。
この対話集、3冊シリーズ。
残りも読んでみようかな。

北村薫・宮部みゆき編「名短編、ここにあり」読了

投稿者fujimoto : 2008年9月 4日 16:14

北村薫・宮部みゆき編「名短編、ここにあり」(ちくま文庫)読了。★★★
出勤時、読む本がなかったので、わが家の本棚から、ピックアップ。
家人とは、読書傾向が違うので、選ぶのに少し時間がかかった。
半村良、黒井千次、小松左京、城山三郎、吉村昭、
吉行淳之介、 山口瞳、多岐川恭、戸板康二、松本清張、
井上靖、 円地文子というラインアップ。
短編小説なんて、ほとんど読まないけど、
読むと、まあ面白い。
井上靖の「考える人」(木乃伊=ミイラの話)が一番面白かった。

関川夏央「中年シングル生活」読了

投稿者fujimoto : 2008年9月 2日 13:17

関川夏央「中年シングル生活」(講談社)読了。
関川さんの最新刊を借りようと思って
図書館に行ったら、貸し出し中。
たまたま本棚にあったこの本を借りる。
スイスイと読め、まあ面白かった。★★★
関川さんが独身だというのは、ちょっと意外。
関川さんは私と同年代、
この本の初版が10年ちょっと前だから、
50歳前の独身生活が描かれている。
いまならどんな内容になるのだろう。

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」読了

投稿者fujimoto : 2008年8月27日 17:01

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟1~5」(光文社文庫)読了。
やっと、終わった。
途中で投げ出すのではないかと、心配していたが、
思ったよりスムーズに読み終えることができた。
達成感あり。
十分に読みこなせたとは、とても思わないが
(大変重層的な小説なので)、面白かった。★★★★
短いエピローグと、長い解題(訳者による解説)からなる
第5巻を読み終えて、
いくつかの疑問点、不審点が一気に解決した。
たとえば、主人公アリョーシャの存在感の薄さや、
本筋とは関係なく延々と続く少年たちのエピソードなど。
実はこの小説は、「第一の小説」であり、
引き続き続編「第二の小説」が書かれる予定だったらしい。
「第二の小説」では、アリョーシャは、聖なる人ではなく、
革命家となり、皇帝暗殺者のグループを率いて
処刑台に送られる。(この説が有力とされている)
そう聞くと、ぜひ「第二の小説」を読んでみたくなるが、
それはもちろん叶わない。
次、もうすこしラクに読める本さがそう。

「カラマーゾフの兄弟」読み始める

投稿者fujimoto : 2008年7月17日 11:01

少し前、亀山 郁夫 /佐藤 優 「ロシア闇と魂の国家」 を読んだ。
この亀山郁夫さんが「カラマーゾフの兄弟」を訳しており、
文中でも、その話題が取り上げられており、
読んでみようと思っていた。
ということで読み始めたが、なにしろ全5巻もあるので、
いつ読み終わるかわからない。
その前に、最後まで読み終えることができるかどうかも
あやしいかぎり。
しばらく、このブログの「読了シリーズ」が書けないなあ。
困った。

丸谷才一「月とメロン」読了

投稿者fujimoto : 2008年7月 7日 13:11

丸谷才一「月とメロン」(文芸春秋)読了。
最近の丸谷さんのエッセイは、
高尚な内容が多くて、ついて行けないことが多い。
今回の「月とメロン」もやっぱりそうだ、
と思っていたら、後半の「出版社の社史」から、
がぜん面白くなってきた。
私の場合、ゴシップ的な要素が強くなると、
面白いと思うみたいだ。★★★

五木寛之, 香山リカ 「鬱の力 」読了

投稿者fujimoto : 2008年7月 3日 13:14

五木寛之, 香山リカ 「鬱の力 」(幻冬舎新書 )読了。
★★★★★
鬱といっても、治療の必要な人と、そうでない人と
2種にわかれる、
何でもかんでも、鬱病といって深刻になるのはどうか
といったところからこの本は始まる。
やがて話は、鬱の時代といった社会批評にひろがっていく。
五木さんに言わすと、これから50年は「鬱の時代」だそうだ。
鬱とどう付き合っていけばよいのか、
このあたりは、五木節、絶好調といった感じ。
もう一点、感心したのは、
精神科医香山リカといった人物に注目し、
光を与えたことだろう。
プロデューサー、編集者としての才覚にも感服。
五木寛之、しぶといなあ。

団鬼六「我、老いてなお快楽を求めん」読了。

団鬼六「我、老いてなお快楽を求めん」(講談社)読了。
官能小説作家として有名だが、
熱烈な将棋ファンという一面もある。
アマ6段で、
一時期、「将棋ジャーナル」という雑誌を発行していた。
私は、もっぱら、こちらの方面で知っており、
将棋雑誌に掲載される、まことにチャランポランなエッセイを
愛読している。
この本も、そうした雑文の中から、
将棋マニアにしかわからないものを省いて、集めている。
やっぱり、相変わらずいい加減なのだが、嘘がない、憎めない。
愛すべきキャラクターなのだ。
★★★


吉田戦車「吉田自転車」読了

投稿者fujimoto : 2008年6月26日 19:59

吉田戦車「吉田自転車」(講談社)読了。
人気漫画家による自転車日記エッセイ。
車種はMTB。
住まいは、調布あたり。(走って楽しそう)
地名で土地勘、距離感がわかれば、
もっと面白かっただろう。★★★
サイクリストとしてのレベルは、あまり高くない。
ある回を計算すると、時速12kmちょっと。(私とほぼ同じ)
走行途中、麺類をよく食べる。
基本的には、一人で走る(でも仲間もいる)。
ヘルメットをかぶっていない。
車種、部品など、マニアックな知識に関心がない。
何となく親近感がわいた。
でも、吉田さん、飲酒運転は、やっぱりイケマセンよ。

宮部みゆき「孤宿の人」上下 読了

投稿者fujimoto : 2008年6月24日 19:50

宮部みゆき「孤宿の人」上下(新人物往来社)読了。
宮部ファンである家人の「とりあえず、面白い」という
ススメで読みだした。
宮部さんの本は初めてだ。
時代ミステリー。
「とりあえず面白かった」★★★
藤沢周平ファンとしては、
いかにも荒っぽいところが気になるが、
まあ、キャラクターが違う。
ストーリーテラーとしての魅力を
愉しめばよいのだろう。
でも、他の作品をもう一冊とまではいかない。

猪瀬直樹「日本の信義」読了

投稿者fujimoto : 2008年6月16日 17:46

猪瀬直樹「日本の信義」(小学館)読了。★★★★
サブタイトルが、知の巨星十人と語る。
対談相手を見て購入。
会田雄次、江藤淳、高坂正堯、秦郁彦、
梅原猛、吉本隆明、山折哲雄、鶴見俊輔、
所 功、阿川弘之。
なるほど重量級。
なんか世代が違うんでないのと思ったら、
いずれも約20年前の対談。
猪瀬氏が新進気鋭のころ。
テーマは、戦争、天皇制、宗教など、
面白かった。

竹村健一×佐藤優「国家と人生」読了

投稿者fujimoto : 2008年6月10日 18:06

竹村健一×佐藤優「国家と人生」(太陽企画出版)読了。
またまた佐藤優である。
二人の組み合わせに違和感があったが、
深夜のラジオ放送が接点だったらしい。
対談なので、比較的、楽に読める。★★★★
あとがきに、「これまであまり知られていなかった
佐藤氏の人間的な側面が浮き彫りになったのではないか」
とあるが、その通りだ。

亀山郁夫/佐藤優「闇と魂の国家」読了

投稿者fujimoto : 2008年6月 5日 18:31

亀山郁夫/佐藤優「闇と魂の国家」(文春新書)読了。
またしても佐藤優。
相手は、『カラマーゾフの兄弟』を、最近、新訳し話題となった
東京外語大学長の亀山郁夫。
ドストエフスキーからスターリン、プーチンにいたるまで、
ロシアをロシアたらしめる「独裁」「大地」「魂」の謎を、徹底議論。
ロシアの専門家と文学について、神学についてなど、
対等に丁々発止とやりとりできる佐藤優、この人、凄いね。
けっこう難しい内容だったのに、とても面白く読めた。★★★★★
こうなりゃ、亀山郁夫訳の『カラマーゾフの兄弟』に挑戦するしかないな。
それから、ちょっとつけ加えると、
最近、わが家では、ウオトカをロックで、レモン汁を入れて飲んでいる。
(佐藤優/ロシアブームはここまで)
スミノフというブランドだが、
いま調べたらアメリカのウオッカだって。
ありゃりゃ。


水上勉「土を喰ふ日々」読了。

投稿者fujimoto : 2008年6月 2日 17:35

水上勉「土を喰ふ日々~わが精進12ヶ月」(文化出版局)読了。
著者は、少年時代に禅寺で、小僧として修業し、
その折、精進料理についても学んだ。
軽井沢で一人暮らしする現在(といっても30年以上前だが)、
習い覚えた精進料理をつくり、食べ、客に供している。
実は、そのすべてに、道元の教えが生きている。
たとえば、大根を煮て食う、
大根を育てているのは土である、
大根は土である、
それを食う自分は大根であり、土である。
素晴らしいことだ。ありがたいことだ。
「土を喰ふ」というタイトルの意味は、こんなところだろうか。
紹介されているシンプルな料理が、
実に美味しそうなのに感心しながら読んだ。
もちろん滋味深い文章にも。★★★★
そうだ、今度、清荒神の「さん志ょう屋」で、
山椒の実を買ってこよう。

岩田慶治「道元との対話」読了

投稿者fujimoto : 2008年5月29日 17:40

岩田慶治「道元との対話 ~人類学の立場から」(講談社学術文庫)読了。
Mさんにいただいた本。
正直、レベル高すぎ。
どれだけ理解できたか自信ない。★★★
「鳥が飛ぶのは空が飛ぶのだ」
鳥が飛ぶのは、空とともに飛んでいるのだ、
空が動くのだ、鳥と空が一体になって飛んでいるのだ・・・
ねっ、道元さんの言葉って、
直感力というかイマジネーションの力がないと、
ちょっとついて行けません。
第一、知識として「正法眼蔵」を学ぼうなんて姿勢は、
はなっから否定されているわけで、
(この著者の言いたいポイントはこのことのようだ)
いやはや、これは大変です。
まあ、ぼちぼち行こう。

白洲正子「縁あって」読了

投稿者fujimoto : 2008年5月26日 17:46

白洲正子「縁あって」(青土社)読了。
雑誌等に掲載された、比較的短い文章を
集めたエッセイ集。
気軽な気分で、
興味のある内容だけを選んで読んだ。★★★
文中で紹介されていた
水上勉「土を喰う日々」を図書館で借りる。

佐藤優「自壊する帝国」読了

投稿者fujimoto : 2008年5月20日 12:49

佐藤優「自壊する帝国」(新潮社)読了。
在ソ連日本大使館の外交官として、
ソ連崩壊の一部始終を内側から見つめ続けたノンフィクション。
時代の流れの中で、人はどう生きていくのか、に焦点を当てて描いている。
人名、地名など、ややこしくて、少々てこずったところもあるが、
一気に面白く読んだ。勢いをかって★★★★★
著者は、思想というより、
・約束は守る・友情は裏切らない・信念は曲げない
といった生き方を最大価値においている。
食事のシーンが数多く出てくる。
ウオトカを二人で5本飲んだ、といった箇所が頻出する。
銘柄もいろいろ。
ウオトカを、飲んでみたくなった。

佐藤優「国家の罠」読了。

投稿者fujimoto : 2008年5月14日 18:20

佐藤優「国家の罠 ~外務省のラスプーチンと呼ばれて~」(新潮文庫)読了。
普段は、通勤時、移動時、昼食時だけが、
私の読書時間なのだが、
(わが家では、将棋の本、自転車の雑誌以外は読まない)
この2日、夜、食卓でも、読み続けた。★★★★★
みっちり読んだ、という感じ。
西村検察官との闘い、駆け引き。
やがて敵同士が、お互いをプロフェッショナルとして認めていく。
まるで、よくできた映画だ。
しかし、佐藤優って人の緻密さ、
精神的なタフさには感服するばかり。
キリスト教徒であるってことも関係あるのだろう。
こうなったら、もう一冊くらい、読んでみるか。

鈴木宗男・佐藤優「北方領土 特命交渉」読了

投稿者fujimoto : 2008年5月 9日 18:32

鈴木宗男・佐藤優「北方領土 特命交渉」(講談社+α文庫)読了。
衆議院議員(「新党大地」代表)と
起訴休職中外務事務官が、対談形式で暴露する
北方領土返還交渉の内幕。
二人の話が真実かどうかはわからないが、
実名が次々に飛び出す、臨場感あふれる内容については、
抜群に面白かった。★★★★
チェチェンのことなど、興味深い話も随所に。
佐藤優氏の本が数多く書店に並ぶのも道理だ。
順番が逆かもしれないが、「国家の罠」も読んでみよう。

中野東禅/編「正法眼蔵随聞記」読了

投稿者fujimoto : 2008年5月 1日 13:04

中野東禅/編「正法眼蔵随聞記」(四季社)読了。★★★
道元の弟子、懐奘(えじょう)は、道元が折にふれ弟子たちに説き聞かせた言葉を
克明に筆録していた。それが『正法眼蔵随聞記』。
読了といっても、現代語訳をサラサラ目を通しただけだ。
内容は、きわめて平易。
おおむね、修行者に向けた言葉が基本なので、
それはそれで、わかりやすいのだが、
修行者でない私たちはどうすればよいのか、
どうなのだろう。
もう少し、道元さんの周りをうろうろしてみよう。

吉行淳之介「やわらかい話2」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月25日 18:47

「やわらかい話」を読み終えるやいなや、
AS SOON AS
「やわらかい話2」を読む。
対談相手は、
金子光晴/柳家三亀松/東郷青児/大宅壮一/
岩田専太郎/藤原義江/秋山安三郎/渡辺淳一/
開高健/池澤夏樹/山口洋子/池内淳子/林家木久蔵/
アダチ龍光/杉浦幸雄/丸谷才一
もちろん面白かったけれど、
ラインナップは1の方が好き。
トップが金子光晴、トリが丸谷才一、真中に開高健、
と、ツボをおさえているが・・・
というわけで、★★★★。

吉行淳之介「やわらかい話」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月23日 18:18

吉行淳之介対談集「やわらかい話」(講談社文芸文庫)読了。
吉行さんの対談、久しぶりだ。
ここに収められているほとんどは、1~2度読んでいるはずだが、
(内容は覚えてなかったけど)いやあ、面白かった。★★★★★
まあ、名人の落語を聴くみたいなもんです。
タイトルの「やわらかい」は、もちろん「下半身」のこと。
対談相手をあげると、
金子光晴/和田誠/淀川長治/加山又造/山口瞳/
寺山修司/開高健/田村隆一/桃井かおり/大村彦次郎/
徳島高義/丸谷才一
どうですこのラインアップ。
しかし、この本を編集する人は、
オールスターの打順を考える監督みたいな気分で、
さぞ、楽しいだろうな。
巻末の和田誠×丸谷才一の対談も秀逸。
いや、堪能いたしました。

横尾忠則対話集「今、生きる秘訣」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月18日 18:10

横尾忠則対話集「今、生きる秘訣」(光文社文庫)読了。★★★
新刊は1980年出版だから、30年近く前。
対談相手は、岡本太郎、今西錦司、島尾敏雄、
加藤唐九郎、手塚治虫ほか。みんな亡くなっている。 
テーマは、瞑想=メディテーション。
このテーマだと、30年って、たいした数字じゃない。
横尾さんが、話の聞き手としてすぐれてるのには、
ちょっとびっくり。意外だった。

立松和平「道元という生き方」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月14日 19:09

立松和平「道元という生き方」(春秋社)読了。
道元入門書として読む。
立松さんは、道元をテーマにした小説や、
歌舞伎の脚本も書いている。
道元の教えに自分の人生の指針を
重ね合わせているのだという。
ぼんやりだが、
道元という人の輪郭くらいは、
わかったような気がする。★★★
今度は、「正法眼蔵」は大変そうなので、
「正法眼蔵随聞記」を読んでみますか。

高橋たか子「ライサという名の妻」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月 9日 12:10

高橋たか子「ライサという名の妻」(女子パウロ会)読了。★★★
本の紹介に
「戦乱と迫害を避けつつ、亡命から亡命への生の中で、
互いの尊敬と熱愛のうちに、神との合一を求めて純潔を誓い合った一組の男女!
哲学者ジャック・マリタンとその妻ライサの伝記。」とある。
もし高橋たか子さんの本でなかったら、
最後まで読まなかっただろうな。
ジャック・マリタンのことをもっと知っていれば別だけど、
二人の人間的な部分が、俗人の私には、
ほとんど読みとれないんだもん。
ただ、遠藤周作→高橋たか子→ジュリアン・グリーン
(この人は、高橋さんの本によく登場する)
→ジャック・マリタン、ライサと、つながり、
この本が書かれたことは、面白い。


村上春樹「雨天炎天」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月 3日 17:49

村上春樹「雨天炎天~ギリシャ・トルコ辺境紀行」(新潮文庫)読了。
またまた村上春樹だ。今回は、滞在記ではなく、旅行記。★★★★
ギリシャの修道院めぐりと、トルコのちょっと危ない地域紀行。
個人的には、ギリシャ編が興味深かった。
どちらにしても、アメリカの話より、ずっと面白いけど、
わざわざ、こんなところを選ぶなんて、
村上さんも、かなり変わった人だね。

五木寛之/鎌田東二「霊の発見」読了

投稿者fujimoto : 2008年4月 1日 17:45

五木寛之/鎌田東二「霊の発見」(平凡社)読了。
「気の発見」「神の発見」に続く、発見シリーズ第3弾。
といっても少し前の本。前2作も読んでいる。
ダイレクトに「霊」というと、ちょっと首をかしげてしまう。
スピリチュアルといったほうが、フィットする。
微妙なテーマについて、まるで、綱渡りするように、
私の興味のありようをはずれずに、話はすすんでいく。
五木さんのハンドリングがすぐれているのかなあ。
神道についてなど、興味深かった。★★★

村上春樹「うずまき猫のみつけかた」読了

投稿者fujimoto : 2008年3月27日 12:35

村上春樹「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)読了。
アメリカのケンブリッジ(ボストンの隣)に住んだ
1993~95年の滞在記。
先に読んだ「やがて哀しき外国語」の続編。
ホイホイと読んでしまった。★★★
内容も文体も、ちょっとお気軽な感じ。
(個人的には、端正な村上春樹のほうが好き)
こうしてみると、村上さんは、このころ、
ほとんど外国で暮らしていたんだなあ。

村上春樹「やがて哀しき外国語」読了

投稿者fujimoto : 2008年3月25日 18:22

村上春樹「やがて哀しき外国語」(講談社文庫)読了。
著者は、1991年から約2年半、
アメリカのニュージャージー州プリンストンに住んでいた。
その間のことを書いた滞在記。
この前読んだ、「遠い太鼓」のすぐ後にあたる。
プリンストンは、知的で、アカデミックな街らしく、
その分、内省的な内容が多かった。
「遠い太鼓」でのイタリアやギリシャの、
人間臭い、とんでもないおっさんが登場するわけではないが、
やはり面白かった。★★★★
読了して(京阪の特急で読み終えた)、
すぐに、天満橋のジュンク堂に寄り、
この続編ともいえる「うずまき猫のみつけかた」を購入。
どうやら、ハルキ中毒にかかったらしい。

村上春樹「遠い太鼓」読了

投稿者fujimoto : 2008年3月17日 18:57

村上春樹「遠い太鼓」(講談社文庫)読了。
1986年秋から1989年秋までの3年間を
著者は、ヨーロッパ(主にギリシャ、イタリア)で過ごす。
その3年間の滞在記・旅行記。
結構分厚い文庫だけど、短期間に読んだ。
面白かった。★★★★
この3年間に「ノルウエーの森」「ダンス ダンス ダンス」を
書いている。

山口正介「山口瞳の行きつけの店」読了

山口正介「山口瞳の行きつけの店」(講談社文庫)読了。
帯に、『山口瞳の名著「行きつけの店を頼りに、
父が愛した店を再訪して、ひとり息子がたどる
作家・山口瞳の生き方。』とある。★★★
知らないエピソードなどもあり、
それなりに面白く読んだのに、
この作者の場合、父への畏敬の念が強すぎて、
山口瞳ファンとしては、どうしても、
その部分に、濃密すぎる「暑苦しさ」を感じてしまう。
私だけかな。

M・デュラス「破壊しに、と彼女は言う」読了

投稿者fujimoto : 2008年3月 6日 17:40

マルグリット・デュラス「破壊しに、と彼女は言う」[河出文庫)読了。
モノレール文庫をのぞくと、この本があった。
「おおっ、懐かしい」。
40年前に読んだ本だ。
タイトルがいいよね。
内容は覚えていないが、
四条河原町の京都書院で新刊書を買った、
その手触りと、長椅子に寝そべる女性のイメージは、残っている。
読んでみたが、不思議な作品だ。
戯曲のような、映画のシナリオのような。
(デュラスが監督し、映画化されてるらしい)
ストーリーらしきものはない。
4人の狂人による、静かな静かな会話(会話でもないか)。
読後の感じは、40年前も同じだったような気がする。
なんだかよくわからんが、この世界、嫌いではない。★★★★

村上春樹「辺境・近境」読了

投稿者fujimoto : 2008年3月 3日 18:48

村上春樹「辺境・近境」(新潮文庫)読了。
旅行記。
行先は、イースト・ハンプトン、瀬戸内海の無人島、
メキシコ、讃岐、ノモンハンなど。
小説はほとんど読んでいるが、
この手のものは初めて(かな?)。
少しゆるーい感じが、通勤読書には最適。★★★★
しかし、ハルキさんの文章は、いいね。

中島らも「空のオルゴール」読了

投稿者fujimoto : 2008年2月26日 18:43

中島らも「空のオルゴール」(新潮文庫)読了。★★★
モノレール文庫の本。
この作者の小説は、はじめて読む。
最後まで読むかな、と思っていたが、読了。
文章は、ちと荒っぽい。
登場人物など、全体にファミコンゲームみたいだった。

五木寛之「林住期」読了

投稿者fujimoto : 2008年2月21日 18:51

五木寛之「林住期」(幻冬舎)読了。★★★
古代インドでは、人生を4つの時期に分けて考えた。
「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」。
五木さんは「林住期」を50歳から75歳とし、
この時期をどう生きるかについて書いている。
一言でいえば、「稼ぐために生きるのはやめよう」ということ。
こちとら、真っただ中だけれど…たはは。

阿川弘之「大人の見識」読了

投稿者fujimoto : 2008年2月19日 19:19

阿川弘之「大人の見識」(新潮新書)読了。★★★
「軽躁」(落ち着きがなく、軽々しく騒ぐこと)なる
日本人への警告・提言の書。
読みすすめているうちに、どうも「大人の見識」というタイトルと
なんかずれてるなあと思っていたら、
文中で、著者も懸念している通り、
英国と海軍と昭和天皇の話がほとんどなのだ。
大好きなのだから仕方ないか。
紹介されているエピソードは、結構面白かったし、
著者が伝えたいことは、伝わったような気もする。

栗田勇「道元 いまを生きる極意」読了

投稿者fujimoto : 2008年2月12日 18:47

栗田勇「道元 いまを生きる極意」(日本経済新聞社)読了。★★★
良寛~早朝座禅~道元、
なるほど、ちょっと永平寺を訪ねたら、これだ。
しかし、道元さんは、どうも難しいね。
「南無阿弥陀仏」と唱えさえすればいい、という
浄土真宗とは違う。
宗教というより、
思想的、学問的、哲学的な匂いが強いように思う。
途中、難しいところは、例のように飛ばし読み。
またの機会に、勉強してみよう。

山折哲雄「早朝座禅」読了

投稿者fujimoto : 2008年2月 7日 17:42

山折哲雄「早朝座禅~凛とした生活のすすめ」(祥伝社新書)読了。★★★
「なぜ日本人は病んでしまったのか」から「早朝座禅のすすめ」へ。
さすが宗教学の第一人者、たんなるハウツー本ではない。
現代人の生き方のモデルとして、西行、芭蕉、良寛をあげている。
なるほど、なるほど。
前半は、わかりやすく、すっと胸に入る文章に、感心していたが、
後半になって、ダレてしまった。なぜだろう。

吉本隆明「良寛」読了

投稿者fujimoto : 2008年2月 4日 18:03

吉本隆明「良寛」(春秋社)読了。★★★
良寛は曹洞宗の寺で修行した僧侶だが、
世俗的な僧侶のポジションを捨て、
思想家、文学者として生きた人。
道元の示唆する「阿羅漢」の道を選び、
ひたすら無執着で自然の風物を眺め、
自分のこころと同じものとして受容する生活に徹した人。
水上勉さんとの対談や、
瀬戸内寂聴さんの作品「手毬」についての批評は面白かったが、
詩歌や書の分析などは、結構難しいので、かなり飛ばし読み。

関川夏央「現代短歌 そのこころみ」読了

投稿者fujimoto : 2008年1月29日 18:35

関川夏央「現代短歌 そのこころみ」(集英社文庫)読了。★★★★
1953年、斉藤茂吉と釈迢空という短歌界の2つの巨星が堕ちた。
それ以後約30年の、日本短歌界の動きを追っている。
登場する歌人のほとんどを知らなかったが、とても面白く読めた。
著者の力もあるだろうが、
短歌という文芸ジャンルと歌人という存在の魅力もあるのだろう。
中城ふみ子、斉藤史についての章は、とくに面白かった。

梅原猛「親鸞のこころ」読了

投稿者fujimoto : 2008年1月18日 12:23

梅原猛「親鸞のこころ」(小学館文庫)読了。★★★★
親鸞の他に、泰澄、良源、覚鑁といった仏教者、
さらに、能の世阿弥についても述べられており、
難しいかと思ったが、意外にすんなり読めた。
ポイントは、「歎異抄」の「悪人正機説」ではなく、
「教行信証」の「二種廻向」の教えが重要であること。
人は死ぬと浄土に往き、やがてまたこの世に生まれ変わってくる。
この生死の繰り返しによって、われわれは永遠の命を生きているという考え方。
法然と親鸞の違いも分かりやすかった。

幸田文「崩れ」読了

投稿者fujimoto : 2008年1月16日 12:33

幸田文「崩れ」(講談社文庫)読了。★★★
不思議なタイトルにひかれて購入したが、
内容も不思議なものだった。
崩壊した山の斜面に、強く興味をそそられ、
その風景を見るために、72歳の体に鞭打って、
全国各地を訪ね歩く。
およそ幸田文さんのイメージとはかけ離れている。
自然の崩壊に己の老いを重ねて・・・
とカバーにある。
うーむ。

姜 尚中/宮台 真司 「挑発する知」読了

投稿者fujimoto : 2008年1月 9日 18:40

姜 尚中/宮台 真司 「挑発する知」(ちくま文庫)読了。★★★
副題が、愛国とナショナリズムを問う。
9・11のこと、イラク戦争のこと、右翼と左翼のこと、
ネオコンのこと、メディアと正義のこと、などなど。
二人とも学者なので、結構難しくて、
なんのこっちゃ、わからんところも。
さてさて、世の中、何が正しくて、何が間違っているのか。

梅田望夫「ウェブ時代をゆく」読了。

投稿者fujimoto : 2007年12月25日 18:47

梅田望夫「ウェブ時代をゆく」(ちくま新書)読了。★★★
脳に刺激を与えるために読む。
まあ、仕事だもんね。
ベストセラーになった「ウェブ進化論」の続編。
今回は、生き方論になっている。
若い人に向けて、
ウェブ時代をどう生きていけばいいのかを
メッセージしている。
わかるけど、かなりレベル高いような気もする。
中で紹介されている、将棋の羽生善治さんの
「情報社会における高速道路~渋滞」の概念は、
梅田さんやネット関係者に大きな影響を与えているようだ。
全然関係ないけど、一将棋ファンとして、ちょっとうれしい。

水上勉「泥の花」読了

投稿者fujimoto : 2007年12月19日 18:32

水上勉「泥の花」(河出文庫)読了。★★★★
不思議な文章。
(特に前半、自らの幼年、少年期について語る部分)
読んでいるとき、底のほうに
音楽(メロディではない、節のような)を感じた。
つぶやきのような、読経のような・・・
と思ったら、あとがきに、口述筆記とある。
関係があるんだろうな。

藤沢周平「ふるさとへ廻る六部は」読了

投稿者fujimoto : 2007年12月17日 12:46

藤沢周平「ふるさとへ廻る六部は」(新潮文庫)読了。
エッセイ集。
藤沢さんは、やっぱり、エッセイより、小説だ。
たぶん、真面目すぎるんでないの。★★★
藤沢さんの作品は、ほとんど読んでおり、
これで、あと一冊を残すのみになった。

山折哲雄「親鸞をよむ」読了

投稿者fujimoto : 2007年11月27日 18:29

山折哲雄「親鸞をよむ」(岩波新書)読了。★★★★
親鸞を頭で読むのではなく、からだでよむ、
それが本書のねらい。
・「歎異抄」ではなく、「教行信証」を重視する。
・親鸞の妻、恵信尼を通して親鸞の存在に近づく。
とくに、この2点が、他の親鸞について書かれた
多くの書と違う。
アプローチの仕方が新鮮で、
親鸞の知らない面も知ることができ、面白かった。

上田素久「チュニジア浪漫」

投稿者fujimoto : 2007年11月26日 12:43

11月23日(祝)
仕事で、明石に行く。
午前中で切りをつけ、
同行のKくんと、芦屋画廊で開催されている
上田素久(アドミレーションセンターの創業者)の
個展「チュニジア浪漫」を観にいく。
相変わらず、精力的な創作活動を行っている。
えらいなあ。
初日ということもあり、顔見知りの人たちが次々に訪れるてくる。
この個展は、12月12日(水)まで開催されている。
芦屋画廊は、JR芦屋駅からすぐなので、寄ってください。
その後、十三将棋倶楽部に寄る。
二勝四敗。だめだ。

谷沢永一「冠婚葬祭心得」読了

投稿者fujimoto : 2007年11月15日 12:55

谷沢永一「冠婚葬祭心得」(新潮文庫)読了。★★★
人生の達人による、面白くて、ためになる書。
やはり、葬儀の章が、秀逸。
まえがきに、「作法という形式に含まれている、
人間の気持ち、に焦点を当ててみました」とある。
単なるハウツー書ではない。

「齢八十、いま尚勉強」読了

投稿者fujimoto : 2007年11月 8日 11:35

近藤啓太郎/安岡章太郎「齢八十、いま尚勉強」(光文社)読了。
老作家2人の対談。★★★★
2人は、50年来の友人。
もちろん昔話が多いが、絵画論、映画論なども。
2人とも、外国映画の監督や俳優の名前がスラスラ出てくる。
グダグダしゃべっているようで、
それが上質のエンタテイメントとして成立しているから
たいしたものだ。
ケータイやインターネットの話は、思わず吹き出ししてしまった。
敬愛しあっている友人関係って、
見ているだけで、気持ちいいな。

教会へ行く

投稿者fujimoto : 2007年10月25日 16:32

少し前、NHKの「SONGS」という番組で、
2週連続で、高橋真梨子をとりあげていた。
その中で、それまで知らなかった「教会へ行く」という歌
(五番街のマリーへのB面)が、
いっぺんに気に入ってしまった。
死んだ恋人に祈りをささげる歌なのに、
メロディは、明るく軽快。
録画したその歌を、繰り返し聴いて、
家族から笑われている。
(作曲/戸倉俊一 歌詞/阿久悠)

村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」読了

村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋)読了。
面白くて、一気に読んだ。★★★★
ずいぶん変なタイトルだなあと思っていたら、
レイモンド・カーヴァーの短編のタイトルを原型にしたらしい。
村上さんは、作家になってから、約25年走り続けている。
フルマラソン、100kmのウルトラマラソン、それにトライアスロンも。
レース前の調整も本格的。計算し、すごく意識的に走っている。
フルマラソンで4時間前後の記録だから、かなりハイレベル。
こちとら、自転車に乗り出して、2年半。
無意識的に、週末、チンタラ走っているだけだ。
ちょっと村上さんを見習おうかな。
せめて、上り坂を極端に回避することくらいは、
クリアしてみよう。

江藤淳「渚ホテルの朝食」読了

投稿者fujimoto : 2007年10月19日 09:46

江藤淳「渚ホテルの朝食」(文藝春秋)読了。★★★
比較的最近のエッセイ集。(といっても10年以上前?)
この本には、私の知る江藤淳がしっかり存在していた。
それでも、江藤さんが、プロ野球を愛していて、
それも中日ドラゴンズのファンであったことは、
意外な(自他共に認める江戸っ子なのに)取り合わせで、
「やっぱりこの人、変な人」と思わず微笑んでしまった。

吉本隆明「今に生きる親鸞」読了

投稿者fujimoto : 2007年10月16日 17:44

吉本隆明「今に生きる親鸞」(講談社+α新書)読了。★★★★
私の場合、親鸞についての理解は、
吉本さんの著作がベースになっている。
親鸞の考えが、胸にスーと入ってくるように思う。
この本は、再確認という感じで読んだ。
親鸞入門書として、すぐれた本だ。
たまたまだが、糸井重里のほぼ日刊イトイ新聞で、
いま、吉本隆明×糸井重里「親鸞」が連載されている。

加賀乙彦対談集「日本人と宗教」読了

投稿者fujimoto : 2007年10月 2日 18:43

加賀乙彦対談集 「日本人と宗教」(潮出版社)読了。★★★
読了といってもすべての対談を読んだわけではない。
対談相手は、文学者、医者、心理学者などが多く、
いわゆる宗教家はいない。
つまりダイレクトに宗教について語っている対談は、ほとんどない。
その点で、私には、少し、物足りない。

「佐藤可士和の超整理術」読了

投稿者fujimoto : 2007年9月28日 17:46

「佐藤可士和の超整理術」(日本経済新聞出版社)読了。★★★★
いま注目のアートディレクターが、
自分自身の仕事のすすめ方を
やさしく、わかりやすく説明している。
極生、ユニクロ、明治学院大学など、
具体的な例も面白かった。
「アートディレクションという仕事は、
決して虚飾のイメージを作り上げるわけではなく、
対象の本質からアイディアを導き出している・・・」
「問題解決のための手がかりは必ず、対象の中にあります。
すぐれた視点で対象を整理すれば、
解決に向けての方向が明確になる。
答えは目の前にあるのです。」
あたりまえのようだけど、ほんとにそうだよね。

江藤淳「夜の紅茶」読了

投稿者fujimoto : 2007年9月18日 17:19

江藤淳「夜の紅茶」(牧羊社)読了。★★★
この間読んだ「文学と私・戦後と私」と、
一部重なっていたが、
全体の調子は、随分違って感じた。
成熟した、落ち着いた、
私のイメージする江藤淳さんが、この本にはいた。
ただ、その底流に、
あのテンションの高い江藤淳さんがいると思うと、
興味深い。

「吉本隆明 自著を語る」読了

投稿者fujimoto : 2007年9月 6日 18:30

「吉本隆明 自著を語る」(ロッキング・オン)読了。
懐かしい書名がずらり。
インタビュー形式なので、読みやすかった。★★★★
インタビュアーの渋谷 陽一という人は、
音楽評論家であり、出版社「ロッキング・オン」の代表取締役社長
であるらしい。
吉本さんとの距離感が、私と近い感じがした。
江藤淳の後が吉本隆明。わっ、1970年だ。
懐古的になっているわけではない。
確認したい、そんな気分が強くなっているのだと思う。

江藤淳「文学と私・戦後と私」読了。

投稿者fujimoto : 2007年9月 5日 18:02

江藤淳「文学と私・戦後と私」(新潮文庫)読了。★★★★
面白くて、一気に読んだ。
知的。辛口。冷静沈着、といった私の江藤淳さんに対する
イメージがこの本を読んで、変わった。
熱く、思い入れが強く、かなりへんてこな人。
そのうち、他の随筆も読んでみよう。

桐島洋子「残り時間には福がある」読了

投稿者fujimoto : 2007年8月21日 12:53

桐島洋子「残り時間には福がある」(海竜社)読了。★★★
林住期を宣言し、しばらくおとなしくしていた桐島さんだが、
まもなく再始動するとのこと。
しかし、これで林住期?
パワーとエネルギーに満ち溢れた林住期だなあ。

大塚初重/五木寛之「弱き者の生き方」読了

投稿者fujimoto : 2007年8月13日 17:35

大塚初重/五木寛之「弱き者の生き方」(毎日新聞社)読了。★★★★
日本考古学界の第一人者である大塚さんと五木さんの対談。
大塚さんは戦争中の、五木さんは引揚げ時の
それぞれの過酷な状況をくぐり、生き抜いてきた。
それでいて、軽やかで、やわらかで、優しい。
五木さんが踏み込んで話して見える。
2人の原点が近しいのと、
大塚さんの人柄のせいだろう。

安岡章太郎「私の墨東綺譚」読了

投稿者fujimoto : 2007年8月 7日 18:00

安岡章太郎「私の墨東綺譚」(新潮文庫)読了。★★★★
面白く読めたが、
なぜ、書店でこの本を選んだのだろう。
文字が大きくて、ボリュームもそんなにないからなんだけど・・・。
安岡さんの本を読むのもずいぶん久しぶり。
カバーに、
「永井荷風の「墨東綺譚」が書かれた戦前の昭和に
自らの若き日を投影しながら、
円熟の作家が名作の背景を辿る」とある。

「山口瞳血涙十番勝負」再読

投稿者fujimoto : 2007年7月30日 19:24

「山口瞳血涙十番勝負」(講談社)再読。
山口瞳さんが、プロ棋士にチャレンジした(飛車落ち)自戦記。
飛車落ちの棋譜を見たくて読み出したら、
エッセイの部分も面白くて最後まで読んでしまった。
山口さんの本は100%読んでいるので、
すべて再読になるのだが、この本は、多分4~5読くらい。
実は、亡くなってから、山口さんの本を
読もうとしなかった(なぜだか自分でも不思議)のだが、
今回読んで、変わらず面白かったので、実はホッとした。

常盤新平「山の上ホテル物語」読了

投稿者fujimoto : 2007年7月18日 16:45

常盤新平「山の上ホテル物語」(白水Uブックス)読了。
「山の上ホテル」といえば、
多くの作家たちが愛したホテルとして有名。
山口瞳や池波正太郎といった人たちの
エッセイにもよく登場していた。
内容は、亡くなった創業社長吉田俊男氏と
彼を愛してやまなかった、従業員たちとの物語。★★★★
文芸誌に掲載されたユニークな広告のコピーも
吉田氏が書いていたらしい。
いまはだれが書いているんだろう。
泊まらなくていいから(山口瞳じゃあるまいし)、
ホテルの天丼食べたい。

加藤公一レオ「売れるインターネット広告」読了

投稿者fujimoto : 2007年7月 4日 11:48

加藤公一レオ「単品通販 売れるインターネット広告」(日本文芸社)読了。
著者は、広告代理店アサツー ディ・ケイの
ダイレクトレスポンスマーケティングのプロデューサー。
実務のなかから得られた知識・ノウハウが書かれており、
参考になった。★★★★
広告代理店も、
Webをビジネスの核としてとらえている。

保坂和志「羽生」読了

投稿者fujimoto : 2007年6月28日 18:56

保坂和志「羽生」(光文社知恵の森文庫)読了。★★★★
羽生とは、将棋の棋士/羽生義治のこと。
著者は、芥川賞作家で、将棋の関係者ではない。
ブックカバーに、こう書かれている。
〔本書は、「将棋の本」ではない。
羽生義治のインタビュー、自戦記を丁寧に読み解き、
彼の思考の「核」に迫っていく。
羽生の将棋観のキーワードである、「最善手」を軸にして
思考プロセスを辿り、将棋がわからない読者でも
「人が考える」という行為の本質的な面白さに到る。〕
面白かった。
谷川浩司と羽生義治の思考のベクトルの方向が逆、
対局中、相手が悪手を指すと羽生はいやな顔をする、
羽生の自戦記の独自性など、
「なるほどなあ」と感心。
10年前に書かれた本らしいが、
いま書かれたら、コンピュータ将棋との関係の記述が
もっと増えるだろう。

桐島洋子「美食の貝合わせ」読了

投稿者fujimoto : 2007年6月20日 15:20

桐島洋子「美食の貝合わせ」(角川文庫)読了。
モノレール文庫から借りて読んだ。
桐島さんとご主人が、
世界中ひたすらグルメを追い求めるエッセイ。
単行本は、昭和59年刊行とあるから、
20年以上前。
何しろ2人ともまだ若いし、時代も右肩上がり。
全編、心もからだもエネルギーに満ち溢れており、
いまとなっては、いっそ、気持ちがいい。★★★★

秋山祐徳太子「ブリキ男」読了

投稿者fujimoto : 2007年5月20日 18:10

秋山祐徳太子『ブリキ男』(晶文社)読了。★★★
異端の前衛ブリキアーティストの自叙伝。
週刊ブックレビューで「ハチャメチャだけど、
思わず笑ってしまう」と紹介されていた。
40年ほど前には、こんな人、
周囲にチラホラいたような気がする。
なんといっても、この人の母上が凄い。


青野照市「第一線棋士!」読了

投稿者fujimoto : 2007年5月16日 18:05

青野照市「第一線棋士!」(清流出版)読了。
副題がB級に落ちても輝け中年の星。
ベテラン将棋棋士、青野九段のエッセイ集。★★★
50代で、羽生世代など若手強豪棋士に混じって
最高クラスA級を数年間保持し、中年の星となった。
将棋の他に、クラシック、オペラなどの話題もあり、
誠実な人柄を感じさせる文章であった。
A級棋士で女流棋士にはじめて負けたのもこの人、
青野さんらしいなあ。

浅枝大志「セカンドライフ」読了

投稿者fujimoto : 2007年5月14日 17:53

T氏から借りた浅枝大志「セカンドライフ」(アスキー新書)読了。
いま結構話題になっているウェブ仮想社会「セカンドライフ」
について書かれた書。
ゲームのように完全にバーチャル世界ではなく、
リアルな社会とつながっているところが新しいのだろう。
一度アクセスしてみたが、英語の障壁があり、
入り込めなかった。
いずれにしても、「セカンドライフ」を前に、
心踊るということはない。

江副浩正「リクルートのDNA」読了

投稿者fujimoto : 2007年4月 6日 17:51

江副浩正「リクルートのDNA」(角川oneテーマ21)読了。
創業期、人との出会い、事業の失敗など、
とても興味深く読めた。★★★★
リクルート事件については、触れられていない。
あれから約20年。
当時、1兆8000億円の借入金があったが、
後に続く社員が危機を乗り越え、
現在は、負債ゼロの超優良企業だ。

榊原英資「為替がわかれば世界がわかる」読了

投稿者fujimoto : 2007年4月 1日 16:05

榊原英資「為替がわかれば世界がわかる」(文春文庫)読了。
著者は、「ミスター円」の異名をとった人。
なじみのない言葉や、人名が並んでいる。
「大丈夫かいな」、と読み始めたが、
意外にわかりやすく、興味深く読めた。
ちょっとした裏事情エピソードも面白かった。★★★★

小林信彦「名人」読了

投稿者fujimoto : 2007年3月28日 15:49

小林信彦「名人 ~志ん生、そして志ん朝」(文春文庫)読了。
志ん生も志ん朝もよく知らないが、
こうした芸人論を読むのは好きで、面白かった。★★★★
著者の、志ん朝への思い入れは格別。
いちど、志ん朝の落語を聴きたくなった。

遠藤実「涙の川を渉るとき」読了

投稿者fujimoto : 2007年3月23日 12:57

Fさんからいただいた
遠藤実「涙の川を渉るとき」(日本経済新聞出版社)読了。
日経の最終面「私の履歴書」に掲載された内容を
一冊にまとめた本。
シンプルでストレートな文章、
けれんみのなさが、いまどき新鮮。★★★★
巻末の作品リストだけで60頁近くある。
島倉千代子の「からたち日記」もこの人の作品。
これだけで、私の評価はグンとアップ。

野坂昭如×五木寛之「対論」読了

投稿者fujimoto : 2007年2月15日 18:39

モノレール文庫(モノレールの駅に設置されている
書籍無料貸し出制度)で見つけた。
「あれえ、凄い懐かしい本があるじゃん!」
36~7年前に、面白く読んだ本。
いま読むことでさらに、興味深いテーマもあった。
野坂昭如×五木寛之「対論」(講談社)読了。★★★★
当時人気絶頂の2人の対談。
いくつかの箇所は記憶に残っている。
やはり、脳細胞が、イキイキしてたんだな。
彼らの、ひと言ひと言に、結構影響されたものだ。
値段を見ると、390円。
ルール違反だけど、返却するの、やめようかな。
(イカン イカン)

井関利明・緒方知行「アスクル」読了。

投稿者fujimoto : 2007年2月 7日 17:04

井関利明・緒方知行「アスクル」(PHP研究所)読了。★★★
アスクルのことを勉強する必要があり、
ネットで調べ、書店に問い合わせたが、
少し前の本なので、取り寄せになるという。
それならと、アマゾンで買うことにする。
新刊はなく、古本で220円。送料を入れても、620円。
安くて、便利。
なるほど、ネット販売が伸びるはずだ。

アスクルの成功のポイント、
・顧客メリット最優先
・他社製品も扱う
・先行投資でシステム構築
・文具店を巻き込んだエージェントシステム
などなど
なるほどなあ。

梅田望夫・平野啓一郎「ウェブ人間論」読了

投稿者fujimoto : 2007年2月 3日 14:44

梅田望夫・平野啓一郎「ウェブ人間論」(新潮新書)読了。
「ウェブ進化論」の梅田さんと、
「日蝕」「葬送」などの作家、平野さん(全然知らなかった)との対談。
テーマは、「ウェブ進化」によって、人間はどう変わるのか?
2人のポジション、意識、価値観の違いが、逆に、問題点を浮き彫りにする。
とても興味深く、刺激的。★★★★★

藤沢周平「小説の周辺」読了

投稿者fujimoto : 2007年1月26日 18:06

藤沢周平「小説の周辺」(文春文庫)読了。
藤沢さんの小説は、ある一作品をのぞいて、
多分、全部読んでいると思うが、
エッセイははじめて。
かわらず、味わい深い。★★★★
海外のミステリー小説のファンだというのは、
意外な気がした。

玄侑宗久「中陰の花」読了

投稿者fujimoto : 2007年1月23日 18:16

玄侑宗久「中陰の花」(文春文庫)読了。★★★
現役の僧侶でもあるこの作者、
現代の仏教を、文学作品を通じて語るという試みで評価され、
芥川賞を受賞している。
受賞作「中陰の花」は面白かったが、
併録の「朝顔の音」は成功していないと思う。


岸久「スタア・バーへ、ようこそ」読了

投稿者fujimoto : 2007年1月18日 18:59

岸久「スタア・バーへ、ようこそ」(文春文庫PLUS)読了。
雑誌やテレビでよくとりあげられる銀座の有名バー。
その店主が書いた、気軽にバーへ行くための入門書。
実は、このバー、アドミレーションセンター東京事務所の
すぐ近くにあり、二度ほど行ったことがある。
ジントニックばかり飲んで、
「せっかく、スタア・バーにきたのに、なんだかなあ」と、
同行した社員に馬鹿にされた記憶がある。
本自体は、気軽に読めて、面白かった。★★★★
文章(語り口)が、さりげなく、やさしく、丹念で、
職業柄をおもわせて、感心。
(あとがき読むと、口述筆記らしい)

玄侑宗久「多生の縁」読了。

投稿者fujimoto : 2007年1月16日 18:40

玄侑宗久対談集「多生の縁」(文春文庫)読了。
現役の僧侶にして芥川賞作家である著者が、
京極夏彦、山折哲雄、梅原猛、五木寛之他と、
宗教について、生と死について語る。★★★★★
「袖すりあうも○○の縁」、
○○に入る文字が、多生。
意味は、何度も生まれ変わること。
ふーん、知らなかった。

芥川賞受賞作「中陰の花」、今度読んでみよう。

高橋たか子「どこか或る家」読了

投稿者fujimoto : 2006年12月26日 18:21

高橋たか子自選エッセイ集「どこか或る家」
(講談社文芸文庫)を一気に読んでしまった。
★★★★★
いま最も魅力的な作家はと問われれば、
真っ先に、高橋たか子と答えるだろう。

司馬遼太郎「民族と国家を超えるもの」読了

投稿者fujimoto : 2006年12月19日 12:58

司馬遼太郎対話選集10「民族と国家を超えるもの」(文春文庫)読了。
梅棹忠夫、岡本太郎、井筒俊彦といった人たちとの対談は、
興趣が尽きない。司馬さんは、ホント座談の名手だな。★★★★

浦野真彦「5手詰めハンドブック」読了

投稿者fujimoto : 2006年12月 7日 12:39

浦野真彦「5手詰めハンドブック」(日本将棋連盟)読了。
久しぶりに、しかも詰め将棋の本を読んだ。
200問中120問くらいは、すんなり解けた。
後は、うんうん唸る前に答えを見てしまった。
それでも、この読了は大きいはず。
課題の終盤力UPに効果があらわれるかも。
楽しみ、楽しみ。

城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか」読了

投稿者fujimoto : 2006年12月 4日 17:24

城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか」(光文社新書)読了。★★
副題が、「年功序列が奪う日本の未来」。
同じことがくどくど書かれている気がした。
何より、読んでいて楽しくなかった。
なぜ、ベストセラーになったのだろう。

詠み芝居「鶴八鶴次郎」を観る

投稿者fujimoto : 2006年11月28日 13:49

27日(月)の夜
大学時代の友人Mくん(芸名=壌晴彦)が主催する
演劇倶楽部「座」の公演「鶴八鶴次郎」(河口松太郎/原作)を
夫婦で(共通の友人なので)観に行く。
吹田市立メイシアター。
演出、主演(鶴次郎)も壌晴彦。
約一時間半、居眠りすることなく観劇終了。
詠み芝居という不思議なスタイルだが、
客演の新内と三味線を織り交ぜるなど、
以前観た「野菊の墓」より、立体的な構成。
この劇団には、このレパートリーのほうがあっているように思う。
楽屋を覗くように言われていたが、
出口で挨拶だけして帰った。
たまには芝居もいいもんだ。

司馬遼太郎「アジアの中の日本」読了。

投稿者fujimoto : 2006年11月22日 12:38

司馬遼太郎対話選集9「アジアの中の日本」(文春文庫)読了。★★★
中国、朝鮮、モンゴルなど、
アジアの国々の歴史、文化について、
ほとんど知識がないので、
話の内容についていけないことが、
とても多かった。

吉本 隆明・芹沢 俊介他「還りのことば」読了。

投稿者fujimoto : 2006年11月10日 17:55

吉本 隆明・菅瀬 融爾・芹沢 俊介・今津 芳文
「還りのことば」(雲母書房 )読了。★★★
副題が「吉本隆明と親鸞という主題 」。
Ⅰ章の対談は、何とかついていけたけど、
Ⅱ章の各氏の原稿は、難しかった。
使う言葉も、もう少しやさしくならないもんかね。
語られていいる内容は、とても重要なことなのだから・・・


玄侑 宗久「ベラボーな生活」読了

投稿者fujimoto : 2006年11月 2日 18:20

玄侑 宗久「ベラボーな生活」 (朝日新聞社) 読了。★★★
作者は、芥川賞作家で、臨済宗の僧侶。
副題が、禅道場の「非常識」な日々。
天龍寺での修行時代を、軽妙、ユーモラスにつづっている。
やさしく、わかりやすく書くことを心がけている分、
修行の精神性の部分が物足りない感じがした。

太田光・中沢新一「憲法九条を世界遺産に」読了。

投稿者fujimoto : 2006年10月27日 18:02

太田光・中沢新一「憲法九条を世界遺産に」(集英社新書)読了。
爆笑問題の太田くんと、いまをときめく中沢さんとの対談。
いあや、面白かった。★★★★★
憲法九条を宮沢賢治から考えていく。ふーん。
太田くんの直感的な危機意識を、
中沢先生が、わかりやすく整理してくれている。
キーワードは「覚悟」なんだろう。

日本人のどれだけが、こんなに深く考えているだろう。
その代表が小泉さんだったけど。

司馬遼太郎「宗教と日本人」読了。

投稿者fujimoto : 2006年10月25日 18:14

司馬遼太郎「宗教と日本人 司馬遼太郎対話選集8」(文春文庫)読了。
山折哲雄、井上ひさし、立花隆といった人との対談。
他の本で、読んだことのある対談がほとんどだったが、
「まあ、いいや」と購入した。
驚くことに、記憶がまったくよみがえらない。いい加減なものだ。
どの対談も、大変面白かった。★★★★★
とくに、立花隆さんとの「宇宙飛行士と空海」が素晴らしい。
あとがきに、『堀田善衛、宮崎駿との座談の席で、
司馬さんが、「宮崎さんに一つ作って欲しいテーマがあるのですが、
平安時代の京の闇に棲んでいる物の怪のことです」と発言した。』と、ある。
ほー、というエピソードだ。

山本夏彦「何用あって月世界へ」読了

投稿者fujimoto : 2006年10月20日 18:33

山本夏彦「何用あって月世界へ」(文春文庫)読了。★★★
多くの著作の中から、エッセンスを抽出し、
一冊にまとめた山本夏彦名言集。
それでは短いのを2つほど。

十七歳の少女は、自分にも三十歳が来ることをまさか!と笑って信じない。

私は断言する。新聞はこの次の一大事のときにも国をあやまるだろう。

白洲正子「近江山河抄」読了。

投稿者fujimoto : 2006年10月 6日 20:00

近江シリーズ第2弾。
白洲正子「近江山河抄」(講談社文芸文庫)読了。★★★★
白洲さんは、実際に現地を訪ね、常識や学説にとらわれず、
自らの直感に基づいて文章を書いているように思われる。
わかりやすく、スパッとした文章が人気の所以だろう。

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

有名な額田王の歌だが、
この紫野が近江だったなんて、
ずーっと、奈良だと思っていた。

水上勉「日本の風景を歩く 近江・大和 」読了

投稿者fujimoto : 2006年10月 2日 11:41

水上勉「日本の風景を歩く 近江・大和 」(河出書房新社)読了。
自転車で琵琶湖を一周したときに通り過ぎてから、
湖北、湖西あたりが気になって仕方がない。
この本も、近江に惹かれて手に取った。★★★★
京都の禅寺の小僧であった著者は、
修行のつらさに耐えかねて、逃走、
故郷の若狭まで歩いて帰ろうとするが、
近江の堅田あたりで、あきらめ、京都に戻る。
そのあたりの話がとても面白かった。

藤本義一「徒然草が教える人生の意味」読了

投稿者fujimoto : 2006年9月22日 17:43

藤本義一「徒然草が教える人生の意味」(大和書房)読了。★★★★
いわゆる解説本ではない。
「徒然草」と、どう付き合うかといった内容。
ターゲットは、団塊世代なのだろう。
藤本義一さんは、海外ロケなどには、
「徒然草」「方丈記」など、文庫本一冊をバッグに入れて、
繰り返し読むらしい。
読み終わって、「徒然草」を読みたくなったから、
本としては、成功していると思う。

山本七平「日本人とは何か。」読了

投稿者fujimoto : 2006年9月20日 17:24

山本七平「日本人とは何か。」(祥伝社)読了。★★★
副題が、「神話の世界から近代まで、その行動原理を探る」。
コンパクト版だが、800頁を越す。
いやー、結構大変だった。
しかし、山本七平という人の知識の量は凄いなあ。

よしもとばなな「デッドエンドの思い出」読了。

投稿者fujimoto : 2006年8月27日 17:50

よしもとばなな「デッドエンドの思い出」(文春文庫)読了。★★★
母の家に行く用事があり、往復の電車で読む本がなかったので、
妻の本をちょいと拝借。
短編集。5つのラブストーリー。
読んでいて、ふと村上春樹の小説を読んでいるような気になった。
主人公のキャラクター?文体?なぜだろう。
おもしろく読んだけれど、ばななファンなら、
もっともっと、せつなくて、胸キュンとなるんだろうなあ。

田辺聖子「残花亭日暦」読了。

投稿者fujimoto : 2006年8月25日 16:00

田辺聖子「残花亭日暦」(角川文庫)読了。★★★
執筆、講演に大忙しの著者。家には、車椅子の夫と老母。
後半、新たな病をえた夫の看護が始まる。
そして、その死を看取るまでを日記の形式でつづる。
(夫って、あの「カモカのおっちゃん」だ。つらいなあ。)
おセイさん、見た目は、はんなりしてるけど、
精神の強靭さ、生きるパワー、すごいなあ。

水上勉「仰臥と青空」読了

投稿者fujimoto : 2006年8月22日 18:05

水上勉「仰臥と青空」(河出書房新社)読了。★★★★★
副題が、〔老・病・死を超えて〕とあるように、
景気のよい話ではないが、面白かった。
とくに、子規についての章が、興味深かった。

「悟りという事は如何なる場合にも
平気で死ねる事かと思っていたのは間違いで、
悟りという事は、如何なる場合にも
平気で生きている事であった。」とする子規に、
水上さんは、
『この平気の精神は、死の瞬間まで持続したようである。
「糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな」
「痰一斗糸瓜の水も間にあわず」
そして「をとゝひのへちまの水も取らざりき」という
辞世三句の精神は、まさに禅境である。』と記している。

五木寛之「新・風に吹かれて」読了。

投稿者fujimoto : 2006年8月15日 18:50

伊賀上野からの帰りの電車で、
五木寛之「新・風に吹かれて」(講談社)読了。★★★★
五木さんの本は、40年弱、読み続けているので、
通いなれた散歩道を歩くが如し。
ときたま、見過ごしていた木や花を見つけることができたり、
新しい道が開けていたり(浄土真宗など)するから、
やめられない。

池辺良「風の食いもの」読了

投稿者fujimoto : 2006年8月11日 18:43

池辺良「風の食いもの」(文春文庫)読了。★★★
永遠の2枚目スター。
最近は、エッセイストとして活躍している。
食べ物の話しといっても、
戦争末期、フィリピンの小島で、
ミミズやヤドカリまで食べた体験などが中心で、
グルメ本などとは一味違う。
著者紹介を見ると88歳。
次々に新刊を出している。
元気だなあ。

「さらば大遺言書」読了

投稿者fujimoto : 2006年8月 7日 14:12

新潮社「さらば大遺言書」森繁久弥(語り)久世光彦(文)を読了。
シリーズ4作目で、最後になった。
車中で読むうちに、不覚にも落涙なんてことが、幾度か。
シリーズ前作「生きていりゃこそ」で、
「森繁さんの語りが、めっきり減った。不満だ」と
イチャモンつけていたが、半分は仕方ないと思っていた。
なにせ、90歳をとうに過ぎているのだから。
と思っていたら、先に、久世さんが逝ってしまった。
「森繁さんが亡くなったら」と、
とっておきのエピソードをいくつか抱えて、
オサラバしてしまったのだろうか、久世さんは。
残念。

「富の未来」上・下 読了

投稿者fujimoto : 2006年8月 2日 11:04

アルビン・トフラー/ハイジ・トフラー「富の未来」上・下(講談社) 読了。
ある人にすすめられて、読み始めたが、やっと終わった。★★★
四半世紀も前に、トフラーが「第三の波」で予測した社会が、
いま現実になっている。
一冊が分厚くて、しかも上下巻ある。
正直言って、これだけの頁数、必要なのかなあ。

さっそく、曽根崎の旭屋書店に立ち寄り、
「さらば大遺言書」森繁久彌 /久世光彦を購入。

江國香織「とるにたらないものもの」(集英社文庫)読了

投稿者fujimoto : 2006年6月20日 18:05

朝出かけるときに読む本がない。
本棚に、ちょこんと置いてあって、
パラパラめくると読みやすそうなので、
ちょっと失敬する。
この人の本は読んだことがない。
エッセイ集。一編が短く、文字も大きく、スイスイ読める。
ただ、どうも、おじさんには似つかわしくなさそうなので、
作者名が見えないように気をつけて読む。★★★

椎名誠・和田誠「誠の話」読了

投稿者fujimoto : 2006年6月 8日 18:21

椎名誠・和田誠「誠の話」(角川書店)読了。★★★
映画、モンゴル、酒・・・
2人の誠さんの対談。
図書館で借りて読む。
写真がいいなあと思っていたら、
8×10のカメラで撮っている。

「Web2.0 BOOK」読了。

投稿者fujimoto : 2006年6月 7日 18:31

小川浩・後藤康成「Web2.0 BOOK」(インプレスジャパン)。
読了というより、一応、目を通す。★★★
Chapter2のWeb2.0をとりまくテクノロジーなど、
わからないところはすっ飛ばす。
というわけで、
まあ、かなりの部分をすっ飛ばすわけだ。

佐々木俊尚「グーグル」読了。

投稿者fujimoto : 2006年5月25日 18:34

佐々木俊尚「グーグルGoogle」(文春新書)読了。★★★
帯のコピーがすごい。
「Google 破壊者か、全能の神か」。
さて、世の中どうなっていくんだろう。

白鳥和也「素晴らしき自転車の旅」読了。

投稿者fujimoto : 2006年5月22日 18:22

白鳥和也「素晴らしき自転車の旅」(平凡社新書)読了。★★★
自転車の楽しみ方にについて、入門書らしく、
基本から、やさしく書かれている。
自転車に乗るのも楽しいが、
自転車について書かれている書物を読むのも楽しい。

伊藤礼「こぐこぐ自転車」読了。

投稿者fujimoto : 2006年5月19日 11:30

伊藤礼「こぐこぐ自転車」(平凡社)読了。★★★★
70歳を目前に、自転車の魅力にとりつかれた
伊藤センセイの自転車にまつわるエッセイ、旅行記。
読みすすむほどに、伊藤礼ワールドに、引き込まれた。
碓氷峠を目指し、心臓がバクバクなり、
ついにはタクシーでリタイアするあたりでは、
こちらも、心臓がバクバクなってしまった。


半藤一利「昭和史 戦後篇」読了

投稿者fujimoto : 2006年5月 1日 18:26

半藤一利「昭和史 戦後篇」(平凡社)読了。★★★
「語り下ろし」なので、講演を聴いているみたいで、
わかりやすく、読みやすい。
ただし、前作「昭和史」のズシーンとくる迫力はない
興味深いのは、GHQ時代まで。

岸恵子「ベラルーシの林檎」読了。

投稿者fujimoto : 2006年4月19日 17:36

岸恵子「ベラルーシの林檎」(朝日新聞社)読了。★★★★
図書館で借りた本。岸恵子さんの本は始めて読む。
NHKの衛星放送の立ち上がり時期に、
パリで番組のキャスターやっていたそうなのだが、
めちゃ安い制作予算、ギャラなのに、
あえてチャレンジするところが、この人らしい。
映画に出てなくても、人生の中で女優やってる。

桐島洋子「いつでも今日が人生の始まり!」読了

投稿者fujimoto : 2006年4月11日 19:08

桐島洋子「いつでも今日が人生の始まり!」(大和書房)読了。
★★★
図書館で借りた本。
桐島さんは、10年ほど前だろうか、
林住期を標榜、仕事しない宣言したと思ったら、
ほんとにメディアから消えてしまった。
実際、あっという間に仕事の依頼がなくなったらしい。
さすがに、そろそろということで、
この本を出したみたい(2003)。
「50代後半からは、
山歩きで言えば、尾根歩きの年代。」
ふーん。
読みやすいので、あっという間に読了。

梅田望夫「ウェブ進化論」読了

投稿者fujimoto : 2006年4月 5日 17:02

梅田望夫「ウェブ進化論」(ちくま新書)読了。★★★★
副題が、〔本当の大変化はこれから始まる。〕
その中心的な存在が、「グーグル」らしい。
内容の説明はできないが、
・ネットの「こちら側」「あちら側」
・ロングテールとWeb2.0
・不特定多数無限大への信頼 など
あら、そうなの、なるほどねえ・・・
という感じ。

茨木のり子

投稿者fujimoto : 2006年4月 3日 18:01

「まやNETの集い」創刊号の冒頭に、
2月19日に亡くなった、
茨木のり子さんの詩の一部が掲載されていた。
懐かしい名前だなあ(高校生のとき、この人の詩、好きだった)、
ということで、
図書館で詩集をさがしたら、
すべて貸し出し中になっていた。
人気あるんだ。
ジュンク堂で、現代詩文庫「茨木のり子詩集」(思潮社)購入。
さっきの詩、探したがなかった。
ネットで検索したら。あった、あった。
それでは全文掲載。

「自分の感受性くらい」

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

久世光彦「美の死」、飛ばし読み。

投稿者fujimoto : 2006年3月24日 17:14

久世光彦「美の死」(ちくま文庫)。
副題が、〔ぼくの感傷的読書〕、
つまり書評、作家論を集めたもの。
文庫とはいえ、内容はずっしり。
名前を知っている作家が半分いるかどうか、
読んだことのある作家や作品となると、ぐんと少ない。
したがって、かなり飛ばし読みになった。★★★★

久世光彦/森繁久弥の、「大遺言書」シリーズのファンだったが、
こんなカタチで終わるなんて・・・


村上春樹「意味がなければスイングはない」読了。

投稿者fujimoto : 2006年3月15日 18:14

村上春樹「意味がなければスイングはない」(文藝春秋)読了。
以前、本屋でパラパラ立ち読みしたら、
とりあげられている音楽家も、曲もほとんど知らない
(ブライアン・ウイルソン、つまりビーチボーイズのみ)ので、
やめたのだが、
NHKの「週刊ブックレビュー」の出演者が、みんな、
「音楽家も、曲もぜんぜん知らないけど、面白かった」と
語っていたので、それならと、読んだ。
確かに、最後まで読ませてしまう力がすごい。★★★★
でも、やっぱ、少しでも知っていたら、
もっと、興味深く読めるんだろうな。

矢野誠一「酒場の藝人たち」読了。

投稿者fujimoto : 2006年3月10日 17:53

矢野誠一「酒場の藝人たち」(文春文庫)読了。★★★
役者や芸人の話を読むのが好きで、
この作者の本も何冊か読んでいる。
読みすすめるうちに、どうも意気あがらないなと思ったら、
追悼文がずいぶん並んでいる。なるほどね。
ところがである、最終章で、
志ん生、文楽、三平、正蔵、円生と落語家の場合だと、
同じ追悼文でも、暗くならないから不思議。
落語家という商売の特異性なのだろうか。

立原正秋「雪中花」読了

投稿者fujimoto : 2006年3月 6日 19:04

立原正秋「雪中花」(メディア総合研究所)読了。
先に読んだ「美食の道」と重なっていた分もあったが、
やはり、面白かった。★★★★★
もう一冊くらい読んでみようかなと、ネットで検索していたら、
あるサイトで、五木寛之さんのエッセイ「金沢での立原正秋」が紹介されていて、
二人はそういう関係だったんだ、
と、ちょっとうれしかった。
重々しい動作、大真面目な口調、それがとてもユーモラス。
そんな人、いるよな。

立原正秋その後

投稿者fujimoto : 2006年3月 1日 12:55

立原正秋さんの文章がとても気に入ったので、
ネットで探したところ、
「美食の道」を除くと、小説がわずかに3冊(文庫)あるばかりで、
ちょっとびっくり。
そのうち、団塊の世代が読み出して、
小さなブームになると思う。
野畑図書館にいき、随筆集「雪中花」を借りる。
これが通勤途中に読むには、大判で重いんだ。
やれやれ。

半藤一利「清張さんと司馬さん」読了

投稿者fujimoto : 2006年2月28日 15:03

半藤一利「清張さんと司馬さん」(文春文庫)読了。★★★★
旭屋で、「この本、きっと前に読んでる」と思いながら、
「まあ、いいや」と購入。
ページを開いてすぐに、
「NHK人間講座」で放送されていたのを観たことに気づく。
「なるほど」と納得。
と思いきや、読みすすむうちに、
やっぱり新刊書を、図書館で借りて読んでることに気づく。
「虫の眼」清張と「鳥の眼」司馬。
半藤さんは、少し清張さん贔屓なのかも。

立原正秋「美食の道」読了

投稿者fujimoto : 2006年2月22日 10:55

立原正秋「美食の道」(グルメ文庫)読了。
文章がピュアで気持ちいい。
★★★★★
カバーの紹介に、
『生涯「美」を追求し、時流や風潮に左右されない
凛とした生き方を貫いた作家』とある。
確かに、「凛とした」という言葉が似つかわしい。
女では高橋たか子。男なら、立原正秋。
以前、京都のお香の老舗の店主が、
「知識人、文化人のなかで、お香にたいして、
群を抜いて、繊細な感性を持っていたのが
立原正秋氏だ」と話していたことを思い出した。

勝谷誠彦「色街を呑む!」読了

投稿者fujimoto : 2006年2月15日 17:26

勝谷誠彦「色街を呑む!」(祥伝社文庫)読了。★★★★
かっての遊郭の周辺の飲み屋で一杯やるという企画。
以前、アドミ東京事務所の連中の要望で、
大阪ディープ・ツアーを企画、飛田新地にいったことを思い出す。
「百番」で食事し、周辺をうろついただけだが。
最後に紹介されている、
三重県A島の巻(ここだけは仮名で、地図も掲載されていない)は、
さすがに緊迫感あるなあ。

小室 直樹「痛快!憲法学 」読了。

投稿者fujimoto : 2006年2月10日 12:59

木田茂夫くんのオススメ、
小室 直樹「痛快!憲法学 」(集英社インターナショナル)読了。
憲法の前に、キリスト教、世界史、経済学、日本の近代史・現代史まで、
いっぱい勉強させられるので大変だったが、
いやあ、面白かった。勉強になりました。★★★★★




黒岩重吾「人に定めなし」読了

投稿者fujimoto : 2006年2月 2日 12:26

黒岩重吾「人に定めなし」(角川文庫)読了。
2003年に亡くなっている著者最後のエッセイ集。
数多くの死に直面し、それを乗り越えてくると、
このように平明な心境に至るのだろうか。
飾らず、心のままに、淡々と筆をすすめている、
それが読んでいて感じられ、心地よい。
★★★★

マーケティングの本2冊

投稿者fujimoto : 2006年1月26日 17:32

ある食品のブランディングについて企画書をまとめる必要があり、
「変わる家族 変わる食卓」岩村暢子(勁草書房)
「ブランディング22の法則」アル・ライズ/ローラ・ライズ(東急エージェンシー)
の2冊を大急ぎで読んだ。
ドロナワと人は云う。
「変わる家族 変わる食卓」は恐ろしい本だ。
食卓を通じて、家族、そしてわが国の社会の変質、崩壊を
指し示している。★★★
「ブランディング22の法則」、は具体的に参考になった。★★★★
広告の本特有のいかにも翻訳という文体が、懐かしかった。

平塚柾緒「図説 東京裁判」読了

投稿者fujimoto : 2006年1月17日 19:47

平塚柾緒=著 太平洋戦争研究会=編
「図説 東京裁判」(河出書房新社)読了。

小室直樹「日本国民に告ぐ」読了

投稿者fujimoto : 2006年1月10日 19:19

小室直樹「日本国民に告ぐ」(ワック出版)読了。★★★★
安易にコメントできない。
小室氏に言わせると、私もまた、「自虐史観」「反日史観」に
よって教育された人なのだが・・・
「従軍慰安婦問題」「教科書問題」など、
「事実に基づく歴史の再検証が不可欠」とあるが、
一体、何が事実なんだ。

丸谷才一対談集「おっとりと論じよう」読了

投稿者fujimoto : 2006年1月 3日 18:26

丸谷才一対談集「おっとりと論じよう」(文藝春秋)読了。
あったかいホットカーペットに寝そべって、
丸谷さんの本を読む、知的な休日の愉しみ。
丸谷さんのエッセイのファンで、
出版されたら、だいたい目を通す。
ただ、ここ数年、どうも内容のレベルが高く、
ついていけないケースが多いように思うが、どうだろう。
丸谷さんも年をとったので、もういちいち読者のレベルに合わせるのが、
面倒くさくなったのではないのだろうか。それとも・・・。
この本は、対談集なので、比較的やさしく読めて、
知的好奇心を心地よく刺激してくれる。★★★★

保阪正康「昭和」読了。

投稿者fujimoto : 2005年12月20日 20:50

富山出張の往復で、
保阪正康「昭和」(朝日新聞社)読了。
サブタイトルが、戦争と天皇と三島由紀夫。
保阪氏が、半藤一利、松本健一、原武史、冨森叡児といった、
昭和史のそれぞれのテーマの専門家に
話を聞くといったスタイルの対談集。
いやあ、掛け値なしに、面白かった。★★★★★
保阪氏の本が、いますごい勢いで出ている。
保坂氏によると、
昭和が、「記憶」から、「記録=歴史」になりつつあり、
人々が、昭和という時代を、冷静に検証しようとしているからだろう。
なるほどね。

「三島由紀夫の二・ニ六事件」読了

投稿者fujimoto : 2005年12月19日 15:48

松本健一「三島由紀夫の二・ニ六事件」(文春新書)読了。★★★★
タイトルに三島由紀夫とあるが、
本書の主人公は、三島由紀夫ではない。
北一輝、昭和天皇、三島由紀夫の3人それぞれの関係が、
主人公(テーマ)なのだ。
1970年、三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で、
「天皇陛下万歳!」と叫んで自決した事件は、
鮮明に覚えている。
大学生であった私は、
「なんというアナクロニズム」としか感じなかったが、
その行動の背景を、今回、知った。

小沢昭一「俳句武者修行」読了

投稿者fujimoto : 2005年12月14日 17:34

小沢昭一「俳句武者修行」(朝日文庫)読了。
永六輔、桂小三治、矢野誠一他の
「東京やなぎ句会」のメンバーである小沢昭一が、
各種有名句会に参加、俳句の武者修行に旅立つ。
メンバーの一人で、すでになくなった江國滋さんの、
俳句旅行シリーズも面白かったが、
この本も気軽に楽しめた。★★★
たまには、こんな読書もいいだろう。

『団塊の世代「黄金の十年」が始まる』読了

投稿者fujimoto : 2005年12月12日 17:44

堺屋太一『団塊の世代「黄金の十年」が始まる』(文藝春秋)読了。
まあ露骨なタイトル。
「黄金の十年」については、
タイトルほど、詳しく触れられてはいない。
書き出しは、相変わらずの自慢話だ。
それでも、団塊の本家、元祖。
定年後の団塊の世代を、
「市場価格に見合った自由労働者」ととらえるなど、
なるほど、という部分も結構あり、ためになった。★★★★
著者については、
15年ほど前、四谷の立ち食いうどん屋で、
隣で、きつねうどんをすすっている
ヘロヘロの姿(たぶん締め切りに追われていたのだろう)を
見てから、評価が甘くなっているかもしれない。

「何のために生きるのか」読了

投稿者fujimoto : 2005年12月 2日 12:23

五木寛之/稲盛和夫「何のために生きるのか」(致知出版社)読了。
★★★★
またしても五木寛之、またしても仏教。
それにしても、ストレートなタイトル。
二人がどんな話をするのか、興味があるので購入。
実は、「同調しすぎて、期待はずれ」なんてことを
心配していたが、杞憂であった。
二人の本は結構読んでいるので、
重なる部分も多かったが、それでも面白かった。
途中から、五木さんのテンションが
上がっていくのがわかり、ちょっと驚いた。
二人とも、素敵だなあ。

五木寛之「隠れ念仏と隠し念仏」読了

投稿者fujimoto : 2005年11月28日 18:33

五木寛之こころの新書
「隠れ念仏と隠し念仏」(講談社)読了。★★★★
九州南部の「隠れ念仏」、東北の「隠し念仏」。
いずれも浄土真宗系の、知られざる異端(?)の信仰。
こうした異端にこそ、正統なるものに失われた
本質にかかわる大切なものが秘められている。
五木さんならではのスタンス。
難しそうに思っていたが、意外にすんなり読めた。

五木寛之「仏教のこころ」読了

投稿者fujimoto : 2005年11月21日 18:10

五木寛之「仏教のこころ」(講談社)読了。
五木寛之 こころの新書シリーズ。
一気に5冊同時発売という
新書では今までになかった戦略(?)
上手いなあ、はまってしまいそう、と思っていたら、
結局、買ってしまった。
玄侑宗久さんとの対話と
親鸞、蓮如について書かれた章が
とくに興味深かった。
★★★★★

「下流社会」三浦展 読了

投稿者fujimoto : 2005年11月10日 18:53

本日は東京出張。
明日の朝、プレゼンがあるので、ほとんど、とんぼ返り。
新幹線の往復の間に、
「下流社会」三浦展(光文社新書)読了。★★★★
300頁弱、「のぞみ」往復5時間=300分。1頁1分。
(途中、少しウトウトしたけど、まあ、そんなところか)
ベストセラーらしい。
センセーショナルなタイトル??と思っていたが、
読み出して、すぐ、なぜ売れているのか、納得。
(地味な本なのに、世間の読者はエライね)
団塊ジュニアが、実は、団塊の子供たちじゃない、
というところから、へエー、と思わせる。
例えば、団塊ジュニアについも、
データだけで語るのではなく、
彼らの姿を具体的に浮き彫りにするのが
とても上手い。
学者ではなく、マーケティング情報誌「アクロス」の
編集長だった、その経歴と関係あるのだろう。
面白かった。少し、胸に痛いところもあった。
それはそうと、明日、頑張るぞ。

「渋谷で働く社長の成功ノート」流し読み

投稿者fujimoto : 2005年11月 9日 18:39

邱永漢さんが、「とても面白い」とすすめていたので、
藤田晋「渋谷で働く社長の告白」を買おうと思ったら、
その横に、同じ著者の、そのエッセンスをまとめたような
文章も少なく、図解入りの、価格も安い
「渋谷で働く社長の成功ノート」(PHP研究所)が並んでいて、
ついフラフラそちらを購入。失敗。★★
本当の面白さは、ダイジェストされた向こうの内容も含めて
はじめて伝わるのだろう。
ズルしたら、いかん。

「翻訳夜話」村上春樹 柴田元幸 読了

投稿者fujimoto : 2005年11月 8日 12:47

「翻訳夜話」村上春樹 柴田元幸(文春新書)読了。
翻訳家の柴田さんと、翻訳もする作家村上さんが、
翻訳の仕事を目指す若い人たちにむけて、
翻訳について語り合った内容を収録している。
翻訳の場合、創作とは違って、
できるだけ自分のカラーを出さないようにしていること。
(それでもにじみでてしまうらしいが)
翻訳で大切なのは、リズム、ビート、うねりであること。
村上さんが以外にアバウトであること、などなど。
知的好奇心を刺激する好著。★★★★
同じ短編小説を二人がそれぞれ翻訳したものも
収録されており、比較できる。
これも面白い。

川上弘美「蛇を踏む」ギブアップ

投稿者fujimoto : 2005年10月28日 19:00

「センセイの鞄」が面白かったこと、
好きな作家がどんどん亡くなって、
新規開拓が必要なことから、
川上弘美「蛇を踏む」を読み出す。
表題作「蛇を踏む」は読み終えた。
「夢」に登場するような、ぐにゃぐにゃした
不思議な、変な小説。
この文庫には、3編収められているが、
2編目の途中から、読みすすむことができなくなった。
無理して読みすすめない主義なので、
とりあえず、ここでギブアップ。
この人は、こんな小説が多いのかしら。
新規開拓は大変だ。

藤沢周平「市塵」上下 読了

投稿者fujimoto : 2005年10月25日 18:15

藤沢周平「市塵」上下(講談社文庫)読了。★★★★
もちろん、面白く、一気に読んだのだが、
やはり、実在の人物を取り上げた作品で、
史実という枠の窮屈感は拭えない。
それでは、「あんたは藤沢作品で、どれが好き?」
と問われれば、
「用心棒日月抄」シリーズと
「三屋清左衛門残日録」と答えておくことにする。


富山出張

投稿者fujimoto : 2005年10月19日 11:45

富山の高岡に出張。
サンダーバードに乗り込む前に、
新大阪の書店で、
藤沢周平「市塵 上」(講談社文庫)を購入。
新井白石の生涯を描いた長編小説。
藤沢さんの作品はほとんど読んでいるが、
実在の人物を取り上げた作品であること、
講談社文庫の文字が小さく、
文字がぎっちり詰まっていることで、
なんとなく先延ばしにしていた。
今回、文字が大きい新装版になっているので、
読んでみようという気になった。
車中で読みだしたら、
たちまち藤沢周平の世界に没入。
時たま、目を休め、
車中から、北陸の森と畑の間をのびる道を眺める。
「こんな道を、CODA COMPで走ったら、
さぞかし、気持ちいいだろうな」

仕事の方も、打合せはスムーズにすすみ、
取材、撮影ロケハンも予定通り、無事終了。
宿泊のお誘いもいただいたが、
同行メンバーのスケジュールもあり、
今回も日帰りとなった。

『「昭和80年」戦後の読み方』読了

投稿者fujimoto : 2005年10月18日 16:32

『「昭和80年」戦後の読み方』
中曽根康弘 西部邁 松井孝典 松本健一(文春新書)読了。
わが家の食卓に置いてあって、パラパラめくると面白そうなので、
ちょっと借りて読む。★★★★
敗戦、、民主主義、天皇、東京裁判、靖国、国家、日本人・・・
4人が語り合った内容を収録してある。
内容とは関係ないが、西部邁氏の項を読むとき、
彼の声(「朝まで生テレビ」などで聞く)が聞こえてくる。
語り口がオリジナルなのか、
話の展開、ボキャブラリーがステロタイプなのか、
不思議。

嵐山光三郎「日本詣で」読了

投稿者fujimoto : 2005年10月 6日 18:02

嵐山光三郎「日本詣で」(集英社文庫)読了。★★★
全国編は、北海道から沖縄まで、各県ごとに一編の随筆。
埼玉県では、「ラブミー農場 深沢七郎」が登場して、
あら、懐かしい。
後半は、東京二十三区編。
概して東京二十三区編のほうが面白かった。
その土地との関係が、こちらのほうが濃いからだろう。
気軽に読めるし、気になる土地だけを選んで読むこともできる。
出張時などに、おすすめ。

追記
自転車・サイクリングランキングで104位。
100位以内にもう一息。

梅原猛「天皇家の”ふるさと”日向をゆく」読了

投稿者fujimoto : 2005年9月28日 14:37

27日(火)
富山への出張の車中で、
梅原猛「天皇家の”ふるさと”日向をゆく」(新潮文庫)読了。★★★★
少し読みかけていて、
古事記、日本書紀についての知識がほとんどないので、
最後まで読めるか心配なので、
サンダ-バードに乗る前に、スペアとして、
嵐山光三郎の「日本詣で」(集英社文庫)を買っておく。
なにが心配って、文章の例が、
「鵜戸神宮は、ヒコホホデミノミコトの妻トヨタマヒメが、
ウガヤフキアエズノミコトを産んだところと伝え、
ウガヤフキアエズノミコトを主祭神に、
アマテラス=ニニギ王朝の歴代を祀っている。」
ねっ、この調子なのよ。
ところが、細かいところはすっ飛ばして読んでいくと、
梅原さんの、得意の、想像力の飛躍が随所に発揮され、
だんだん面白くなり、
ついに、富山往復の車中で読了となった。
中沢新一の解説「神話への巡礼」がまことに親切で、
やっと梅原さんがなにを言いたいのか、
よくわかった(なんのこっちゃ)。

村上春樹「東京奇譚集」読了  

投稿者fujimoto : 2005年9月26日 12:46

村上春樹「東京奇譚集」(新潮社)読了。★★★★
短編集。
帯に、「不思議な、あやしい、ありそうにない話。
しかしどこか、あなたの近くで
起こっているかもしれない物語。」とある。
面白かった。
新刊で、売れているらしい。
村上春樹という作家は、あたりはずれが少ない。
端正で、崩れない。
落語で言うと、六代目三遊亭円生(圓生)。


  

羽生義治「決断力」読了

投稿者fujimoto : 2005年9月20日 19:44

羽生義治「決断力」(角川新書)読了。★★★
羽生義治、最も将棋の強い人。
タイトルからすると将棋と人生やビジネスを
重ね合わせて語るような感じだが、違う。
この人はそういうことは書かない。
「将棋は頭脳スポーツであり、ジャストゲームだ」と
言い切る人なのだ。
イチローや中田ヒデと共通する感性を感じる。
戦法や対戦内容についてではないが、
あくまで将棋について語っている本だ。
でも、将棋しない人が読んで、
理解できるのかしら。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」読了

投稿者fujimoto : 2005年9月13日 12:43

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」
山田真哉(光文社新書)読了。★★★
ご存知、ベストセラー。
世の中、数字に弱い、と思っている人が
いかに多いかということ。
タイトルが上手いね。
目からウロコ、といったことはなかった。

「終戦日記を読む」読了

投稿者fujimoto : 2005年9月 9日 14:21

「終戦日記を読む」野坂昭如(NHK出版)読了。
岐阜出張の往復車中で(結構時間がかかる)一気に読む。★★★
無名の人の他に、中野重治、徳川夢声、山田風太郎、
永井荷風他の終戦前後の日記を取り上げながら、
自らの終戦体験をつづっている。
NHKのBSで放送していた内容を本にまとめたもの。
(テレビで見た記憶がある)
それにしても、野坂さんの本を読むのは、ずいぶん久しぶりだ。
*高橋たか子の「驚いた花」は文芸批評の内容が多く、
登場する著者、著書をほとんど知らず、ギブアップ。

『高橋たか子の「日記」』読了

投稿者fujimoto : 2005年9月 2日 12:35

『高橋たか子の「日記」』(講談社)読了。★★★★
高橋たか子は、高橋和巳の奥さんで、といっても、
若い人にはわからないかもしれない。

1980年に、それまでの小説家である自分を捨て、
フランスでキリスト教の尼さんの生活を送り、
やがて、日本に戻り、それまでとはまったく違う
(らしい。それまでは読んだことがない)
小説、エッセイを発表している。

キリスト者である高橋たか子に、
キリスト者でない自分が、
強いシンパシーを感じる。なぜだろう。
いま、最も信頼できる作家。

私は、フランスから帰ってきて以後の小説、エッセイを
ほとんど図書館で借りて読んだ。
(この人の本は、ほとんど書店にはない)

『高橋たか子の「日記」』は、小説や、エッセイにある
緊張感や透明感、引き込まれる感じはないが、
へえー、というエピソードや、
いかにも高橋たか子らしいコメントも随所にあり、
高橋たか子ファンなら、十分楽しめる。

川上弘美「センセイの鞄」読了

投稿者fujimoto : 2005年8月26日 12:39

アドミレーションセンターの社長室に「アドミ文庫」がある。
社員が読み終わった本を寄贈し、自由に貸し出しできる。
大半が、私が寄贈したもので、「オジンくさい」といわれている。
そのアドミ文庫から、一冊借りて、読んだ。
川上弘美の「センセイの鞄」(文春文庫)。★★★★
この作家のことは何も知らない。
2年ほど前、P社のK氏にこの単行本をいただいて、
読まずにいた。
最初の一章を読んだあたりで、腰巻を見た。
「40歳目前の女性と、30と少し年の離れたセンセイの、
切なく、悲しく、あたたかい恋模様。
谷崎潤一郎賞受賞の大ベストセラーの文庫化」とある。
「あらら、恋模様になっちゃうの。そりゃあ、ないんでないの」
と思ったが、そのまま、淡々と読んでしまった。
ということは、けっこう、この小説好きなのかな。
私の予測は外れ、二人は結ばれることになる。
なんか、不思議な小説。
大ベストセラーって、一体どんな人が読むんだろう。
若い女性なのだろうか?わからん。


「ダヴィンチ・コード」上下 読了

投稿者fujimoto : 2005年8月21日 15:48

「ダヴィンチ・コード」ダン・ブラウン(角川書店)上下を、
娘から借りて読む。★★★★
借りる時、「後半、だれるよ」とのことだったが、
私は最後まで楽しめた。
「神の発見」五木寛之・森一弘で、
インディ・ジョーンズみたいなお話、とあったが、
まさしくその通り。
そういえば、インディ・ジョーンズの映画で、
ナチスと争奪戦を繰りひろげるのも
聖杯をめぐってではないのか。
いまネットで調べたら、やっぱり、そうだった。
この話、西洋では、かなりポピュラーな話なのだろう。
西洋史、キリスト教、聖書など、基本的な知識がもっとあれば、
もっと楽しめたのかもしれない。
この本の中では、ダヴィンチの「最後の晩餐」に描かれている、
キリストの左隣の弟子が、
実は、娼婦(?)マグダラのマリアであるという。
添付されている「最後の晩餐」を見ると、
あら、女性に見える。本当?
巻頭に、[この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に
関する記述はすべて事実に基づいている」とあるのだが、
どうなんだろう。

「神の発見」読了

投稿者fujimoto : 2005年8月10日 19:18

「神の発見」五木寛之・森一弘(平凡社)読了。★★★★
ブッディストである五木氏が、カトリック司教である森氏に、
キリスト教について、話を聞くという対話集。
キリスト教がテーマではあるが、
仏教についての話も頻繁に出てくる。
五木氏は、ひとつの宗教の中だけでは、
21世紀の心の問題は、語ることができないと、
考えているのだろう。
心に残ったのは、原理主義の方向に向かえば、
ピュアに厳格になるが、混沌とした
豊かなるものは失われていく、ということ。
まあ、当たり前か。

五木寛之。
ベストセラーのかたちをとりながら、
人々の少し先に、灯りをともしていく、
(この書も、そうだろう)
批評家としての先見力、ポジションのとり方を、
私は、高く評価する。

さて、次は、話のなかで登場する
「ダ・ヴィンチ・コード」を、読んでみようかな。

「団塊が電車を降りる日」読了

投稿者fujimoto : 2005年8月 5日 14:55

トランジットライフ マーケティング白書「団塊が電車を降りる日」
編著:辻中俊樹(東急エージェンシー)を読了。★★★
この書の特長は、単にマーケティングデータに基づき、
団塊世代を分析することではなく、
可能な限り、生活者の生の声を拾上げ、
そこから浮かび上がる「団塊世代の男性像」、
そして、「彼らは、どこに行くのか」を提示するところにある。
私自身が、団塊世代なので、
ここで語られていることのほとんどが、
「おっしゃる通り」「そうだよな」で、
あっというまに読み終わってしまった。
ただ、団塊世代が特殊な世代でもなんでもなく、
結局、そのボリュームに、マーケティングとしての意味がある
という指摘は、再確認しておくべきことだろう。
前の世代の大学進学率が、15%であるのに対して、
団塊世代の進学率は、20%。
たかだか5%伸びただけで、大学生の実数は倍増。
世の中、大学生であふれんばかりなイメージになってしまった。
全共闘運動などもあって、ほんとに、そうだった。
実際は違っていたのに。
こういう現象が、象徴的だろう。

「海馬」読了

投稿者fujimoto : 2005年8月 1日 22:02

新潮文庫「海馬」池谷裕二・糸井重里を読了。
糸井さんのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載されていた
対談をまとめたもの。
「海馬」、脳にある、記憶をつかさどる部分。「かいば」と読む。
異分野の人が、ひとつのテーマを語り合うなかで、
お互いに新しい発見をしていくところが素晴らしい。
知らないこと、へーと驚くようなこともいっぱいあって、
とてもとても面白かった。
「いやあ、年齢のせいか、
記憶素子が、ほとんど崩壊しているので・・・」
といった、普段使用している言い訳は通用しないことがわかった。
脳は疲れない。使えば使うほど頭はよくなるらしい。
クリエイティブな仕事をしている人に、
とくに、おススメ。★★★★★


天神祭り 花火見えず

投稿者fujimoto : 2005年7月25日 20:07

NP社の「天神祭りを見るパーティ」に出席。
船渡御は見えたが、花火は見えず。
(例年より一階下のフロアで実施されたため)
焼酎をすすめられるまま、けっこう飲む。
「次、行こう」の誘いをふり切り、帰る。
天満橋の上から、花火を見ようとするが、
ビルにかくれて、十分に見えず。
曽根崎の旭屋書店にて、
新潮文庫「海馬」池谷裕二・糸井重里
「大阪・神戸周辺自転車散歩」山と渓谷社を購入。

雑誌「自転車人」

投稿者fujimoto : 2005年7月19日 11:37

「自転車人」(山と溪谷社)という雑誌が創刊された。
自転車散歩や自転車の旅を楽しみたいという人たちに向けた
[自転車生活]提案雑誌。
さっそく購入。
メインターゲットは、私のような、オジサンなのだろう。
書店には、自転車関連のムック本やコースガイドが並んでいる。
いよいよ自転車ブーム盛り上がる、といった気配。
記事を読むと、輪行(自転車を解体して、
電車で目的地に行き、組み立てて走る)がなんとも魅力的。
自転車屋でレクチャー受けようかなあ。

「生きていりゃこそ」読了

投稿者fujimoto : 2005年7月18日 11:28

新潮社「生きていりゃこそ」森繁久弥(語り)久世光彦(文)を読了。
シリーズの前2作に比べて、森繁さんの語りが、ぐんと減っている。
文中にもあるが、久世さんが取材に、森繁邸を訪れても、
眠っていたり、体調が悪く話ができなかったりが多いのだろう。
この本の魅力は、森繁さんの語りにあるわけだから、
やはり不満が残る。というわけで★★★

「生きていりゃこそ」購入

投稿者fujimoto : 2005年7月13日 10:15

曽根崎の旭屋書店に寄り、
新潮社「生きていりゃこそ」森繁久弥(語り)久世光彦(文)を購入。
週刊新潮連載を単行本化。
「大遺言書」「いまさらながら大遺言書」に続く
シリーズ第3弾。

「不良定年」読了

投稿者fujimoto : 2005年7月12日 19:55

「不良定年」嵐山光三郎(新潮社)、
あらえっさっさあ、と読んでしまった。★★★
昨日、上田素久画伯と雑談した折、
嵐山さんのいう「不良定年」と、
思想を同じくし、実践しておるのは、
「まさしく、このオッサンだ」と感じた次第。
ところで私は、「徒然草」でも読みますか。
ちぇっ、不良でなくていいや。

劇団らせん館~めなみ

投稿者fujimoto : 2005年7月11日 12:47

土曜の夕方、劇団らせん館の芝居を観に、
夫婦で京都に出かける。
川端丸太町上ル、日独交流文化センターで、友人のK氏と合流。
この劇団は、ドイツ・ベルリンを拠点に活動しており、
多和田葉子さんが座付作者。
今回の公演、「舞台動物」も、
多和田さんのいくつかの作品をコラージュしたものらしい。
ドイツの若い女優2人も参加していた。
芝居については、相変わらず、うーん、よくわからん。
この劇団のテーマは、言葉(意味性の解体?)らしいのだが、
もう少し、演劇的なる部分を付与した方がよいのでは。
(役者の演技もすごく記号化して見える)
芝居が終わったあと、3人で、
木屋町三条上ルの「めなみ」に行く。
幸運にも、ちょうどテーブル席が空いており、
いま観た芝居についてなど、話はつきず、
楽しい時間をすごす。
ビールとお酒、鱧の落としなど一人2~3品の肴。
勘定は3人で12000円。★★★★★
もちろん、割り勘。

「不良定年」読み始める

投稿者fujimoto : 2005年7月 8日 19:03

わけあって購入していた「不良定年」嵐山光三郎(新潮社)を
読み始める。
「神々の乱心」に比べて、なんとスイスイ読めるのだろう。
それは、長い長い坂道を登りきったフラットな道を
CODA COMPで走るがごとし。

「神々の乱心」、やっと読了

投稿者fujimoto : 2005年7月 6日 19:14

文春文庫「神々の乱心」上下(松本清張)を、やっと読了。★★★
いまブログで確認すると、購入が5月30日だから、
1ヵ月以上もかかっている。
うへー。私も、しぶとい。
昭和初期という時代、新興宗教と宮中というテーマ、
いずれもなじみが薄い。
時代が大正に遡ったり、舞台が満州に移ったり、
大本教が出てきたり、特高や関東軍がでてきたり、
おまけに、どこかに未完の小説であるという気持ちがあり、
ストーリーの展開やスケールの大きさに興味をそそられながら、
ある箇所に来ると、読書スピードが極端にスローになる。
さすがに下巻半ばくらいから、やっとエンジンがかかってきたと思ったら、
終わってしまった。
巻末で、担当編集者が、作者から聞いていた、
エンディングへの荒いストーリー展開を紹介している。
やはり、一番面白そうなところが、抜けてしまっている。
作者も、この作品には特別な思い入れがあったらしい。
さぞ、無念だったろう。
完結していれば、作者の代表作になっていただろう。

上田素久 亥作展

投稿者fujimoto : 2005年6月21日 11:02

上田素久氏の個展をのぞく。
80号、100号の大作が並んでいる。
頑張ってるなあ。
劇団らせん館のメンバーや
日経PRのまやさんたち、
アドミレーションセンターの社員も
来ていて、いい雰囲気。
ビールを一杯いただいて帰る。
「上田素久 亥作展」は、
6月30日(木)AM11:00~PM6:00(最終日PM4:00)まで、
地下鉄堺筋本町12番出口北へ5分
アートスペース フジカワ(06-6231-4304)の3階で
開催中。
ぜひ、一度、見に行ってほしい。

「靖国問題」読了

投稿者fujimoto : 2005年5月30日 11:50

ちくま新書「靖国問題」高橋哲哉を読了。★★★
ばらばらの知識が、
前後左右、一応整理して理解できたように思う。
どう解決すればよいのか、
この問題は、複雑で、一筋縄ではいかない。
それにしても、小泉首相が、靖国参拝にこだわる深い部分は、
いったいどこなのだろう。
説明されていない。

旭屋書店にて、
文春文庫「神々の乱心」上下 松本清張
集英社文庫「憲法なんて知らないよ」池澤夏樹
を購入。
「神々の乱心」は、「対論 昭和天皇」で紹介されていた。

「対論 昭和天皇」読了

投稿者fujimoto : 2005年5月23日 14:32

「対論 昭和天皇」読了。★★★★
知らないことばかりで、たいへん興味深く読めた。
あとがきにもあるが、
原氏のアカデミズムの分析と
保阪氏のジャーナリズムの視点、
そのスタンスの違いが、対論としての
面白さ、わかりやすさ、深みにつながっていると思う。

昭和史ブーム

投稿者fujimoto : 2005年5月15日 13:53

千里中央 田村書店にて
文春新書「対論 昭和天皇」原武史/保阪正康
ちくま新書「靖国問題」高橋哲哉を購入。
いま、私の中では、ちょっとした昭和史ブームだ。 

「昭和史 7つの謎」読了

投稿者fujimoto : 2005年5月14日 13:19

「昭和史 7つの謎」「昭和史 7つの謎 Part2」を、
一気に読む。★★★★
・なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?
・M資金とは何をさし、どのような戦後の闇を継いでいるか?
・東條英機に利用されたゾルゲ事件
・吉田茂が描いた国家像とは?
などがとくに興味深かった。
夜、TSUTAYAでDVD「スパイ・ゾルゲ」(篠田正浩監督)を
レンタルし、観る。★★
本を読んでなかったら、全体の流れがわかったかな。
 

「昭和史 7つの謎」

投稿者fujimoto : 2005年5月 8日 19:30

千里中央 田村書店にて
講談社文庫
「昭和史 7つの謎」
「昭和史 7つの謎 Part2」保阪正康を購入。

『僕の見た「大日本帝国」』読了

投稿者fujimoto : 2005年5月 2日 16:11

『僕の見た「大日本帝国」』読了。
約400頁と結構ボリュームがあり、テーマも重いものなのに、
サラサラといった感じで読めた。
サハリン、台湾、韓国、北朝鮮、中国東北部(旧満州)、ミクロネシア。
大日本帝国の領土であった国や地域をたずね、「日本の足跡」を探す旅。
著者は、肩肘張らず、淡々と、それら地域を歩き、
現地の人たち(おもに老人)と語る。
読みやすかったのは、著者の自然体ともいえるスタンスによるものだろう。
韓国や中国で、反日の感情が高まっている。
考えてみれば、このあたりの歴史について、
日本人のほとんどが、十分な知識をもっていない(私も)。
勉強してみよう。

僕の見た「大日本帝国」

投稿者fujimoto : 2005年4月25日 18:51

旭屋書店に寄る。
『僕の見た「大日本帝国」』(西牟田靖)購入。
大日本帝国の領土だった各地に
「日本の足あと」を探す旅のルポ。
昨夜のNHKのBS番組「週刊ブックレビュー」で
紹介されていた。

「セーラー服とエッフェル塔」読了

投稿者fujimoto : 2005年4月23日 18:46

「セーラー服とエッフェル塔」(鹿島茂)読了。
この作者は、やたらに仮設をたて、
それを検証(想像力を働かせながら)していくプロセスを
楽しんでいる。
これって、誰かと同じスタイルと思っていたら、
解説を丸谷才一さんが書いている。
なるほどね。


「自分を利して、他人も利する」

投稿者fujimoto : 2005年4月19日 18:16

「新しい哲学を語る」(梅原猛/稲盛和夫)読了。
もっとも興味深かった箇所は次の一節。
「宮沢賢治の父は浄土真宗のたいへん熱心な信者でした。
それなのに、賢治は真宗を捨てて、日蓮宗に入るようになります。
その理由というのが、真宗に入ることで自分は極楽浄土に行って救済されるけれど、
人を救済することが少ない。
そうではなく、自分の命を捨てても人を救済する精神こそが仏教だ
と考えて日蓮宗の信者になったのです。
しかしこの真宗批判は少し違うのです。
・・・・・浄土というと、念仏を唱えていたら極楽浄土行けるという
このことだけが真宗の思想のように考えられがちですが、
ただ行って終わりではないのです。
行ったあと、やがてまた現世に帰ってくるのです。
なぜ帰ってくるかというと、まだこの世に救われていない人たちがいるので、
彼らを救うために帰ってくるのです。
つまり念仏を唱えて、死後、極楽に行ってもそこでじっとしていてはいけないのです。
必ずこちらに帰ってこなければならないという考え方があるのです。
・・・・行っただけならば「自利」の思想、帰ってくることによって「利他」の思想となります。
この極楽浄土から苦しむ人を救うために帰ってきたという思想が大切です。」(梅原)

帰宅途中

投稿者fujimoto : 2005年4月13日 10:11

帰宅途中、曽根崎の旭屋書店に寄る。
「新しい哲学を語る」梅原猛/稲盛和夫 PHP文庫
「セーラー服とエッフェル塔」鹿島茂 文春文庫を購入。
2冊選ぶのに、約1時間かかる。
少し疲れ、のども渇いたので、
梅田ガード下「北海」に寄る。
ビール1杯、水割り1杯。たまご、チーズ。1300円。
成城石井で、海苔の佃煮「島の娘」購入。
戻るのが面倒なので、阪急電車で帰る。

海辺のカフカ

投稿者fujimoto : 2005年4月 9日 19:31

村上春樹「海辺のカフカ」読了。
読み出してすぐに、引き込まれる。
現実ともうひとつの不思議な世界とを
読者は、行きつ戻りつする。いつもの春樹ワールド。
キーワードはメタファー(隠喩)。
エンディングは、いわぬが花。

大阪力

投稿者fujimoto : 2005年2月27日 14:45

PHP文庫「大阪力」(丹波元)購入。
丹波さんとは、N新聞広告局の企画の件で、
お目にかかったことがある。
大阪の文化・経済をテーマにした企画だったが、
残念ながら、実現しなかった。

いつものように、ジム→十三将棋倶楽部。
途中、西中島南方~十三、豊中~自宅を
「明日」を聴きながら歩く。

明日

投稿者fujimoto : 2005年2月26日 13:11

平原綾香のCD[明日]を購入。
脚本/倉本聰で富良野を舞台にしたTVドラマ「優しい時間」の主題歌。
ドラマは、そんなに熱心に見ていないが、
エンディングの富良野のサラサラ雪景色のバックに流れる
この曲には、たちまち降参してしまった。
「いまどきシングルCDを買うなんて・・・」と
娘に馬鹿にされたが、
「ほっといてちょうだい」。

失敗の本質

投稿者fujimoto : 2005年2月21日 15:07

「失敗の本質」(中公文庫)読了。
ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、
インパール、レイテ、沖縄、
日本軍はなぜ、これらの戦いで敗れたのか。
ずいぶん以前に評判になった本。
組織としての日本軍が、
環境の変化に合わせて
自らの戦略や組織を主体的に変革することが
できなかったから。
これが結論。